今回は全試合積極的にワザを掛け、
充実の内容でボウズ本人もコーチもママ達も大満足。
もちろん全勝。
はやばやと表彰台の前に集まる。
“ボウズ~おめでとう♪ギュッー”
ん?どうした?なぜホホエミだけでしゃべらない?
“アンタ、何位だったのぉ?!”
つとめて明るく聞く。
“ボク・・2位だったの・・・”
“えーなんでー?全部勝っていい試合だったじゃな~い”
笑顔を絶やさず、ほおずりしながら聞く。
“ボク、ポイント1点足りなかったの・・”
“えっ1点差!!”
1点差か!悔しすぎる!しかし顔に出してはイカン。
“あー!!1点差か!悔しいなぁ、でもそれが勝負の世界だからなぁ!!”
でもやっぱりやりきれないから、坊主頭をかきむしりながら
ボウズをギュウギュウ締め付けてやる。
んんんーおのれ、ドイツが優勝だッ!
1試合目の足に抱きついてくるやつか。
つまりボウズ以外のヤツには1本で勝ったのだな。
それ以外のワザはどうしたのかね?えぇ!?
ボウズは泣かなかった。
いやな顔もしなかった。
でも大喜びでもなかった。
どう思ったか聞いてみると
“驚いたよ・・全部勝ったのに”
そうだよね、ママだって驚いたよ。
あんなにいい試合だったんだもん。
でも事前に、全部勝ってもポイントで負けることがあるから
ワザいっぱいかけろよって言っておいたせいで
少し用心してたのかも。
それであんなにドンドン技もかけたのになぁ。
1ポイント、及ばず。
今までの中で一番最高の試合だっただけに悔しい。
ボウズがだまって受け取った銀メダル。
今までの数々のメダルの中で初めての悔しいメダルになっちゃった。
それでも腐らず、文句も言わないボウズの姿は、
なんだか新たな目標を定めているように見えるなぁ。
やっぱりこの子は強い!と思った。

さて、来週のロスの試合に向けて、
今週はママが投げられ役をつとめてあげましょうか!