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ネットサーフィンー庄司沙矢香からワクチン開発の話までーその1芸術家

2022-12-13 15:59:23 | Weblog
ネットサーフィンは「風が吹けば桶屋が儲かる」式というか、まるでミステリーツアーのようだ。

ここ久しく音楽鑑賞していなかったので、2001発売のCD、庄司紗矢香の「Live at The Louvre」を出してきて聴いた。

ドヴォルザーク「4つのロマンティックな小品 作品75 B.150」 
カロル・シマノフスキ「ヴァイオリンソナタニ短調 作品9」
ブラームス「ヴァイオリンソナタ第2番イ長調作品100」
ラヴェル「ツィガーヌ」

そもそも、それほどクラシック音楽好きでもない自分が庄司紗矢香のCDを購入したのは、
2005年であったか、東京国際フォーラムにおける”ラ・フォル・ジュルネ・オー・ジャポン”(La folle journee au ”Japon”)
若き美しい天才バイオリニストと脚光を浴びていた彼女の演奏を聴いたことがきっかけであった。
一公演は40分ほど、教室みたいな雰囲気の小会議場の壇上だったような覚えがある。
曲目は忘れてしまったが、彼女の演奏は、メディアや世間による「若く美しい」とか「かわいい」などという
アーティストにとってはどうでもいい評判を吹き飛ばす鳥肌立つ演奏だった。

印象に残っているのは、途中、感激した聴衆の何人かが演奏が終わったと思い、拍手を送ってしまったのだが
彼女はエレガントに、(もう少し聴いてね)と言う風に軽くうなずき微笑み返したのだった。これはプロだ。

その後、彼女のCDを聴くたび、私の脳裏には見たことのないはずのヨーロッパの絵画的風景が浮かんだ。

彼女は音符と言う記号をバイオリンを媒体にして化学反応(電気?)を起こさせ、人の脳裏に映像をもたらす演奏家なのだろう。
聴覚がイメージを呼び起こすという現象はとても高次な脳の働きだ。


彼女は今どうしているのだろうかと思い、サイトを探すと、なんと来日中でコンサートを開いているではないか!

しかも、このコロナウイルスパンデミックが彼女に新たな試みをもたらしていた。

【「18世紀当時に一番近い製造法で作られた裸のガット弦と、クラシックの弓を使用して弾いています。
私は決して、古楽器やガット・ストリングのセッティングがインタープリテーションの正当性に繋がるとは思っていません。
あくまでも、色々な教科書を学んでいくうちに、実際にその美学とロジックをさらに追求していきたいと思って、最終的な段階で決めたことです。」
「今回は特に、モーツァルトの劇的であり感情的なコントラスト、そして、隠された深い悲しみまたルバートとアンサンブルのズレの観念を深めていけたと思っています。
ジャンルカとアイデアを出しながら、装飾音やカデンツァを作っていきましたので、一回一回が繰り返すことのできないものとなっています。 」
- 庄司 】(Universal Music Japanのサイトより)

芸術家はステイホームをしながら、ずっと試みを続けていたのだ。
14世紀ペスト猖獗後のヨーロッパルネッサンスのように、きっと今回のパンデミックも、芸術を、世界史を塗り変える。


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