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役人の「天下り」だけが批判される不公平 =宋文洲の単刀直入=

2007-04-27 08:38:35 | 政治・社会・経済
 日本経済新聞のWEB SITE、ビジネス連載コラム欄を見ていたら、4月9日付「宋文洲の単刀直入」の記事に出くわした。
 「役人の『天下り』だけが批判される不公平」とのタイトルで、「日本の終身雇用制度が根本原因となり、雇用の流動化が疎外されているため、官僚社会、民間を問わず、『天下り』の問題が発生している。従って、官僚の場合のみ批判されるのはおかしい」との論理展開である。
宋文洲の傍目八目

日経BP社

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 まさに、当を得た「日本の社会の見方」であり、面白い。
 「雇用の流動化」が、社会構造の中にビルトインされていれば、「だれそれがどこの企業に移った、あるいは、引き抜かれた」ということは、話題性に乏しいものになると考えられる。
 また、「雇用の流動化」構造が定着している場合、競争の激烈な民間企業は、「生き残りをかけて優れた人材の確保を画策する」はずであり、「天下り」という言葉は「死語化」するとも考えられる。
 「天下り」という言葉の背景に、「能力評価を度外視して、権力に屈する、もしくは能力に見合わない報酬を支払わなければならない構造」が見え隠れしているため、「天下り」が問題になると思われる。
 従って、宋文洲氏が見通しているように、「官僚社会、民間社会を問わず、横断的な雇用の流動化構造の定着により、『天下り』問題は解決するだろう」ということになる。
ここが変だよ日本の管理職

東洋経済新報社

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 以前にこのブログ記事として、「天下り」問題に触れたことがあるが、そのときは宋文洲氏のように深く洞察していなかったため、単純に「不平等論」に基づき、見解を示した。
 その意味で、この外国人である宋文洲氏の記事に接し、「目から鱗が落ちた」感がある。
うまい逃げ方―人生、できることだけやればいい!

経済界

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 そういえば、米国では、政権移行時、「官僚の大移動が発生する」と聞く。
 「能力がある、もしくは、能力があると見込まれた人たちが、官僚の中枢機構に座り、反対の評価を受けた官僚たちが在野に下る」動きが、米国にはあるということを示しているように見える。
 このなかに、宋文洲氏がもう一点指摘している「官僚社会、民間企業間で、横断的に30歳代から40歳代の人たちの雇用移動があってもおかしくないし、それが日本社会の閉塞感を打ち破ることになり、それが達成されれば『天下り』問題は発生しない」し、「社会の活性化につながる」ということになると考えられる。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (pinktiger)
2007-04-28 09:28:30
宋文洲さんは、私も好きな経営者の一人です。今日、宋さんに関する記事を書きました。

http://plaza.rakuten.co.jp/ukiuki21/diary/200704280000/

(TBを残していきますので、よろしくお願いいたします)
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