駆け込み乗車… 連鎖の謎！？

お昼時の某総合駅、バスの待機場所の前にある２つのバス乗り場…　前の乗り場からバスが出た１０分後に、後ろの乗り場から私のバスが出ることになっていた。私のバスの発車時刻の３分前…　どちらの乗り場にも十数名の乗客が並んでいた。

私はバスを移動させて、後ろの乗り場へ着け…　そこで待っていた十数名の内の１０名くらいが乗ったので、「他の人は、別系統のバスを待っているのか…　もうそろそろ発車時刻になるなぁ～」と思いながら、バスのエンジンを掛けて発車前の案内を…

すると、一人の男性が前扉の外まで走ってきて、毎度おなじみの「○○行きますか？」発言が飛び出した。男性が外に立っていたので、私はマイクのスイッチを“車内から車外に”切り替えてから「はい、行きますよ」と答えた。そして、その男性はＩＣカードをピピッとやって乗車した。

さらに、そこへ二人組の女性がやって来て「△△行きますか？」と言ったのだが、ハッキリと聞き取れなかった私は「△△ですか？」と確認してから「はい、行きますよ」と答え、女性たちは財布を取り出して…　その間に、一人のおばさんがやって来て「△△…」と言いかけたので、私は「行きますよ」と答え…　二人組は現金、おばさんはフリーパスで乗車した。

女性たちの着席を待っている間に、前の乗り場に並んでいたはずの男女が小走りでやって来て「このバス…　△△行くんですか？」と言ったので、私は「はい、△△行きますよ」と答え…　二人はＩＣカードをピピッとやって乗車した。私は既に「もう好きにして！」状態になっていたが、「まさか、同じバス乗り場から出る別系統のバスを待たせてないよなぁ～？」と不安になり、右ミラーをチラチラと見ていた。

「もういいだろう」と思いながら、男女の着席を待っていたら…　目の前のベンチに座っていたお爺さんがゆっくりと立ち上がり、「△△へ行くのかねぇ？」と言ったので、私は「はい、行きますよ」と答えたのだが…　お爺さんは「ちょっと待って…」と言ってから、ベンチに座っているお婆さんに声を掛けて…　呼ばれたお婆さんはフラァ～と立ち上がり…　二人揃ってバスに乗った。

そして「お金、出さな…」「とりあえず座ろまい」「いくらだっけ…」「運転士さん、お金あとで出すわ」などと会話をしながら、ヨロヨロと歩いていって優先席に座っ…　その間に、かなり遠くから走ってきた女性が乗り込んで、ＩＣカードをタッチしたのだが“残額不足”と出てしまい…　「あ、すいません。現金で払います！」と言ってから財布を取り出し、運賃箱へ２００円を入れた。

駆け込み乗車の連鎖が止まり、前扉を閉めた時には予定時刻を２分も過ぎていて…　右ミラーには、待機場所から出ようとしているバスが映っていたので、私は「ごめんねぇ～」とハザードランプを点滅させながら発進…　そのバスは前の乗り場から出るバスだったようで…　しかも、某総合駅を出てすぐに追い付かれてしまったことを考えると、私が発車時刻ギリギリにさせてしまったようだった。

しかしまぁ…　ここまで多くの人たちに駆け込み乗車をされたのは初めてで…　「どうして、あんなにも前の乗り場から移動して来たんだろう？」と考えていたら、「あっ…　ひょっとして…」と気が付いた。私が最初にマイクのスイッチを車外にして…　その後の人に「△△」と答えていて…　それまでは“私のバスに乗るつもりがなかった”人たちが「あのバスも△△へ行くんだ！」と気が付いてしまったという…　なるほどぉ…

今後は、某総合駅のバス乗り場で「◇◇行きますか？」と聞く人が現れたら、他の人たちに聞こえないようにしなければ…（おいおい！）　まずはマイクのスイッチを切って、「ちょっとちょっと！」と手招きしてバスに乗ってもらい、小声で「ｉｋｉｍａｓｕｙｏ」と答えて、「は？　よく聞こえないんですけど…」と言われたところで、グゥ～～～～～っと顔を近づけて…（こらこら！　女性にやったら訴えられるぞ！　でも、お爺さんだったら大丈夫かもね。ハハハ…）