昨日、NHK衛星放送を見ていたら、「欧州ライフ」という番組であったと思うが、Mr.アルノンという人が紹介されていた。
彼は、現在家族とパリから30kmほどのセーヌ河畔に浮かぶ艀を住居に生活している。家族は、夫婦、子供3人、末っ子が4-5歳の男の子である。
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彼の現在の仕事は、子供服のデザイナー。
子供服をキャンバスにして、自由奔放に「自分の想い」を描き、子供たちに身につけてもらい、それを楽しんでもらうことに喜びを感じているようである。
工房では、画用紙に、浮かぶがままにデザインを描き、作品に仕立て上げる。時にはそれを家に持ち帰り、末っ子に試着をさせ、その反応を楽しみながら商品としての製品の仕立てを行っているとのこと。
彼自身はこれまで何回か職を変えてきている。
大学では国際法を学び、外交官となり、モスクワに着任、外交官として職業生活をスタートしている。
その外交官職を放棄し、大手小売業に転職、購買業務、いわゆる、仕入業務で能力を発揮し、成功していたとのことである。
そこまで成功していながら、「何故」と感じるけれども、しかし、「物」、「商品」を右から左に流通させていくだけの仕事に飽き足らず、現在の仕事に飛び込んだとのことである。
まさに、「文系」から「技術系」へと、職種を180度転換していることになる。
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今は、仲間を募り、仲間の商品を自店に展示し紹介したりしながら、単に子供服のみならず、靴であったり、手提げバッグ等の小物であったり、いわゆる「子供のトータルコーディネート」へと「夢」を膨らませているように見える。
少なくとも、自分自身とは異なる感性、人生の遍歴を体験しているMr.アルノンという人物に興味を引かれた。
私自身は、既に57歳、残された人生において、残念ながら、彼のようなリスクテイクはできないし、その時間的余裕もない。
敢えて言えば、まさに、「風の向くまま、気の向くまま…」に、自分の想いをこの「ウェザーコック風見鶏(…)」をキャンバスにして、描いていくということになるのかもしれない。
しかし、パリ郊外、セーヌ河畔でのゆったりとした時間の流れの中での、船上生活については、まさに、「羨ましさ」を感じる。
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