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日々の寝言~Daily Nonsense~

世界麻雀2025(WRC2025)が面白い!

今週は Mトーナメントがお休みでさみしい、と思ったら、世界麻雀2025 という大会をやっているのだった。

World Riich Chanpionship: WRC ということで、日本発祥のリーチ麻雀の世界大会。2014年にパリで第1回大会が開催され、その後、2017年にラスベガス、2022年にウィーンで第2回、第3回がそれぞれ開催された。2022年のウィーンは、おそらく COVID-19 の影響で延期されたのだろう。そして、2025年の今年は、東京での開催ということで、年々参加者も増えているようだ。今回の?出場資格は、日本は4団体所属のプロ、海外は WRC が認定した選手、ということらしい。今年からは国別のチーム戦も行われた。

ちなみに、麻雀はもともと中国で生まれたゲームだが、中国の麻雀は、捨て牌を自分の前に並べたりせず、誰が捨てたかわからない状態でやっていたらしい。これだと、山読みはあっても、手牌読みはほぼ難しいし、フリテンの概念もない。それが日本で進化して、誰が捨てたかを明確にするとともに、フリテン、リーチ、ドラなどの独自ルールが追加されていったということだ。詳しい歴史は、たとえば、ここに書かれている。将棋もそうだが、改良力が強い日本の特徴がよく示されているし、リーチというルールは、正々堂々と宣言するというところが、ちょっと武士道につながるところもありそう(それを逆用したフリテンリーチもあるが・・・)。

WRC は、初日の 7/2 が国別チーム戦だった。国別といっても、日本チームは8つもあってオリンピックのような感じではない。おそらく、国別チーム戦の「初回王者」を獲るために数量で圧倒しに行ったのだが、結果は、なんと、ポルトガル/スペインの合同チームが優勝して、日本のチームは、フル代表チームB(佐々木寿人、瑞原明奈、仲林圭、本田朋広)の3位が最高という、主催国としてはなんとも思いがけず残念な結果となった。フル代表チーム B は、予選まではとても好調でトップ通過したのだが、準決勝で追いつかれて、決勝で抜かれてしまった。

日本関係者は、8チームもあるので楽勝と思っていたと思うのだが、海外の選手たちは予想以上に強かった。おそらく、リアルの対局以外でも、ネット麻雀、Youtube、麻雀AI などで鍛えているのだろう。放送されていた方を見ても、手つきなども含めて Mリーグとそれほど変わらない感じの人も多かった。

昨日 7/3 からは個人戦が始まっていて、各国から 255人の選手が優勝を争っている。昨日5試合、今日5試合打って、32位までが予選通過して、明日以降のトーナメントに進む。日本選手は、予選トップ通過の 清水香織プロを筆頭に、32人中21人が通過した。予選の最終順位はこちら。

パイレーツの仲林さん(6位)や佐々木寿人さん(26位)、園田賢さん(22位)という<強い>Mリーガーがしっかり残っている一方で、元サクラナイツの沢崎誠さん(4位)や森山茂和連盟会長(7位)などのベテラン勢の頑張りも光っている。その他のMリーガーでは、雷電の黒沢咲さん(13位)、フェニックスの浅井堂岐さん(27位)、アースジェッツに指名されてMリーガーになる石井一馬さん(18位)、ABEMAS の日向藍子さん(24位)といった名前が見える。ビーストXを退団となった菅原千瑛さん(3位!)や、ビーストXに残った中田花奈さん(28位)もそろって通過となった。ボーダーの 32位はサクラナイツを退団となったが風林火山に指名された内川幸太郎さんで、ここでもなんともしぶとい生命力を見せつけた感じだ。サクラナイツからは、堀さん(89位)、渋川さん(78位)、岡田さん(130位)も出場していたが、成績が振るわず予選敗退となったので、ちょっと皮肉な感じの結果になっている。

