世界最速のインディアン スタンダード・エディションハピネット・ピクチャーズこのアイテムの詳細を見る |
どうにも不思議なタイトルだが、「インディアン」とは主人公の愛車であるバイク、1920年型インディアン・スカウトのこと。ニュージーランドの小さな町で暮らす63歳のバートが、長年の夢であった米国ユタ州で行われる最速バイクレースに挑戦する。実話を基にした物語で、バート役を演じるのはアンソニー・ホプキンス。とてもじゃないが最速レーサーに見えないけれど、夢に一直線になる初老の男をいきいきと演じ、嫌味がないのはさすがである。
ニュージーランドの人々の粋な見送りに始まり、船でロサンゼルスに着いたバートがユタを目指してヒッチハイクしていく旅は、多くの個性的な人々との出会いが彩っていく。それぞれのエピソードがどれもイイ話なので、観ているこちらもいつの間にかバートを応援してしまう展開。圧巻は、ついにユタ州のレース会場に到着した彼が、目の前の白い平原を見て幸福に浸るシーンだろう。その幻想的な美しさといったら!その後もさらに大きな感動が待つのだが、人生賛歌のドラマとして、これほど基本に忠実で、しっかりと物語を語っている映画も少ない。多くの人の心を温かくする佳作だ。
■伝説のバイク:インディアン号で世界最速記録に挑んだ男の真実の物語
1967年バート・マンローが打ち立て、いまだ破られていない世界最速記録―300キロ。40年以上もスピードだけを追求し、63歳という年齢ながら奇跡のような大記録に挑戦した男の、型破りで愛すべき生き様を追った真実の物語。
<インディアンとは>
1901年に、マサチューセッツで販売開始された"エンジン付き自転車"。
ネイティブ・アメリカンの人々のように自由に「鉄の馬」を走らせたい、という願いを込めて"インディアン"と名づけられたそのマシンは圧倒的なパワーと耐久性でハーレー・ダビッドソンなどを大きく引き離してNo.1の地位を獲得していく。
しかし1953年、安価なイギリス製の輸入バイクに押されて、工場をクローズ。52年間で作られた、インディアン製のバイクは、「伝説」となり、あのスティーブ・マックイーンも1930年型の"インディアン・チーフ74サイドカー"を愛機としていたという。
<バート・マンローとその記録について>
1000cc以下の流線型バイク世界最速記録保持者。
ニュージーランドに生まれ、15歳からバイクに乗り始める。1920年、インディアン・スカウトを購入。このマシンの元々の最高時速は80キロ台だったが、よりスピードを求めて改良を重ね続ける。
62年、63歳の年齢ながら、アメリカのボンヌヴィル塩平原(ソルトフラッツ)で世界記録に初挑戦し、時速288キロの世界記録を達成。以後も70歳過ぎまで毎年のようにボンヌヴィルへ行き、67年には時速295.44キロのインディアン最速記録を出す。ちなみに公式記録にはならなかったが、この年に出した最高時速は331キロだったという。
■誰もが夢を追いたくなるスピリット・エンタテインメント作!
■名優アンソニー・ホプキンス主演!
「羊たちの沈黙」などこれまで神経質な役柄が多かった彼が、イメージを一新する役柄に挑戦、バイクに跨り爽やかにファンキーに駆け抜ける!
■監督は「13デイズ」「リクルート」のロジャー・ドナルドソン
1971年、実在のバート・マンローにほれ込んだ監督が彼のドキュメンタリー(テレビで放送)"Offerings to the God of Speed"を撮り、以来彼の物語を映画化しようと思っていた。「13デイズ」「リクルート」など、ハリウッドでヒット作を出した彼が、自ら脚本を手がけ、アンソニー・ホプキンスという理想のキャストを得て、バートとの出会いから34年経ち、ついに映画化を実現させた!
感想
男が夢をもって 旅をするというロードムービーです。
ちょっと世間ばなれした主人公とである人々のふれあいが軸になり、年を重ねても夢を追うことのすばらしさを描いた秀作。
バートモンローが記録をたてた実機