日々の寝言~Daily Nonsense~

Víkingur Ólafsson – Rameau: Les Boréades: The Arts and the Hours (Transcr. Ólafsson)

Víkingur Ólafsson – Rameau: Les Boréades: The Arts and the Hours (Transcr. Ólafsson)


最近この曲も練習している。

元の楽曲は、ラモーの歌劇
「レ・ボレアド」の
第4幕の中で器楽で演奏される。

失意に沈む主人公が
愛の矢の力で励まされ、
復活するというようなシーン。

Olafsson がピアノソロに
編曲して演奏しているのを聴いて
すぐに魅せられた。

しかし、この曲、変二長調で、
フラットがたくさんついていて
初心者には弾きにくい。

一方で、シャープ2つの
二長調の楽譜もあるのだが、
どちらが正しいのか少し調べてみた。

IMSLP にラモーの手稿らしき
全曲の楽譜があるのだが、
そこではニ長調になっていた。

しかし、YouTube で実際の歌劇や、
オーケストラでの演奏を聴くと、
変二長調の楽譜の音が鳴っていることが多い。
ごくたまにニ長調の場合もある、
という感じ。

これはどういうことなのだろうか?

今と昔とでは、楽譜上の音と
実際に鳴る音の対応が違っている
という話もある。

たとえば、オーケストラをチューニング
するための A 音の周波数も、
時代によって変わっている
(だんだん高くなってきている)らしいが、
そういうのとも関係があるのだろうか?

あるいは、歌劇だと、
歌手の音域もあるので、
低めに設定されることが
あるのかもしれない。

ニ長調でもチューニングが半音低ければ、
変二長調の音になるが、
半音の音程差の周波数比率は 約 1.059 なので、
標準的なチューニングを A = 442 Hz とすると、
A = 417 Hz くらいにまで下がる必要がある。
これはさすがに低すぎるか?

と思ったが、
チューニングピッチの変遷
という資料があり、
そこでは、バロック音楽はだいたい
A =415 Hz だと書いてあった。

さらに、ラモーなどの時代の
フランス宮廷では A = 390 Hz くらい
だったととも書かれている。

ということは、ラモーの時代には
楽譜はニ長調でも、音としては、
変二長調、あるいは、ハ長調の音
だったということになる。

とすれば、やはり、ピアノでは
Olafsson がそうしているように、
変二長調で弾くのが良いのだろう。
練習しないと・・・

ちなみに、曲のタイトル?も
"Abaris, Polimnie, les Muses, les Zéphyres,
les Saisons, les Heures et les Arts"
と書かれている(これは登場人物?)

"The Arts and the Hours"(芸術と時間)
というのは、この最後の、
" les Heures et les Arts"
から来ているようだ。

しかし、別の楽譜などには
Entree de Polimnie と
書かれていたりする。

謎が多い・・・
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