今回のホワイトプランは、ある特定の利用層を対象とした場合、その顧客メリットは十分あり、評価できることだと思う。
しかし、月額980円で携帯電話業界の事業モデルとして、
事業が本当に成り立つのか?
答えはYESである。
こんな単純な値下げを断行できる理由は一体なんだろう??
必ず裏があるのでは??裏がないはずがない。
悲しい性だが、何かを探ってみたくなる。
そこで発見!!
実は割賦契約時の毎月の割賦代金の支払額への影響があるのだ。
今さら、割賦契約の詳細な説明はここでは省かせて頂くが・・・
どういうことかと言うと、割賦契約で端末を購入した場合、毎月割賦代金の請求額をソフトバンクが、特別割引してくれる割引額が、ホワイトプランは影響をあたえてしまうのだ。すなわち、毎月の基本料金・通話料金から相殺される特別割引額は、相殺できない金額部分を消滅させてしまうのである。
具体的な例でみてみよう。
【例1】
ホワイトプランにて、月額の端末割賦支払額が3,000円で特別割引額が2,000円の端末を購入し、毎月利用料金が、基本料金980円+通話1,020円であった場合、
(3,000円+980円+1,020円)-2,000円(特別割引)=3,000円の支払となる。
【例2】
ホワイトプランにて、月額の端末割賦支払額が3,000円で特別割引額が2,000円の端末を購入し、毎月利用料金が、基本料金980円+通話0円であった場合、
(3,000円+980円+0円)-980円(特別割引)=3,000円の支払となる。
すなわち通話を1,020円しても完全無料通話だけにとどめて通話料金を0円にしても毎月の支払額は、結局の所3,000円となり同じなのである。
と言う事は、通話料金収入が完全に0円であったとしても、毎月の収入は3,000円を確保できる訳である。通話料収入が減る分は、きちんと端末コストとしてお客さんが負担しなければならいというヘッジがしっかり掛かっているのである。
割賦の端末代金の割引の相殺対象は、月額基本料金と通話料金の支払代金なので、月額の基本+通話の代金が特別割引額より小さい場合は、相殺しきれないので、特別割引額の全額が相殺にならないのである。
まさにマジック。
しかしこの考え方は、以前のブログでも何でも書いているように、ソフトバンクは利用料金と端末コストの負担をバランスを取ることを正論として料金と価格設定を積極的に行う方針であるので、そう言う意味では、首尾一貫した考え方であるとは思う。
料金はドンドン下げていくけど、あまり利用料金を払わない人は、最低限の端末購入コストはそれなりにお客さんが負担してねと言うことなのである。
だから、月額980円で事業は成り立つのか?これは見かけの部分での素朴な疑問なのであるが、実際はきっちり毎月3,000円を回収できるモデルに仕上げられているのだ。(安い端末の場合は、最低回収額は3,000円未満となるとは思いますが・・)割賦時の特別割引額が、調整弁を果たすとは。
と言う事は、今後の収益改善の構造的な問題は、割賦金額と特別割引額の調整によって、収益構造を自由に変えられる武器を持ったということになる。
恐るべし・ソフトバンク
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