ウェザーコック風見鶏(VOICE FROM KOBE)

風の向くまま、気の向くままに……

反転したメダカの群れ =日本の防衛政策の変容(4月16日付)=

2007-04-26 12:49:58 | 政治・社会・経済
 双日綜合研究所副所長吉崎達彦氏の「反転したメダカの流れ--日本の防衛政策の変容」に関する記事は面白い。
 日本経済新聞WEB SITEのどこかでピックアップした記事であると思うが、それが定かではない。
ナイーブな「帝国」アメリカの虚実

ビジネス社

このアイテムの詳細を見る

 記事の書き出しは、「メダカの群れが泳いでいく様子というのは不思議なものだ。メダカは互いに会話を交わすこともなく、またリーダーがいるわけでもないのに、泳いでいてある地点にくるといっせいに『くいっ』と曲がる。メダカの群れは、どうやって進路を変える意思決定を行なっているのか。その辺のメカニズムは、現代の科学でもまだ『謎』であるらしい。察するにメダカは『集合的無意識』のようなものを共有していて、『あうんの呼吸』で方向を決めているのであろう」である。
 筆者は、このメダカの群れの行動と、日本の各種政策変容とを比較対照して、「似通ったところがある」としているのである。
 具体的には、防衛政策の変容の動きを捉え、
○2003年12月:日本版弾道ミサイル防衛システムの導入を閣議決定
○2004年04月:「安全保障と防衛力に関する懇談会」(荒木委員会)設置
○2004年05月:小泉首相が再訪朝(拉致被害者の家族5人が帰国)
○2004年06月:国民保護法成立(有事法制7法が揃う)
○2004年09月:アーミテージ国務副長官が訪日(在日米軍の再編協議が再開へ)
○2004年09月:小泉首相が国連総会で演説(安全保障常任理事国入り表明)
○2004年12月:「防衛大綱」と「中期防衛力整備計画」を閣議決定
○2005年02月:日米「2+2」会合(「日米共通戦略目標」を決定)
以上の動きを踏まえ、この2004年に進んだ防衛政策の転換は、その前年に生じたイラク戦争と、北朝鮮核問題に端を発している、としている。
 この動きを評して、「『これは大変だ』となったときの日本社会の変化は早い。動き出すまでは時間がかかるのだが、合意ができた後は一瀉千里(いっしゃせんり)となる」と記述している。

 まさに、「メダカの群れの動き」と「日本政府の一瀉千里の動き」を重ね合わせ、「似ている」と評しているわけである。
 メダカの動きの分析自体も面白いが、日本政府の動きになぞらえ、比較対象しているところが何とも面白い。

 一方で、「全体を大きく議論してから、大胆に舵を切る」のが本来のあり方ではないかとも感じる。
 これが、何に起因しているのか不分明であるが、「政治家資質の問題なのか」、または、「官僚主導政治」なのか、不分明であるが、しっかりと国民をリードしてもらいたいものであると感じる。
1985年

新潮社

このアイテムの詳細を見る

最新の画像もっと見る