『書斎の競馬』元編集長のひとりごと

馬・車券歴40年以上50年未満。いつの間にかいい歳になった。

カワカミプリンセス

2008-11-16 13:08:15 | 競馬
衣替えの季節。G1・7連戦に向けてそろそろアタマも切り替えなければならない時期なのだがこれといった穴馬が思いつかない。3歳馬と古馬との力関係、外国馬の能力など考えなければならない要素があるのだが、ウオッカ、ダイワスカーレットの2強が不在なら2年前のエリザベス女王杯馬(1着降着だったが)カワカミプリンセスが最短距離にいる。

 カワカミプリンセスは強かった。オークス、秋華賞を連勝して5連勝で臨んだエリザベス女王杯が予期もできない1着降着。たしかにヤマニンシュクルの鼻っ面を横切ったけれど、勝つ可能性のある馬の走行を妨害した今年のオークス馬ほどお行儀は悪くなかった。 レースに勝って裁決に負けた。全盛時ではなかったが宝塚記念、秋華賞、エリザベス女王杯を勝った強豪スイープトウショウが3着だからレースのレベルは低くはなかった。降着は不運というしかないし、そのまま筋肉痛で休養したのはツキに見放されたから ? 
 その後4戦して勝ち鞍はないが、凡走したのは休養明けのヴィクトリアマイルだけ。故障がちのわりには走っている。4角先頭と見せ場を作った宝塚記念は6着だったがアドマイヤムーン、メイショウサムソンが相手では仕方がない。このときウオッカに先着している。今年は約11カ月ぶりの金鯱賞で宝塚記念を勝ったエイシンデュピュティに逃げ切られたが差のない3着は悪くない。前走の府中牝馬Sは栗東から輸送してプラス12キロ。見た目は3歳時とあまり変わりなかったが、あるいは太目だったかもしれない。テン乗りだった横典がどう乗っても勝てると思っていたようなレースぶりだったので、ゴール前交わされたが気になるような内容ではない。

 欲と2人連れでの2着探しは難しい。
 4歳牝馬の中で3本指に入るベッラレイアは切れ味なら屈指のものがある。前残りになった府中牝馬Sは追い込んでカワカミプリンセスとコンマ2秒差の3着だったが、ダイワスカーレットの勝った昨年の秋華賞の上がり32秒9はウオッカを凌ぐ鋭さだった。もっとも最後方でためていたからこそ繰り出せた末脚で勝ちを意識したら位置取りもちがっていたはず。馬場が柔化すると切れも鈍る。

 3歳馬の評価が難しい。毎度勝ち馬が替わるように傑出感のある馬がいない。時計的にも古馬とひとつ近く違う感じがするがなんといっても成長期。まるっきり無視するわけにもいかないだろう。
 力をつけているのはムードインディゴ。大外回ったローズSはフロックだと思ったが、先行馬有利の流れにもかかわらず馬群を縫った秋華賞のレースぶりに成長が窺える。無視し続けた馬だから今さら買う気にはならないが、見直す必要はあるだろう。
 
 春と同様に不完全燃焼を続けるリトルアマポーラは馬が変わったという印象はないが、乗り手が幸四郎から当代きってのルメールに替わった。外をだらっとまわっただけのオークスといいスタートと仕掛けどきが遅れて脚をあました感じの秋華賞が人災だったとすれば変わり身を見せてもいい。

 春の実績でいえばレジネッタとエフティマイアが5分だと思うが前で競馬できるぶんエフティマイアが有利。カワカミほか末脚自慢の有力馬が中団以降ならノーチャンスではない。

 ポルトフィーノは名牝エアグルーヴの仔。秋華賞は除外されたが6カ月ぶりの古馬1600万下を懸念された折り合いにも問題はなくデビュー4戦目で勝った。3歳馬の中で素質はナンバー1。エルフィンSのころの印象で馬っぷりは群を抜いていた。いつもなら期待外れがちの良血とかいって軽視するタイプなのだが、その姿形に過大な期待をしてみたい。無事なら桜花賞、オークスで勝ってもおかしくはなかった。アーリントンCのように鞍上とけんかすることがなければ好勝負。距離は憶測でしかないが問題ないと思う。勝てば史上最強だったエアグルーヴの娘としてエアを超えた史上最強牝馬ダイワスカーレットととの対戦も夢ではなくなる。

 相手は3歳とみている。最終的にはカワカミから2点くらいに絞りたい。