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GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

アイドルやタレントに政治色はいらない

2015-06-24 19:51:43 | MUSIC/TV/MOVIE
歌はメッセージだ。
ラブソングだろうと社会批判だろうとかまわない。
それがアイドルだろうとロッカーだろうがかまわない。

だけどそれが市が後援するイベントならちょっと話が違う。

6月13日に神奈川県大和市で行われたイベント。「若者と国会 自分で考える集団的自衛権」っていかにもうさんくさそうな長たらしいタイトルのイベント。しかも会場は大和市保険福祉センターって市の施設。
このイベントで「制服向上委員会」ってアイドルグループが、安倍総理や自民党批判の歌を歌ったらしい。
市と市教育委員会が後援してたけど、「特定団体の批判をするのであえば、公共である市が後援するのはふさわしくない」って異例のあとから後援を取り消す事態に。

これはわかる。こんな馬鹿げたイベントに市民の税金を使ってちゃいけない。

歌で批判する事が悪いと言ってるワケじゃない。元パンクだから安っぽいラブソングを聴かされるよりは、痛切なウィットの効いたメッセージソングを聴く方が好きだ。クラッシュやアナーキーの初期の頃なんかは名盤だと思ってるくらいだ。
ただし、実名や政党の名前を直接出すのなら話は違う。こんなのはメッセージソングじゃない。ただのアジテーションだ。デモの際にでも歌ってくれ。
市民が集まるイベントで自民党や安倍総理を批判する歌をよく歌ったもんだな。

RCサクセションの原発を批判した「COVERS」でさえ、電力会社も政党名も特定個人名も一切出していない。あの学生運動が盛んだった70年代のプロテスタントフォークでさえ、社会や政治に向けて批判してたが、特定団体や個人の中傷や誹謗はしていない。斉藤和義も東北復興ライブで「ずっと好きだった」を替え歌「ずっと嘘だったんだな」にして歌って原発批判したが、勿論これだって同じだ。
社会批判のメッセージソングって言うのは、もっと広く共感される歌だ。こんな学校の文化祭バンド並みの歌詞や替え歌ではない。

このイベント主催者の「憲法9条やまとの会」は「自由な意見を出し合う事が重要で、市はいかなる立場のイベントにも後援を出すべきだ」って。
この主催者は脳みそにウジが湧いてるのか?と疑いたくなる。言論の自由はある。表現の自由もある。ブログで現内閣の批判をしようが、SNSで政党批判しようが、安倍総理批判本を出版しようがかまわない。自由だ。
しかし、特定団体の批判をする事が公共のイベントだと、どこをどうねじ曲げて解釈すればそう思えるのか不思議だ。
何が「自由な意見を出し合う」だ。制服向上委員会が歌ってる時に会場にマイクでも回してアンサーソングでも歌わしたのか?ラップアーティストのdis応酬ならまだわかるが、アイドルに一方的に批判ソング歌わしただけじゃないか。

だいたいアイドルに首相や政党の批判をさせてどうする。アイドルに政治批判を歌わす事で身近に感じてもらえるとか勘違いしてるのかもしれないが、アイドルファンは引くだけだぞ。(それ以前にこのアイドルグループは意味をわかって歌っていたのか?)

以前、日本でも人気のあった少女時代。彼女たちが韓国の政治的イベントで「独島(竹島)は我が祖国~」って歌ってるのがばれて、一気に日本では人気がなくなった。あれだけ韓流映画やドラマもはやったのに、その俳優が政治的イベント出演し反日メーッセージを出すたびに消えていった。韓国では未だ人気があるのかどうか知らない。アイドルやタレントに政治的な色をつけるとろくな事が無い。


自由に討論したければ市や教育委員会にお金をだしてもらわず、自分たちのお金でイベントはやれ。特定の政党批判がしたければ隠れ蓑のようにアイドルグループにさせず、パンクバンドを自分たちで組んでYoutubeにでもUPしろ。

選択肢テーマのバカリズムドラマと広瀬すず発言

2015-06-24 04:47:18 | MUSIC/TV/MOVIE
もしあの時こうしてたら、・・・。

竹内結子、真木よう子、水川あさみの3人の女優が本人役で登場し、自分自身のターニングポイントで、「もし違う道を選んでいたら?」果たしてどんな人生を送っていたのか?を演じる。バカリズムが素敵な選TAXIと同じく、「あの時こっちを選んでたら」をテーマに脚本を書いたドラマ。
これがまた面白いドラマに仕上がってたのよ。

女優三人の実際のエピソードや関連する小ネタが随所に盛り込まれ、「もしあの時こうだったら」のパラレルワールドが展開する。更に三人の世界が交錯していく脚本は観てて「見事なり!」って感心してしまうほど。特にラスト30分の展開は面白い上に、この三人のリアルな演技に唸った。それぞれの喜怒哀楽の変化。表情、言葉使い、態度。すべてにおいて巧い。こんなにこの三人は演技巧かったんだ・・・ってあらためて感心してしまったよ。

「もしあの時こうしてれば・・・」は「もしあの時こっちの道さえ選ばなければ・・・」と似てるけどちょっと違う。

「もしあの時こうしてれば」は違う道を進んでたら?は自分勝手に妄想できる。
「もし野球をずっと続けてたら?~今頃プロ野球選手で、メージャーに移籍して・・・」「もしロックバンドを続けてたら?~今頃印税で豪邸建てて、スポーツカー乗り回し、ドームツアーでシャウトして・・・」「もしあの大学の方を選んでたら?」でも「もし彼女が別れ話を切り出した時こう言ってれば?」でも一緒。いくらでも自分に都合のいいように妄想できる。