その他のMリーガーとしては、現鳳凰位の白鳥さんが惜しくも 33位、多井さんが 37位でそれぞれ敗退となった。2024-25 MVP の醍醐さん(102位)や、鈴木たろうさん(46位)、竹内玄太さん(94位)、鈴木大介さん(42位)、瀬戸熊さん(66位)、松本吉弘さん(53位)、二階堂亜樹さん(49位)、勝又さん(107位)、伊達さん(128位)、魚谷さん(72位)、本田さん(82位)、浅見真紀さん(104位)、鈴木優さん(139位)、小林剛さん(132位)、滝沢さん(154位)、高宮まりさん(161位)なども残念ながら敗退となっている。優さんは、人読みがまったくできないのが、小林剛さんは、順位点がほとんどなく、素点が重要なルールというのが厳しかったかもしれない。

堀さんや多井さんの「強いと言われている人」が敗退したのは、単純には「運に恵まれなかった」ということになるわけだが、時間制限があって Mリーグほどは長考しにくいのも影響しているかもしれない。また、海外の選手はいろいろな考え方の人がいるので、普通の読みが通用せず、(誰とは言わないが)あまり読まずにシンプルに和了を狙う人のほうが良かった、というのもあるかもしれない。麻雀に正解は無いと良く言われるが、いわゆる「確率」にしても、条件付きの確率になるので、最適な戦略はルールや対戦相手の振る舞いにも大きく影響される。それでも、仲林さん、寿人さん、園田さんなどは結果を出しているので、状況への適応力も含めて、やはり強いなぁという印象だ。ただし、寿人さんは。チーム戦も戦ったこともあってか、2日目後半の成績が振るわなかったので、明日以降の体力が心配。

Mリーグ関係以外の予選通過日本人選手は、以下のような方々:
伊藤 優孝選手(8位):日本麻雀連盟副会長
藤島 健二郎選手(10位):日本麻雀連盟七段
ともたけ 雅晴選手(11位):日本麻雀連盟九段、第2回大会優勝者
日向 杏介選手(16位):日本プロ麻雀協会所属
杉浦 勘介選手(17位):日本麻雀連盟七段
谷井 茂文選手(21位):RMU所属
小川 裕之選手(25位):日本プロ麻雀協会所属
梶 梨沙子選手(31位):最高位戦日本プロ麻雀協会所属

海外からの予選通過者は:
ロシア(無所属となっている)の Vladislav Pliasunov選手(2位):ヨーロッパのリーチ麻雀協会の審判員リストに名前があったので、昔からリーチ麻雀をされている方のようだ。1日目、2日目ともにずっとトップ付近にいて、かなり強いという印象。打っているところを見てみたかった。
韓国の Junseok Yoon選手(5位)
オーストラリアの Trevor Yau選手(9位)
フィンランドの Mikko Aarnos選手(12位);ヘルシンキ大学を卒業してゲームのプログラミングなどをしている方らしい。初日はずっとトップ付近にいた。この人の打ち方も見て見たかった。
韓国の Junhyung Kwon選手(14位);韓国の大会での優勝経験もある選手らしい
米国の Dani Moreno選手(15位);日本麻雀連盟に所属
中国の Yunfei Gao選手(19位):最高位戦日本プロ麻雀協会に所属
韓国の Lim Heonwoo選手(20位)
フランスの Manuel Tertre選手(23位)ヨーロッパの麻雀協会に登録があった
香港の Kazusa Cheung選手(29位)
韓国の Yonga Kim選手(30位)
団体戦優勝に貢献したスペインの Linxuan He選手は、個人戦ではふるわず 136位に沈んだ。チーム戦優勝で満足してしまった or 優勝祝いの宴でちょっと疲れてしまったのかもしれない。

明日からはトーナメント戦(1つの卓で2試合やって2名勝ちあがり)になる。2試合(2半荘)勝負なので誰が勝ってもおかしくはない。優勝するのは誰になるのか楽しみだ。いちおう、優勝は Vladislav Pliasunov選手と予想しておく。

