ウェザーコック風見鶏(VOICE FROM KOBE)

風の向くまま、気の向くままに……

湯元氏の日経「領空侵犯」記事に対するプロ棋士としての意見

2007-05-31 08:52:40 | 文化・学術

 日本経済新聞5月28日付、「領空侵犯」で湯元健治氏のインタビュー記事に対して、囲碁プロ棋士の梅沢由香里氏が日経ネットPLUSで、「人間形成にプラス」とのタイトルで、見解を披露している。
 梅沢氏は、小学校の頃、「学校の授業に日本文化の時間があってもいい」と考えていたとのことである。また、同じ見解を述べる中で、「文化という視点から見ても、現状のように人間形成の上で非常に重要な時期に触れる機会がなければ日本の文化はどんどん廃れてしまうと思います」と指摘している。
 ちなみに、梅沢氏は、ブログを公表しており、プロ棋士としての梅沢氏の色々な側面が感じられるかもしれないので、興味のある方は訪れてみるとよい。アドレスは下記の通りである。
 http://yukarigo.at.webry.info/

ヒカルの碁 (1)

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 文化は、人から人へと引き継がれていくものであり、長い歴史的時間を経過して醸成されていくものである。
 その意味で、梅沢氏の見解は当を得た見解である。
 梅沢氏は、「囲碁も、将棋もそれぞれ日本文化の一側面」ととらえ、「文化教育の一環として取り入れる価値があり、現に大学教育等で取り入れているところもあるし、その輪が少しずつではあるが広がっている」と指摘している。
1から始める梅沢由香里の碁

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 話は変わるが、フランス人は「国語に相当するフランス語」を極めて大切に扱っている。
 一流ホテル等では、英語を話しても理解し話しにのってくれるが、例えば、街中のレストラン等では英語が通じない場合が多々ある。
 聞くところによると、外国語教育として英語教育等は行なわれているわけで、「理解はするけれども、あえて英語を使わないようにしている」ところがあるらしい。ある意味で、傲慢と感じられなくもないが、「フランスにいるのだからフランス語を話しなさい」といいたいのかもしれない、と感じる。
 この、「自国言語を大切にする」ということも、「フランス文化の一側面」ということになると考える。

 私たちは、日本人であり、同じ観点から、日本に根付いた文化を引き継ぎ、それを後世に伝える役割を担うことになるのだと考える。
 しかしながら、梅沢氏が指摘しているように、義務教育局面で、「文化教育が欠落している」とすれば、「日本文化を体現する日本人魂」なり、「日本人としてのあるべき人間形成がなされていかない」ことになると考える。
 もちろん、「読み、書き、計算」を軽視するつもりはないが、それのみでは、残念ながらロボット人間しか育たないように感じる。

 先般、将棋の渡辺竜王が、「コンピュータとプロ棋士の戦いを演じた」ことがテレビで報道されていたが、「人間は人間であって、ロボットではない」ということになる。
 従って、家庭内においても、地域においても、学校教育の場においても、「人間形成教育、人格教育」は極めて重要であり、「文化教育」がその一端を担い得るのではないかと考える。
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