「もしあの時こっちの道さえ選ばなければ」の場合は、なんかその後に悪い事があったときの後悔の言葉に聞こえる。「あの時彼女に出会わなければ・・・」「あの時に雨さえ降らなければ」「あの時車の鍵を忘れなければ」って。なんかドラマでも小説でもこの「あの時何々さえしなければ」が出てきた時は、必ず先にトラブルが待ってる。ちょっとアレンジして「あの時こっちの道を選んだばっかりに・・・」も一緒。その後失敗したり事件に巻き込まれる前の常套句のようなものだ。

誰もがいろんな「あの時こっちの道を選んでれば・・・」と「あの時こっちの道さえ選ばなければ・・・」を過去に背負ってる。飲んだときにはこの愚痴が出てくる事多いね。まぁ結論はいつも「そっちを選ばなかったから今があるんだし」とか「今更言うてもしゃあないで(仕方ないよ)」とか「そっちの道を選んでても結果は一緒だったかもね」とかで終わっちゃうんだけど。一人ベットの中で「あぁあの時・・・」って思っても、全部「後の祭り」なんだけどね。

子供の頃からこの選択肢はいっぱい出てくる。友だち、クラブ、塾、受験、バイト、趣味、就職、恋人、住居・・・。いろんな選択肢があって、その度に無意識に選択する場合もあれば、資料を集めたりじっくり検討して選択する場合もある。そう、誰だっていろいろ選択しながら人生を生きていく。

広瀬すずの「どうして生まれてから大人になった時に照明さんになろうと思ったんだろう?」とか音声スタッフについて「なんで自分の人生を女優さんの声を録ることに懸けてるんだろう?と考えちゃう」って発言は何の問題も無いよね。17歳の子がただ純粋にその人の選択に対して思った事を口に出しただけなのに「職業蔑視だぁ」って叫ぶ奴の方がどうかしてる。そいつらこそ職業蔑視してないか?
イチローや松井に「何故子供の頃から野球ばっかりやってきたんですか?他にも楽しい事いっぱいあったのに」とかカズや本田に「サッカーばっかりやって来た人生に後悔無いですか?」って聞いたらなんか問題あるか?バンドマンに「何故この人はギターとかボーカルとか目立つ楽器じゃなくベース選んだんだろう?」とかオーケストラを観て「何故あの人は数ある楽器からビオラを選んだんだろう」って思ったら駄目か?素朴な質問じゃないのか?

本人の広瀬すずにしたって「何故この子はこんなに早くから芸能界に入ったんだろう。後悔してないのか?」って事だもの。普通に学生やってりゃクラブ活動もできるし、恋人と手をつないで下校もできるし、学校帰りに友だちと買い物したり、バイトや夜遊びだってできちゃう。そんな自由な普通の学生生活を捨てて、不自由でハードな芸能界を選んだのは何故?本人がそう選択したんだからいいけど他人から見たら不思議だろ?

今の芸能界は選択肢に対して迷ってる子が多いね。本当になりたくて子供の頃から夢見て、その為に努力してってないままにオーディション受かって芸能界に入っちゃった子が多いからかな?だからちょっと売れたりした子も、売れなかった子もすぐ辞める。「他にもやりたい事があるから」って。
AKBでもそう。総選挙で上位に入ってる子が脱退するのと、総選挙で下の方の子が脱退するのではちょっと意味が違う。
前田敦子や大島優子、今度8月に卒業が決まったSKE48松井玲奈などは、創生期からチーム活動を一生懸命やって来て、やっと世間で認識されて、そしてCD100万枚をコンスタンスにうれるようになり、コンサートは超満員。TVや雑誌に引っ張りだこになった今、一つの区切りをつけて、昔からの夢にチャレンジしたいから,次にやりたい事ができたから、そして今のままじゃ時間的にも肉体的にも無理だからって卒業を選択した。だから卒業後も成功する。
一方、今ひとつ人気はでないし、TVにも出れないし、練習キツいし、憧れた世界と現実のギャップあるし、トップの子はチヤホヤされるのにわあt氏とあの子らで何が違うのよ?このままずっと続けていってもねぇ、なんて思ってる奴が「勉強に本腰入れようと思ってる」とか「声優になりたかったのでその勉強をしたいから」なんて言い訳言って辞める場合はちょっと違う。多分その子はその後も常に選択肢を考えてしまうだろうから。

宇多田ヒカルが「普通の一般人の生活をしてみたい」って引退したのも何となくわかる。若いうちから一気に売れてしまったから、周りはチヤホヤする人ばかり。気がついたら切符を買って電車に乗る事さえできないとか、同世代の子らが楽しんでる世界を自分は知らないとか。だから違う世界を見てみたかったんだろう。

一番怖いのが選択肢で選んだ道を努力もせず、勉強もせず、すぐ後悔したり、違う選択肢を探してしまう事。いつまで経っても「あの時こっちを選んでれば」ってずっと言い続ける人生を送ってしまうだろう。
そのうち「本当にやりたい事が見つからない」「まだ俺は本気を出してないだけだ」「私にはチャンスが無かった」って独りよがりで嘆くだけになってしまうから気をつけて。
チャンスの神様は髪の毛三本。だから通り過ぎる時に素早く捕まえないと逃げちゃうよ。