試合の一部(放送用の卓が2つあって、1つは ABEMA、もう1つは日本麻雀連盟の YouTubeチャンネル)で配信されているのだが、配信される卓の選択がやや不満だった。そのときどきのトップ選手の打ち方を見てみたいと思うのだが、そういう卓が選ばれるわけではなく、ランダムに近いような感じだった。試合経過、結果は X で発表されているが、各選手のプロフィールなどの情報がやや不足している感じがした。HP には名前しか見当たらなかったのだが、どこかに出ているのだろうか?

瑞原さんが個人戦に出場していないのも残念だった。最長4日間にわたるので、スケジュールの都合ということらしい。ビーストXオーディション優勝の下石さんも出場はせずに解説をされていた。それから、Mリーグの選手が出場しているのだが、放送される卓(2卓ある)以外の選手は、放送用の特別なお化粧をしていないので(放送卓の選手もどれくらいしているのかはわからないが)、会場写真で普段に近い顔が見られるのも面白い。個人的には、高宮さんの写真が素敵だった。

7/5 追記:
寿人さんは、嫌な予感どおりベスト32で敗退となった。第1試合の森山会長への2回続けての放銃もふわっとしてしまった感じで、やはりチーム戦からの疲れが溜まっていたかもしれない。優勝候補に挙げた Vladislav Pliasunov選手もあっけなく敗退してしまったので、改めて、ベスト16時点での予想は、若い力の 石井一馬さんとしておく。固そうなのは仲林さんなのだが、体調が少し悪いようだし、2半荘勝負は何が起こるかわからない。さらに、60分+1局の時間打ち切りなので、北家の二度目の親番は回ってこないこともわりとあって、席の順番も運要素に加わる。1試合目のトップが2試合目の北家になるのかと思ったが、そういうわけでもないようだ。

ベスト16からの勝ち残りは、
内川、小川、黒沢、中田 → 内川、黒沢
Moreno、藤島、Kim、ともたけ → Moreno、ともたけ
Gao、仲林、石井、森山 → 仲林、石井
Cheung、Yoon、清水、伊藤 → Yoon、伊藤
となった。石井さん、仲林さんはまぁ順当な感じだが、内川さん、黒沢さんの勝ち残りはとても熱い!、あとは、ともたけさんの2度目の優勝があるか、そして、76歳?の伊藤優孝さんの最年長優勝があるか。

森山会長、藤島選手、清水選手、小川選手、中田花奈選手、Cheung選手はここで敗退となった。Gao 選手もオーラス最終局、ぎりぎりの選択で仲林さんに振り込んで惜しくも敗退した。

ベスト8の日本人は6人、海外は2人。いよいよ明日は準決勝と決勝。仲林さんはさらに体調が悪そうだったが、回復すると良いのだが。もしも仲林さんが病欠になると誰が繰り上がるのだろう?

優勝予想は変わらず石井一馬さんとしたい。もし実現すれば、冠スポンサーのアース製薬にとっても最高の結果だと思うので、ご本人もかなり気合が入っていると思う。その気合が良く働くかどうかもまた微妙ではあるのだが・・・

7/6 追記:
準決勝では、なんと、優勝候補っぽかった仲林さんと石井さんの2人が敗退!決勝に勝ち残ったのは、内川さん、ともたけさん、そして、黒沢さん、韓国の Yoon さんの4名となった。アース製薬関係者はさぞやがっかりしているだろう。仲林さんにいたっては、1試合目トップで余裕の通過と思いきや、2試合目、1試合目4着の黒沢さんが発1鳴きからの満貫を決めて混沌となり、最後は、300点差での敗退となった。最終局の1つ前、Yoon 選手の和了で、裏が1つ乗らなければ・・・、あるいは、黒沢さんの最後の和了手があと1翻高ければ・・・などなど、たらればを言い出したらきりがない悔しい状況。仲林さんは、Mリーグ最終局、WRC団体戦最終局、(まぁこの2つはかなり厳しい闘いだったが)に続いて、痛い敗退となった。しかし、明日はMトーナメントの試合があるという。おつかれさまです。気持ちを立て直して勝ち上がっていただきたい。

