なおじい(HOBBY:カメラ・ビデオ撮影・DVDオーサリング/資格:ラジオ体操指導員・防災士・応急手当普及員)

身についている『ワザ 』でボランティア活動・地域社会とのコミュニケーション、楽しいシルバーライフ目標で有意義に過ごす 。

米小売店、3年で1万店減 アマゾン・エフェクト猛威

2019年09月23日 06時46分18秒 | 通販・買い物

米小売店、3年で1万店減 アマゾン・エフェクト猛威

2019/9/23 
 
 

米アマゾン・ドット・コムが既存の小売業を脅かす「アマゾン・エフェクト」が猛威を振るっている。米小売り大手のシアーズ・ホールディングスなど名門企業の経営破綻が相次ぎ、米国で閉鎖した店舗数から開店した店舗数を差し引いた純減数は2017年以降で計約1万店となった。米国で18年に閉鎖した店舗の面積が最高を更新し、さらに勢いを増す。ネット通販の普及が一段と進むとされる日本でも、小売業が対応を迫られる。

 

米メディアは8月、ファストファッション大手のフォーエバー21が米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を検討中と報じた。ニューヨークの旗艦店を9月中旬に訪れるとエスカレーターは故障中。店内の親子連れは「欲しいものがない」と話した。

フォーエバー21を追い詰めたのが膨張するアマゾンだ。何億もの選択肢から一人ひとりが欲しい商品を提示。ペンシルベニア大学ウォートン校のバーバラ・カーン教授は「消費者は自分に(アマゾンのような)魅力を提供してくれない店に行かなくなった」と話す。

調査会社コアサイト・リサーチによると、19年1~9月中旬に米国で小売事業者が公表した店舗の閉鎖は8567店。開店は3486店で、純減数は5081店だ。17~18年は調査を始めた12年以来で初めて、2年連続の純減となった。19年も含めた累計純減数は9772店と、最大手ウォルマートと2位のクローガーの米国での合計店舗数を超える規模になる。

クレディ・スイスの調査では米小売店舗の閉鎖面積は18年が1.55億平方フィート。調査を始めた1995年以降で最高だった。これまでの最高は01年の1.15億平方フィート、その次は08年の1.02億平方フィートだ。前者はIT(情報技術)バブルの崩壊、後者はリーマン・ショックと重なっていた。今回は株高で景気は良いが、多くの店が閉鎖している。

94年創業のアマゾンは取り扱いを書籍から家電・日用品などに広げてきた。システム部門を除いた北米の売上高は18年が1413億ドルと10年間で14倍に拡大。増収額は16年に160億ドル、17年は263億ドル、18年は352億ドルと加速している。

アマゾン・エフェクトにさらされる業種も広がった。初期の代表例は11年に破綻した書店大手のボーダーズ。15年には家電量販店のラジオシャック、17年には玩具販売のトイザラスも破綻した。

最近はアパレルの苦境が目立つ。試着が必要なため店舗優位とされてきたが、アマゾンも柔軟な返品サービスなどを拡充している。UBS証券は18年から26年までに閉鎖が見込まれるのは7万5千店と予測。このうち「衣料・アクセサリー」が約2万店と最も多い。

 

株式市場もアマゾンを支持している。企業価値を示す時価総額は15年末に約3183億ドルと、ウォルマートを超えた。19年9月中旬の時価総額は9000億ドル弱とウォルマートの2.7倍だ。

日本でも小売店の淘汰はすでに始まっている。総務省の「経済センサス」によると法人・個人をあわせた小売業の店舗数は16年に約99万カ所。過去10年で2割減った。

従来は人口減少や店舗の大型化が主因とされたが、今後はここに「アマゾン・エフェクト」が加わる。経済産業省によると、日本の電子商取引(EC)化率は18年に6.22%。単純比較はできないが、10%超の米国と比べればまだ低いからだ。現在の日本のEC化率は米国の14年ごろの水準に相当する。18年8月期に書店大手の文教堂グループホールディングスが債務超過に陥るなど、米国の数年前をたどるような動きも顕在化している。

もはや「商品を売る」だけでは生き残れない。ウォルマートは全米5千超の店舗網を強みに変えようとしている。消費者がネット注文した商品を店員が数時間で取りそろえ、来店すると店内を探し回らなくても即座に受け取れるサービスなどを始めた。他社の買収効果もあり、ネット通販の売上高は18年5~7月期以降、前年同期比で約4割増を維持している。

アマゾンにはない自らの強みは何か。既存の小売業には、この一点を徹底的に追求し続ける姿勢が必要になっている。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