『書斎の競馬』元編集長のひとりごと

馬・車券歴40年以上50年未満。いつの間にかいい歳になった。

超難解な中山牝馬S

2006-03-09 02:41:48 | 競馬
アンブロワーズ   53キロ  牝4  小野次郎   小島太
ウイングレット   56キロ  牝5  田中勝春  宗像義忠
カネトシディザイア 53キロ 牝7 木幡初広 田中章博
コスモマーベラス  53キロ 牝4 柴田善臣 中村均
スターリーヘヴン  54キロ 牝6 大西直宏 高市圭二
チアフルスマイル  54キロ 牝6 藤田伸二 池江泰郎
ディアデラノビア  55キロ 牝4 岩田康誠 角居勝彦
プリンセスグレース 51キロ 牝4 北村宏司  音無秀孝
マイネソーサリス  54キロ  牝5  佐藤哲三  佐々木晶
ミヤビキララ    50キロ 牝4 郷原洋司 稗田研二
メイショウオスカル 56キロ 牝5 後藤浩輝 安達昭夫
メジロトンキニーズ 52キロ 牝4 吉田豊    高橋裕
ヤマニンアラバスタ 56キロ  牝5  江田照男  星野忍
ヤマニンシュクル  56キロ 牝5 四位洋文 浅見秀一
ライラプス     54キロ 牝4 デムーロ 松田国英
レクレドール    55キロ 牝5 蛯名正義 池江泰郎


 牝馬限定G3ハンディ戦とあって超難解な競馬。
 中山の1800メートルという距離が推理をよけい難しくしている。
 コーナーを4回回るわけだから、先日の中山記念のように逃げ、先行馬が有利なはずなのだが、ここ5年で逃げ切ったのは‘01年のエイシンルーデンスだけ、それも前半1000メートルが1分ジャストというチンタラペースの競馬だった。
 昨年はもっとひどい競馬で前半1分2秒3という超スローにもかかわらず逃げたオルレアンは4着で、2番手のウイングレットが抜け出したが、良馬場で1分49秒7という条件戦なみの勝ちタイムだった。
 要は逃げ馬がしっかりしていなかったから番手有利になったわけで、どの程度のペースで行くかと(逃げる馬)の能力が鍵となる。
 一昨年も三年前も四年前も良馬場で、前半は58秒3、57秒0、58秒6の平均ペースだったが1、2着したのは、全部中団、後方の差し馬だった。
 どうしても中山1800メートルだと展開優先の推理になりがちだが、今年の場合も逃げ馬不在、なにが行くかは騎手次第だから、能力、状態優先で考えたほうがいい。

 昨年の1~3着馬が登録してきた。
 まず勝ち馬のウイングレットは、先行脚質の馬でコース得意、そこそこ人気になりそうだが、1キロ増量の56キロは有利とはいえないし、昨年より相手が強化した。
 昨年のレース内容に魅力はないし、その後いいところもない。
 
 2着のメイショウオスカルは、昨年は中団からの競馬だったが、行かせれば行けるというややこしい馬、騎手が毎度苦慮する乗り難しさがあるから成績が安定しない。
 前走京都牝馬Sで、昨年3着だったチアフルスマイルと同着の2着は大体能力相場通りだが、この馬の56キロも、同着馬チアフルの54キロに比べると不利。

 チアフルスマイルは、上がり33秒台の決め手がある。
 昨年スローで3着だったことを考慮すれば、ペースの上がりそうな今年もソコソコには走れそうだが、はまらないと届かないタイプで毎度期待できるような馬ではない。

 ハンディ56キロで有利なのがG1でも好勝負する能力があるヤマニンシュクルだ。  
 1年以上休養して臨んだエリザベス女王杯が4着、その後鳴尾記念7着と競走生活初めて掲示板を外したが、これはたぶん2走ボケ、中山向きかどうかだが阪神のマイルを勝つくらいだから器用さがないとも言えまい。
 京都牝馬Sは若干太めだったようだし、流れも不向きだった。

 ヤマニンアラバスタの56キロはきつい感じがする。
 昨年夏から秋にかけて3連勝、エリザベス女王杯で3番人気と穴人気になったが、いれ込み馬に一流馬はいない。
 家賃が高く8着だった。
 中山OKのような器用さはあるが、典型的なハンディキャップタイプがトップハンディでは手が出しづらい。

 ディアデラノビアは慢性いれ込み馬で、昨年のオークス3着には驚かされた。
 復帰後2戦精彩を欠いているが、小柄な馬で気で走るようなところがあるので闘争心が戻っていなかったのかも知れない。
 今回は豊でなしに岩田の騎乗、小回り向きのではない馬をどう御すかが興味深い。

メジロトンキニーズの52キロはおもしいが、もう少し距離がほしい。

 コスモマーベラスの前走は大井のダート、53キロで1800メートルなら好戦可能。