放射能除去と骨炭 一筋の光

私たちの想いを全国に

政府の「人体実験」政策

2012年09月03日 | 武田教授
時事寸評 政府の「人体実験」政策





「genomukaisekitdyno.231-(5:27).mp3」をダウンロード

政府は原発を進め、核武装まで行くという方針のもと、福島原発で被災した福島県の人の全DNAの遺伝情報の解析を進めると発表した。

事故直後、政府は「健康に影響はない」と連呼して、福島の被曝地帯からの住民避難に一台のバスも出さなかった。チェルノブイリの時にソ連政府が事故の翌日からキエフなどからのバス1100台で住民の避難をさせたのとは大違いだった。

「健康に影響がないから避難しなくてもよい」という政府の基本的な考え方なら、福島の人のゲノム解析は必要がないし、もしゲノム解析が必要なら住民の避難をさせなければならない。

これでは完全な人体実験だ.特に環境省が「子供を中心に調べる」としているのは重大なことでもある。子供に影響がある可能性があるのなら、事故直後にまず避難させて、しかる後の「逃げ遅れた子供」とか「被曝を避けるように努力はしたが、結果的に被曝した子供」の検査をするなら筋が通っているが、「逃がすこともせず、子供の遺伝子の解析をする」というのでは、いくら何でも切ない。

特に福島の子供の36%、実に3分の1以上に甲状腺の「異常」が認められていて、しかもそれが「異常かどうか不明」という状態だ。このブログでも指摘しているように、被曝の不安の原因は、「事故前まで被曝は危険だとしながら、事故が起こったら被曝は安全だ」と180度変わった政府や専門家の言動にある。

ゲノム解析のような事は政府が政治的に音頭を取るのではなく、学会や学者が取り組むべき課題であり、それに政府としては研究促進をするというぐらいである。もともと政府の強力な権力のもとで学術的な研究をするというのは、ナチスやスターリン時代のことでもある。私たちはこのような「歴史の教訓」もおろそかにしてはいけない。民主党政権がなにか居丈高で、権威主義、全体主義のように見える理由はなんだろうか?

おそらくゲノム解析の結果は「影響が少ない」ということになり、それを元に政府は原発政策を推進するだろう。これが学術的な結果によるなら方向がどのようになっても人類の知恵の進歩として歓迎することだが、人の健康や生死に政治が入ったら意味を失う。

(平成24年9月1日)

 

 

 


 

武田邦彦


報道ステーション 阿部博士取材 

2012年08月08日 | 阿部博士

テレビ朝日 報道ステーション 阿部博士取材中


人生の節目・衝撃の一言:お母さん、こんな時は政府を信用した方が良いよ

2012年07月29日 | 武田教授





「fukusimanookaasantdyno.196-(2:35).mp3」をダウンロード

先日、東京で大きな反原発デモがありました。このことをNHKは報道せず、ヨーロッパの報道から「デモは民主主義の一つの大切な手段で、これほど大きなデモを放送しないNHKの放送姿勢を問う」という批判が出ていました。

それはともかく、そのデモで歩いていた福島のお母さんが、「原発が爆発したとき、私は逃げようと言ったけれど、息子は「こんな時こそ、政府の言う通りするのが国民の義務だ」といって避難しなかった。でも、本当は避難しなければならないところだったのです」と言っておられました。

なんという政府でしょうか? これまで日本政府は国民が信用してもよい存在だった、少なくとも命の関わる危険は知らせてくれた・・・それに答えなければならないという純朴な青年をも裏切ったのです.

(平成24年7月26日)


 

武田邦彦


非常警戒区域3km圏内、福島県大熊町民プールの水を採取する阿部博士

2012年07月28日 | 阿部博士
非常警戒区域3km圏内、福島県大熊町民プールの水を採取する阿部博士。データ取り込み作業中の模様。この数日後、除染数値が見事に下がったデータがでた。この詳細は阿部博士のコメントで詳しくご報告いたします。日本原子力研究開発機構はこの除染工法をはねつける発言をしている。「放射能、いまなくなっちゃこまる」「そういうのはゼネコンにいってくれ!」予算が決まっているため余計な技術を持ち込みたくないらしい。原研 次長・白鳥 芳武、 同席者 原研 技術主幹・串田 輝雄。のちにこの工法とそっくりな研究結果を読売新聞に掲載している。/6月27日、朝刊。原研自体は研究所というものはもっていない。この発言についての証言者はすでに当方 Cyclone Photographers. で取材済みであります。
(大熊町民プール)
IMGP6971.JPG
(子どもたちが遊んでいたプール)
IMGP6969.JPG
 
