いよいよ16日、intelからCore i7プロセッサ3モデルと、各社からX58チップセット搭載マザーが発売されました。ええとつまり、パソコンの中身がまた進化した訳ですね。
CPUのラインナップは次の3つです。
モデルナンバー 965 Extreme Edition 940 920
コア数 4
動作周波数 3.2GHz 2.93GHz 2.66GHz
2次キャッシュ 256KBx4
3次キャッシュ 8MB
ソケット LGA1366
従来のCore2シリーズの後継CPUですが、次のような進化を遂げています。
4コア・ハイパースレッディング
コア数が4つになり、さらに各コアがハイパースレッディングに対応しました。これにより、OS上では8CPUとして表示されます。これは、ビデオを変換する(エンコード)時や、時間のかかる複雑な処理、たくさんのソフトを同時に起動するときなどに大きな効果が出ます。
省電力化
処理が少ない時は、4つあるコアのうち、不要なコアの電源を切る機能がつきました。つまりパソコンの前で悩みこんでる時の電気代が、以前よりもよりお得になりました。
ターボモード
これが個人的には今回のなかで一番すごい進化ではないでしょうか。前述のマルチコアやハイパースレッディングは、速度が向上する場面が結構限られていたのですが、この機能により、より広い範囲で速度の向上が期待できます。
具体的に言うと、不要なコアの電源を切り、使用していコアを定格以上で動作させます。不要なコアが休んでいる分余裕ができた電力や排熱能力を、動いているコアで有効に使う、画期的な方法です。
これにより、ゲームなどのシングルスレッドアプリケーションでも速度が向上します。
トリプルチャネルメモリアクセス
今までは2つのメモリを同期させ、速度を高めるデュアルチャネルという技術が使われていましたが、1つ増えてトリプルチャネルとなりました。どの程度速度が向上するかと言われると判断が難しいですが、速度が向上する要因のひとつです。
CPUバスの改善
CPUから周辺チップへの経路が改善され、メモリはCPUからダイレクトにアクセスするようになりました。中継がなくなったため、速度の向上が期待できますが、どの程度かは…どうなのでしょうか。
PCIExpress 36レーン対応
今まではグラフィックカード等に使用するPCIExpress x16スロットは、通常1本、また2本あっても両方x16で動作するマザーボードは殆どありませんでした。そのため、グラフィックカードを2枚差しても?…と少し疑問に感じていたのですが、今回の進化で16レーンx2本で使用できるようになりました。どの程度の向上が図れるかは詳細なベンチマークが必要だとは思いますが、とりあえず最強のグラフィックを目指すユーザーにはあって損のないメリットです。
他にも改善点は多いのですが、代表的な部分だけざっとまとめました。
ひとつ残念なことに、今回のCore i7プロセッサは、その仕組みが大きく変わったために、従来のCore2シリーズとは端子が全く異なります。そのため、今までのPCのCPUを交換してCore i7にすることができません。
しかし改善された項目を見る限りでもパフォーマンスの向上が期待できるので、ヘビーユーザーなら買い換える価値も多分にあるのではないでしょうか。