日銀:展望リポートまとめる デフレ長期化の可能性
会見を終え退室する白川方明・日銀総裁=日銀本店で2009年10月30日午後4時23分、石井諭撮影
日銀は30日の金融政策決定会合で「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)をまとめた。11年度の消費者物価指数(生鮮食品除く)は前年度比0.4%下落と予測。09、10年度に続いて3年連続の下落を見込み、デフレ基調が長期化する可能性が高まった。一方、金融危機対策として企業の資金繰り支援のため実施している社債とコマーシャルペーパー(CP)の買い取りは期限の年末で打ち切ることを決めた。
展望リポートは、11年度までの消費者物価と経済成長率の見通しを示した。消費者物価は09年度が前年度比1.5%下落、10年度が0.8%下落と予測した。11年度の国内総生産(GDP)の実質成長率は、世界的な景気回復を背景に2.1%のプラス成長を予測。09年度はマイナス3.2%、10年度はプラス1.2%と、いずれも7月時点の予測から0.2ポイント上方修正した。
社債・CPの買い取りを打ち切るのは、金融市場が改善したため。超低金利で市場に資金供給する「企業金融支援特別オペ」も年末が期限だったが、年度末の資金需要に備え、来年3月末まで延期した上で打ち切る。【小倉祥徳】