(データ取り込み中の阿部博士)
IMGP6978.JPG
(データを取り込み中の阿部博士)
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(この段階でも確実に放射能が下がっていくことが分かる。)
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(除染チームもメンバーについても後ほど公開いたします。)
 
 (撮影・山我 祐生/Yusei Yamaga)
 Cyclone Photographers. 

福島第1原発での作業員の皆さんの作業環境の改善は政府が責任を持たなければならない!

2012年07月27日 | 毎日新聞
 

 

<福島第1原発>多重派遣で作業の男性が是正指導求める

 

東京電力福島第1原発事故の収束作業にあたった長崎県の男性(45)が、労働者派遣法などに違反する多重派遣や偽装請負の状態で働かされたとして、下請け上位の「日栄動力工業」(東京都港区)に是正を指導するよう東京労働局に申告した。男性は約束通りの賃金を支払われておらず、長崎県内の下位4社についても長崎労働局などに申告した。

【すべてはここから】写真特集・津波に襲われる福島第1原発

男性を支援する日本労働弁護団は27日記者会見し、「原発労働の下請けの多重構造とピンハネは常態化しており、氷山の一角。東電が下請け会社の雇用や安全管理にも責任を負わなければ改善しない」と指摘した。

護団によると、男性は昨年6月、長崎県内のA社から「原発30キロ圏内のがれき撤去で日当1万1000円」と仕事の紹介を受け、詳細はB社に聞くよう指示された。B社は「原子炉建屋内ではないが原発敷地内の仕事」とし、日当を1万4000円にすると口頭で約束。男性が契約書を交わしたのはさらにその上の「大和エンジニアリングサービス」(同県佐世保市)で、契約書には賃金が明示されていなかった。

だが実際の仕事は原子炉建屋内の作業で、防護服を着て日栄動力と大和エンジニアリングの責任者の指揮下で働いた。現場では「1日約2万円の危険手当も出る」と説明され同年7月1日~8月9日まで働いたが、A社から払われたのは日当1万1000円だけ。大和エンジニアリングに差額を求めると「C社の派遣労働者として受け入れているので、日当1万4000円と危険手当はC社に支払った」と言われたという。

弁護団は▽男性がC社から派遣されたとすれば二重派遣▽大和エンジニアリングが雇用主で日栄動力の社員の指揮下で働かされたとすれば偽装請負--にあたると指摘。未払いの63万円を男性に支払うよう労働基準監督署に申告した。

日栄動力工業の担当者は毎日新聞の取材に「男性と直接的な雇用契約がないので、話が分からない」と説明。大和エンジニアリングサービスは「社長が不在でコメントできない」としている。【市川明代、水戸健一】


原子力規制委:慎重に人選 「脱原発」論者起用も避ける

2012年07月26日 | 毎日新聞

政府が国会に示した原子力規制委員会の人事案は、細野豪志原発事故担当相を中心に、専門家ら数十人と水面下で接触して絞り込んだ結果だ。政府と業界との「なれ合い」体質を払拭(ふっしょく)する人選が求められたが、中長期のエネルギー戦略が未確定ななかで、明確な「脱原発」論者の起用には踏み込んでいない。

「福島の事故から学んでいない者は原子力行政にかかわる資格はない」。細野氏は26日、人事案を提示した後の記者会見で、電力会社の影響を受けないことを前提に選んだと強調した。

細野氏らは与野党が規制委設置法の内容で合意する前から原子炉、放射線防護、地震などの専門家をリストアップした。個別に会って業界との距離などを確かめ、絞り込んだ。

しかし原子力規制委のメンバーは国の命運を左右しかねない重責。起用の打診に「尻込みする」(政府関係者)専門家は多かった。7月半ばの段階で就任の内諾を得たのは3人。残る2人は人事案が事前報道された20日の直前まで難航した。


人生の節目・衝撃の一言:なんで「節電」しなければならないのですか?

