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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

そこで一句… 否、一区!

2012年05月29日 21時34分42秒 | バス運転士

上空に流れ込んだ寒気の影響で曇り始めた午後… 私は乗降客の多いA駅の一つ手前のバス停で一人のお婆さんを乗せた。次のA駅まで僅か200~300mだが、そのような利用は決して少なくない。足の具合が悪いお年寄りにはキツイ距離だと思う。

お婆さんの着席を確認して発車しようとした時、前方100mくらいから走ってくる学生らしき女性2人を発見した。私が「終点のB駅へ行くのかな?」と思って待っていたら、バスに飛び乗った彼女たちは「A駅へ行きますか?」と言ったのである。

あまりにも意外な質問に対して、私は「はぁ… すぐそこですけど…」と答えながら「学生さんは定期だから、無駄ということもないか!」と思った。その間に2人はICカードで「ピッ」「ピッ」と精算して車内通路を後方へ歩いていったのだが…

運賃箱の画面には“定期表示”ではなく“金額表示”が出ていた。つまり、彼女たちは運賃を払ったということである。私が「まぁ… 僅か一区でも、乗る乗らないは自由だからなぁ…」と思いながらバスを発車させると、すぐに「次はA駅~」と車内アナウンスが流れた。

すると、後部座席から「えぇ~!?」「なにぃ~!?」と笑いながら叫んでいる彼女たちの声が聞こえてきたのであった。あら、やっぱり… 納得して乗ったわけじゃなかったんだ。彼女たちが走った距離、そのまま逆に向かえばA駅だったんだもんね。うん…