やっと、スナップエンドウの筋取り作業が終わりました💦
映画「戦場のメリークリスマス」で、もうひとつ腑に落ちなかったのは、
セリアズがヨノイにキスした動機。
映画を観た時は、殺されそうになった俘虜長を助けるのに、とっさに出た行動かと思っていましたが、
それだけで自分の命をかけるのはどうかなと。
俘虜長を助けるためだけに、ヨノイの自分に対する好意を知って利用しただけというのも、
そんなことで、自分の命を懸けてすることとは、
そこまで浅はかな男ではないと。
原作を紹介したコラムを読むと、
まさに、ヨノイが俘虜長を処刑しようと刀を抜いたその時、
≪セリアズは、傍らにいたロレンスに「今、天から弟の歌声を聴いた。」
と、死人のような形相で告げている≫
とあるので、
弟に対して犯した過去がよみがえり、今、その時の罪を償う時が来たと、
直感したのかと。
俘虜長を助けたいのももちろんあるでしょうが、
それ以上に、
自分に対しては命を救ってくれ、手厚く看護するように気遣い、
反抗して独房に入れても、絨毯を差し入れるなど、数々の好意を示してくれたこの男が、
今、目の前にいるこの男は、病気の俘虜たちに当たり散らし、自分に従わない俘虜長の命を奪おうとしている。
人間性を失ってしまっているヨノイの姿を、かっての弟を見捨てた自分と重ねたのでは。
セリアズ自身はまだ過去を反省する余裕があるが、今のヨノイはそれすら感じられない。
そう感じたセリアズは、「今こそ、過去の弟に対して犯した罪を償う時が来た。」
と、直感し、俘虜長を処刑しようとするヨノイの前に立ちはだかった。
ハグしてキスは、当時はイギリスの上流階級では、家族や親しい人のみの間で行われる行為であり、
セリアズは、純粋な気持ちで自分に接してくれたヨノイに対して、弟を思うような気持ちで、
「人間としての感性を取り戻せ。」
と説得する気持ちで、ハグしたのでしょう。
デヴィッド・ボウイ演じるセリアズの真剣な表情が語っています。
かって、弟を見捨て、歌の上手な弟はそれ以来歌わなくなって、弟との間は疎遠になっていった。
その弟の歌声が天から聞こえてきた・・・
今まさに、その時の罪を償う時が来たと。
もちろん、それをすれば、そのあとに残酷な仕打ちが待っていると覚悟してのこと。
セリアズには、やはりというか、残酷な処刑が待っていましたが、
過去に犯した罪を償えて、弟の歌声を聴き、弟に許しを請う自分の姿を
薄れゆく意識の中で観、幸せな夢の中に逝ったことでしょう。
でも、やはり辛いですね。こんな最後は。相当辛い・・・
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