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なぜかいつも全国に報道されない日本原燃六ヶ所再処理工場の故障

2015-12-01 00:14:44 | 原子力災害
非常電源2系列とも使えない状態にあったというこのニュースはNHKオンライン青森県のニュースと河北新報オンラインニュースでしか確認できなかった。
地元紙東奥日報やデイリー東北の紙面片隅に小さく取り上げられたかも知れないが、少なくともネットでは確認できなかった。
以下は日本原燃のプレスリリースである。

平成27年11月10日

報道関係各位

日本原燃株式会社

再処理工場 分離建屋における非常用無停電交流電源装置の故障について


 昨日、21時49分頃、制御建屋において、分離建屋の2系列ある非常用無停電交流電源装置※のうち、A系の警報が発報し、現場(分離建屋安全系A系計測制御電源設備室:非管理区域)を確認した結果、22時32分に故障と判断しました(B系は点検のため起動できない状態であった)。
 故障した当該の非常用無停電交流電源装置に接続された機器については、外部電源から電源供給がなされており、正常に動作していることを確認しております。また、非常用ディーゼル発電機についても健全であることを確認しております。
 A系の非常用無停電交流電源装置については、原因究明を進めるとともに、今後復旧作業を進めてまいります。
 なお、事象発生当時、点検中であったB系の非常用無停電交流電源装置は、11月10日7時40分、本事象を受けて点検状態から通常状態に復旧済みです。
 本事象による環境への影響はありません。


※非常用無停電交流電源装置: 外部電源喪失時に非常用ディーゼル発電機からの給電開始までの間、バッテリーから建屋換気設備などの制御盤への給電を行うための電源装置



別紙:再処理事業所 構内配置図(PDF)

以上


問題なのは、この建屋の非常電源2系列のうち2系列ともが10時間ほども外部電源喪失時に作動しない状態にあったらしいことである。環境への影響はないと報告しているが、そうであるならば、根拠となる放射線量等の数値は示すべきだ

8月2日には、分離建屋の放射線管理区域内で6箇所、前処理建屋で2箇所、ウラン・プルニウム混合脱硝建屋で1箇所、計9箇所もの機器に異常が発生している。これら複数の安全上重要な機器故障の原因は落雷による電圧異常等の可能性が高い、と結論づけられている。
気象上の問題だから不可抗力といえば不可抗力である。こういうことは時々あるに違いない。
大工場の勤務経験がある人間なら「落雷」や「(無感)地震発生」の場内放送は日常的によく経験するはずだ。騒ぎたてる方がおかしいと思う人もいるかも知れない。

しかし、こと原子力関連施設における重要な機器故障が地元紙や支局の小さなニュースにしかならないことに危機感を抱かずにいられないのだ。マスメディアの沈黙ほど恐ろしいものはない。

今は、自然災害に続発する原子力災害対策もさることながら、テロ対策の重要性がますます高まっている。訓練は無論のこと、全ての原子力関連施設に平時から武装警官・自衛官を相当数配置すべきだろう。


平成27年10月15日

報道関係各位

日本原燃株式会社

再処理施設 分離建屋における安全上重要な機器の故障について(最終報告)


 2015年8月2日に発生した、分離建屋内(管理区域内)における安全上重要な機器の故障について、原因・対策等を取りまとめ、本日、原子力規制委員会に報告しましたのでお知らせいたします。

(別紙)
「再処理施設 分離建屋における安全上重要な機器の故障について(最終報告)【概要版】」(PDF)

(報告書)
「再処理施設 分離建屋における安全上重要な機器の故障について(最終報告)」(PDF)

<参考>
・ 再処理工場 分離建屋内(管理区域内)における安全上重要な機器の故障について
(2015年8月3日お知らせ済み)

・ 再処理工場 分離建屋内の安全上重要な機器の復旧について
(2015年8月5日~8月28日お知らせ済み)

・ 再処理施設 分離建屋における安全上重要な機器の故障について(経過報告)
(2015年8月11日お知らせ済み)

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