湯船につかりながら、隣家の娘さん
が練習するピアノを聴いていた。
ピアノの曲を聴きながら、
私は小倉時代を思い出した。
初めての単身生活、社宅は集合社宅だった。
ある日、感動した。
同僚の娘さんは、ピアノを練習していた。
同僚から迷惑かけていないかと聞かれた。
私は迷惑ではない。
でも聴くなら、ビートルズがいいな。
などとピアノ練習には門外漢
にもかかわらず、勝手にほざいていた。
そんな会話など、すっかり忘れていたある日。
いつものように、同僚と飲んで
一緒に帰ってきた。
部屋に入り、暫くすると
ピアノの音が流れてきた。
ビートルズ、レット・イット・ビー。
娘さんからの「おくりもの」だ。