豊洲市場徹底検証は正しいけれど、どうみても築地市場は不潔

小池都知事の言っていることは正論。

これまでの都知事は「個別の問題」として細部に亘る検証を指示せずに、部下である都職員に丸投げしてきたのだろう。
選挙で選ばれたとはいえ、都知事は秦氏、鈴木氏を除き、元々が学者やタレント、作家なのだから、行政組織運営という点ではほとんど素人である。

行政組織の一員として長年働いてきた職員から見ると、大方の知事はラインから外れている、慣習を知らない素人、クビ長なわけである。
がんがんと行政改革をしようとしても、職員の心を掴むのは至難の業だろうし、時間がかかるだろう。

その点、増田寛也氏は岩手県において時間をかけて改革を推進してきたのだが、今回の都知事選では、自民党都連に担がれたというだけで、あることないこと誹謗中傷を受けてしまったのは気の毒だ。あの時期の自殺増加は全国同じだったし、借金増大というけれど、東北新幹線はじめ必要なインフラ整備を行なったおかげで、その後の東北地方経済に寄与したことは間違いないのだ。

さて、今回の小池氏の自信に満ちたやり方を見ていると、都庁内にシンパがいることは間違いない。
改革派が都政を刷新するのは良いことだ。
公平性、公正性、透明性を求められる行政において、今回に限らず、多くの自治体が同様の問題を抱えているのは間違いない。他人のふり見て我がふり直せである。

それにしても、築地市場、筆者は場外しか知らないが、間違いなく不潔だ。汚ない。
その雰囲気が人々に受けているのは判るが、もはや食べ物を売るべき場所ではない。

豊洲は取りあえずハコの中は清潔だと思う。地下水は汲み出すのだろうから、それが内部に入り込むことを防止できれば良い。

海水で設備を洗浄できないなど、業者からの不満があるようだが、壁面や床の特殊塗料の剥離を来たし、微生物の繁殖を促すことになる。おそらく国際的な標準からは程遠い言い分だろう。国際都市東京なのだから…。

しかし、ここまで事実と異なる説明がなされてきたからには、今や都の言うことを誰も信用しないだろう。
ほとんどの都職員一人ひとりは善良な市民に違いないが、システムに問題があるのだから、これは改革が必要だ。同時に日常業務の停滞も避けたいところだ。
マスコミも『水戸黄門』のような単純な勧善懲悪ドラマ仕立てはいい加減やめにして、建設的な報道にシフトしないと、都民は勿論だが、業者や関係者への影響が大きくなるばかりだ。