(いちからわかる!)打ち上げたロケット、再利用できるの?
2016年5月2日05時00分
■米国の企業(きぎょう)が着地させ回収試験に成功。費用節約が目的
コブク郎 ロケットを再利用するようになるの?
A アメリカの宇宙企業(きぎょう)スペースX(エックス)が、打ち上げたロケット「ファルコン9」を回収する試験に成功した。今までのロケットは使い捨てで、海に落としていた。昨年末に陸地の発射場、先月は海上のはしけ船にまっすぐ着地させることができた。
コ すごいね。
A 船で回収するのは、条件によって発射場に戻(もど)すのが難しい場合があるためだ。着地させるには、目標地点にうまく導き、姿勢を保ってゆっくりと下ろさなければならない。特に船の上は不安定で、高度な技術が要る。これまでは勢いが強すぎて倒(たお)れてしまうなど失敗が続いていた。
コ 再利用は何のため?
A 打ち上げ費用を大幅(おおはば)に安くできるんだ。スペースXによると、1回の打ち上げにかかる燃料費30万ドル(約3300万円)に対し、ロケット本体は6千万ドル(約66億円)。使い捨てのままだと、燃料費の約200倍も高い費用が毎回かかることになる。
コ ずいぶん違(ちが)うね。
A 航空機のように燃料を入れ直して繰(く)り返し使えれば、ロケットを打ち上げやすくなって宇宙開発がどんどん進む。1基を100回近く使うのが目標だそうだ。宇宙旅行ビジネスを計画する別の米国企業も小型ロケットの回収に3度も成功した。民間企業のがんばりが目立つよ。
コ やるなあ。
A 民間企業の方が費用削減(さくげん)は得意だし、効率もいいことが多い。米国航空宇宙局(NASA〈ナサ〉)は限られた予算を有効に使うため、企業の力を借りて計画を進めている。早ければ来年末、スペースXの新型有人宇宙船が国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられる予定。スペースシャトル以来、久しぶりに米国から宇宙へ行く手段ができる。目が離(はな)せないね
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