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GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

又吉に芥川賞をあげてほしい

2015-06-21 01:07:34 | Talk is Cheap
第153回芥川龍之介賞。通称芥川賞にピース又吉著の火花がノミネートされた。
第28回三島由紀夫賞は残念ながら受賞できなかったが、この芥川賞は是非取らせてあげてほしい。

火花は現役芸人が書いたとは思えないくらいのすばらしい作品だ。これはただのタレント本ではない。出版業界が冷え込んでる中、既に50万部売れてるのはすごい。面白いからだろう。いまだに売れ続けているのもわかる。amazonでも売れ筋ランキング2位にまだランクインしてる。(1位は絶歌。なんでこんな本を買う人がいるのかわからんが)
こんだけ売れてて面白い本が芥川賞を取れないなら、芥川賞の選定基準が怪しく思えてくる。とはいえ他のノミネート作品は読んでないから偉そうな事を言ってもしょうがないか。

又吉の文才は処女作「カキフライが無いなら来なかった」でも遺憾なく発揮されてる。この本は妄想文学の鬼才せきしろと、又吉が詠むセンチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句が四百六十九句と散文(エッセイ)二十七篇で構成されてる。読んでない人は是非読む事を薦める。又吉はダウンタウン松本やチュートリアル徳井と同じくらいの天才かもしれないなって、読むと思うはず。


又吉自身、「次の作品書いて、又次の作品を書いて、5作目くらいが勝負」って言ってる。これはある程度まではストックしてある物で書けると思うが、それ以降は想像で書く世界。それから書けるかどうかが問題だって。冷静な分析するよな。
確かに小説家でもミュージシャンでも、デビュー作からしばらくは、世に出る前にストックしたものでそこそこの作品が作れる。売れてストックのネタが無くなってからが本領だ。ロックの名盤がデビュー作に多いのはこのせいだな。なかなか何作もヒットを飛ばすのは至難の業。そう考えるとサザンや中島みゆき、秋元康とかは異常な天才だね。

さぁ7月16日が楽しみだ。芥川賞を又吉は取れるかな。