高齢の親置き去り増加 マレーシア 経済悪化影響か
2009年8月3日 朝刊
【マニラ=吉枝道生】経済の停滞が続くマレーシアで、入院している老親を子供が置き去りにして連絡を絶つケースが増えており、社会問題となっている。地元主要紙スターが報じた。
同紙によると、公立病院などに入院したお年寄りの子供や近親者が入院費などを支払わず、引き取りもしないケースが頻発。クアラルンプール病院など全国五つの病院だけでも、昨年一年間で五百人以上のお年寄りが子供などから置き去りにされたという。
クアラルンプール病院では、昨年二百九十三人が置き去りにされ、今年は五月末までで前年同期比12%増の百三十四人に上る。寝たきりのお年寄りも多く、82%が男性という。
家族との連絡が取れなくなったり、連絡が取れても「面倒を見られない」と引き取りを拒んだりするという。背景には、家族意識の変化や経済悪化の影響があるとみられる。
女性・家族省は公的機関の支援活用を呼び掛けているが、隣国シンガポールでは六十歳以上の親の世話を放棄すると、最高で禁固六月の罪にあたり、マレーシアでも法整備論議が出ている。
<memo>
明日はわが身の日本、そして自分の足元。
山に捨てに行くよりまだましと思うべきか・・・。