残業代ゼロ導入、労働Gメンの6割が「反対」(朝日新聞) - goo ニュース
いきなりタイトルで残業代ゼロ賛成なんて書いちゃうとブログバッシングされそうで怖いんだけど・・・
目的・主旨を正しく理解した方がいいよ。
今回の見直しでは、
①対象は年収400万円以上であること
②ホワイトカラー・エグゼンプションが前提ということだ
(エグゼンプションはexemption 控除という意味・ホワイトカラーという定義はやや難しいが、ココでは非生産部門労働者として考えています。)
うちの会社は中小企業だから・・・
現場の最前線で働く社員の年間総支給額が400万円未満という社員は実に80%以上に相当する。
ほとんどの社員で、今回の見直しに該当する人はかなり少ない。
①の400万円と言えば
月給支給額 25万円×12ヶ月=300万円 夏冬賞与2回×50万円=100万円
これで400万円である。
②について言えば、製造なり販売なり現場の最前線ではないオフィスでネクタイしてパソコンをパチパチやっている
ホワイトカラー達が対象となると思っていいのではないでしょうか。
おそらく、これらの人たちは①の400万円を軽く超える人たちなのだが、
パソコンでネットを見たり、メールを読み書きしたり・・・
それで、就業時間を2時間越えたから、はい残業しました。当然基本給が高い人たちだから、
残業単価も高く、コレで今日は3,000円・4,000円儲かりましたとなる。
こんなのおかしいよねっていうことにメスを入れようとしているのだと思います。
こういう非生産部門のホワイトカラーが受け取る残業代が企業の中で非常に大きなものとなり、収益を圧迫し、
弱者である役職の低い身分の方までは、残業代が振り向けられず、サービス残業となってしまうケースが、
あまりに多いのだろうと想像します。
生産活動に直接従事する人たちは、1時間で100の物を生産すれば、8時間で800となり、10時間なら1,000となる。
必ずしも時間と報酬の関係は正比例にはならなくても、時間と生産量の関係おおよそ比例関係であろうことは、理解しやすい。
一方で、ホワイトカラーの人たちすなわちパソコンなんかを普段デスクにおいて仕事をしている人たちはどうだろうか?
今日は4時間仕事をした。
翌日は8時間仕事をした。
翌々日は12時間仕事をした。
さて生産量・売上は、労働時間に比例して2倍・3倍となるのか?
現実はほとんど関係しない。
ホワイトカラーの人たちの仕事においては、時間と報酬の因果関係が非常に薄いのである。
だからコレを是正していかなければならないのだが、役職に付くホワイトカラーたちも、
元は時間管理における労働者だったので、どうしても労働報酬と時間の概念から抜け切れないし、
企業側も時間の概念をなくした場合の評価・処遇の仕方がわからないから、従前の時間管理をするしか
ないと言うのが現状なのだと思う。
高度成長時代を支えた製造業を中心とした日本産業の発展期には、労働量=時間の関係が成り立ったから、
基本の賃金システムとして、労働時間=報酬は成り立ってきたのであろう。
今日、海外に製造現場が流出している現状において、将来の日本の成長は、付加価値創造や研究・開発などの
知的財産の創造へと現場がシフトする必要があり、この役割を果たしていくホワイトカラーたちの知的財産価値の創造量は、
必ずしも労働時間に比例するものではないということだ。
特に30歳代~の400万円を越えるホワイトカラーたちは、己を磨く努力をし続けていかないと、
自己の存在価値を企業で認めてもらえなくなると思います。
これは、産業構造の変化であり、時代の流れであることを認識しておく必要があり、反対反対と言うよりも、
むしろ自己を高めることで自己防衛をしなくてはならいのだと思います。