というわけで、優勝予想はまたまた脆くもあっさりとはずしたので、最終予想は、ここまできたら、予選32位通過からずっと風が吹いている内川さん(それを言うなら、サクラナイツ退団以来か・・・)にしておく(風林火山の亜樹さん大喜び、サクラナイツの森井さんは涙目?!)が、ともたけさんが勝てば初の2度目優勝、黒沢さんが勝てば初の女性チャンピオン、Yoon さんが勝てば初の海外選手、ということで、誰が勝ってもめでたい話ではある。黒沢さんも頑張って瀬戸熊さんの財布を空にしてほしいなぁ・・・(仲林さんをまくっての決勝進出:瀬戸熊さん解説、で既に空になっていて、それが敗因だったようだ^^;)

追記:
結果、内川選手の見事な優勝となった。四代目世界チャンピオンおめでとうございます!!!

結果のスコアだけを見ると、内川さんの楽勝だったように見えるが、最終試合は高打点が飛び交う乱打戦となって(内川さん以外はみんな高打点を狙うので手の進行が遅めになったことの影響もあるのだろうか)、なんと、黒沢さんのお株を奪う Yoon 選手の四暗刻自模まで飛び出す激しい闘いになった(ただし、結果的には、これが第1試合2着の黒沢さんの親被りとなり、内川さんを大きく後押しすることになった。ここはリーチせずに単騎に待ち変えして、内川さんからの直撃を狙うという戦略もあったのだろうか???→ 既に内川さん、黒沢さんが聴牌していたので、かなり厳しいと思うが、もしも「西」単騎になったりしたら激アツだったと・・・)。一時はかなり迫った黒沢さんの追撃はここまでとなり、要所要所でしっかりと和了を決めた内川さんが1試合目で築いた大差を守ってしっかりと逃げ切った。

それにしても、今回の内川さんの大活躍は目覚ましいものがあった。サクラナイツ退団で、何かの呪縛が解けて一皮剥けてしまった感じだ。ピュアな闘う姿勢、闘魂が表情やインタビューにも表れていたので(予選32位通過ということもあって、純粋に1試合1試合の闘いを愉しむというマインドセットになっていたのも良かったのかもしれない。それに対して、他の人達には何かしら勝ちたい、優勝したいという邪念があったかもしれない)、退団からオーディション、そして世界チャンピオンまでの流れを、ロッキーのテーマを BGM にしてプロモーション動画にするとかなり良いものが作れそうな気がする。明日から再開される Mトーナメントでもまだ勝ち残っているので、この際、両方優勝してしまったらすごい。WRC のほうは副賞が「アース製薬製品詰め合わせ」!で賞金はない!!!ようなので、世界チャンピオンの名誉を獲得した勢いのまま、Mトーナメントの賞金も攫ってしまって欲しいところだ。

しかし、前にも書いたが、麻雀の最適戦略は、同卓する相手やルールに依存するので、逆に言えば、このルール、メンバーで勝てたからといって、Mリーグでも勝てるとは限らない、というか、このルール、メンバに最適化されている連盟風麻雀にこだわっていたからこそMリーグでは苦しくなっていたのかもしれない。結局、最後は柔軟性が重要なのだと思う。いずれにせよ、今後のご活躍をお祈りしている。

WRC4日間全体を通して、どの試合も見ごたえがあって感動的だった。大会関係者のみなさまは大変おつかれさまでした。また3年後の大会(ニューヨーク開催)を楽しみにしています。
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