2012年07月26日 | 内部被爆

「kyoujyufujintdyno.195-(3:36).mp3」をダウンロード


先月、アメリカから大学教授夫妻が名古屋に来られたのでご一緒にお食事をしました。その時、私は試しに教授夫人に「節電という言葉を知っていますか?」と聞きました。夫人は「知りません。どういう意味ですか?」とお聞きになったので、電気をこまめに消したり、クーラーの温度を高くしたりすると説明しました。

そうしたら、「何のためにそんなことをするのですか? 自分の判断で自分のお金で電気を使っているのですから」と言われたのです。つまり、国民が欲しいだけの電気をなんで電力会社が供給しないのか?という質問です。

日本の政府とマスコミが作り出した奇妙なエネルギーと節約の概念をアメリカの教授夫人は理解できません。電気は工業製品であり、それを買うか買わないかは買い手の自由であり、供給できなければ電力会社の責任なのですから.自動車でもテレビでも、欲しいと言っても買うことができないのは崩壊寸前の共産主義国家ぐらいなものです。日本もだめになったもので、とても残念です。

(平成24年7月25日)

 


 

武田邦彦


原子力規制委員会:就任予定委員の反社会的活動をどう評価するか?

2012年07月26日 | 武田教授

「tdyno.225-(9:29).mp3」をダウンロード

(このファイルは記事を音声で解説したものです。クリックするとしばらくして再生します。音が小さいときにはマイクの音量を上げてください。)

日本の大人、親として、今後の原子力の安全について真剣に考えなければならない。その一つが秋に発足すると言われている原子力規制委員会の概念と人選である.これについて「まあまあ、なあなあ」ではまた事故が起こり、子供達が被曝する.

まず、第一に、原子力規制委員会と言われる組織ができるのは、これまで原子力は「原子力委員会」と「原子力安全委員会」の2つがあって、それぞれ「推進」と「規制」を担当し、その事によって日本の原子力の推進と抑制を守ることが国民の合意だったことを確認しなければならない。

しかし、今は事故が起こったあとです。事故が起こったと言うことは「システムは万全だったのか、システムに問題があったのか」というだ。私は「ひ弱で御用学者になった東大教授と、組織的に完璧な防御網を持つ官僚」の組み合わせに原因があり、システムではないと考えている。

あるとき、私がさっぱり改善されない原子力の安全について原子力安全委員長に話しに行ったときだ。「武田先生、周りを官僚に取り囲まれていて身動きがとれないのですよ」と言う。原子力関係者で原子力安全委員会を作っていたことも問題ではあるが、ほとんどの判断が官僚によってなされていたことが最大の問題である。

さらに「勲章」と「老後」の問題がある。東大教授は順調にいけば退官後、適当なところに再就職し、さらに勲章をもらえる.だから55才ぐらいを過ぎると「元気な東大教授」は絶滅する.あとを考えるからだ.だから官僚に逆らって評判を落とすとそれで自分の後半生は終わりである.

残念なことに、わたしは日本の官僚で「原発を安全に動かしたい」ということを第一に考えている人に会ったことはない。「原発は安全の方が良いが、国民はどうせ理解しないから、国民やマスコミが理解する範囲を最優先しなければならない」と確信している.だから「危険だからここを直すべきだ」という意見が出ると、「今更、そんなところを直したら今まで危険だったと言われる」と言うことになり、「非常時の訓練をするべきだ」というと「非常時が起こると勘ぐられる」というアウトローの人がいう類いの反論が来る.

つまり、原子力を安全に進めるためには、
1)ひ弱な御用学者を登用しないこと、
2)安全委員を選ぶときのプロセスを透明にすること、
3)官僚支配の構造を打破すること、
が国民の安全を守ることになる。

でも、福島原発事故の後になっても、このような議論がほとんどなされないまま、原子力規制委員会というのが新しくできることになっている。もし、新しい組織を作るなら、委員長や委員には「ひ弱な御用学者」ではなく、決定過程は「不透明な登用基準」でなく、さらに官僚が主導権を握らない組織にしなければ組織の名前を変えただけになる.

・・・・・・・・・

その点で、委員の候補として上がっている中村佳代子氏が福島で講演し「低線量被曝は問題ない」と発言したと報道されていることを国民として検討しなければならない。

彼女は日本アイソトープ協会に所属し、「低線量被曝(1年1ミリ)の規制」に深く関係している。アイソトープ協会は放射性物質を取り扱うビジネスをしているところで、規制値が厳しい方が取扱量が増えます.だから、今までも1年1ミリを厳しく守ってきた組織だ.

事故が起こらない前には低線量被曝を問題にして日本アイソトープ協会が扱う放射性物質の量を増やして商売をし、事故が起こると「低線量被曝など大丈夫」と豹変したとしたら、「ひ弱」どころか、専門家としての見識が疑われる。

さらに問題なのが「遵法精神」である。原子力の規制で重要なのは、
1)推進の立場で物を考えるのではなく、安全を第一とする、
2)規制と規制の精神を守る、
ということである。そして日本の規制の法規には「被曝はできるだけ減らすこと」と明記してある.原子力規制から言うと「低線量被曝」は避けるべきことなのだ。

もともと、原子力委員会に加えて原子力安全委員会を作ったのは、人間の脳の欠陥(自分が有利になるものが正しいと錯覚する)を補うためである。だから、原子力安全関係の委員は原子力を推進したら名誉を得たり、お金を得たりするのではなく、物理などを専門としているが、原子力には「やや批判的」な人材を登用しなければならない。

原子力を推進する側は理論的合理的に、批判的な人を説得できること、それで始めて原子力の安全が保たれる。その点では、昨日のブログで指摘したように、すでに現在の日本は「困難な問題を正面から議論する勇気と根気」を失っているように見える。「原子力の批判的な学者を使えば、原子力ができなくなる」(安全に自信と説得力がない)ということが原子力安全委員会を有名無実にした一つの原因でもある。

どんなに批判的な人でも、オープンで議論したら、理論的、合理的なものを反対するのは難しい。もしそれが学問的に判断できるものであればなおさらである。

中村さんが具体的に「違法行為(低線量被曝は気にする必要がない)」、「法規で退避を必要とするところに住んでいても良い」などということを教唆したかどうかは講演の詳細が不明だからわからないが、この際、国かご本人が講演の全記録を示し、「違法行為を教唆したり、法律の趣旨に反したりする意図がない」ことを公にしなければならないだろう。

国民は心の底から原子力の実施、福島方面の人の健康を心配しているし、それは事故を起こした日本人、日本の親の責務でもある.

(平成24年7月26日)


 

武田邦彦


ホタル生態環境館のホタルの奇形出現

2012年07月25日 | シエア

公開日: | 投稿者: 下村博文

板橋区ホタル生態環境館でゲンジホタルの夜間一般公開が22日から始まり何年かぶりに行ってみる。

 

ここのゲンジホタルは福島県大熊町を故郷にするもので、平成元年に大熊町から約3000個の卵を採取し、世代交代を繰り返し今年で23世代目になるという。

 

夜8時ごろ温室に入ると約3000匹いるホタルが乱舞していた。幻想的でありまた光がやわらかく、癒される蛍の光だ。子供の頃、家の前の田んぼを数匹のホタルが舞うのはあったが、20畳程の温室で約3000匹のホタルが飛んでいるのは圧巻だ。

 

ホタルは外部から0.5マイクロシーベルト/h以上の放射線を浴びると光らなくなる。非常にきれいな環境でなければ生きていけない。現在残念ながら、大熊町ではホタルを見ることができないという。

 

ホタル生態環境館で阿部宣男さんに話を聞く。その板橋でもホタルに奇形が生まれている。放射線の影響だそうだ。

 

そのために、阿部さんはナノ純銀粒子による放射性物質の低減実験を行っている。環境に敏感なホタルやクロマルハナバチ再生等でカビ、病原性大腸菌、ウィルス対策としてこれまでもナノ純銀粒子(抗菌メカニズム)及び担持材を研究して10年になるが、これが放射性物質にも効果があることがわかったという。

 

これまでの除染の方法ではなく、放射線量そのものを低減し無害化する方法であるが、文科省や原子力研究開発機構などの理解か得られず、あまり進んでないという。

 

消滅しつつあるホタルを見に行った私も、阿部さんの話を聞き放射線量の低減や無害化に向け勉強し、国会で質問することにした。


アスペクト社から「ホタルよ、福島にふたたび」

2012年07月25日 | 内部被爆