某地区で、同じような路線を朝から何度も走っていた。そして、勤務の終わりが近づいた夕方… 某駅での乗降を終えて発車して、少しボォ~ッとしながら次のバス停に向かっていた。
見通しの良い道路の先にバス停が見えたのだが、その周辺に人影はなかった。また、人が隠れてしまうような建物などもないので、私はバス停の2~30m手前で「○○停、通過します」と言いながら、右手でバス停送りボタンを…
その時! 歩道の左側にある土手のような斜面の上から、バス停に向かって駆け下りて来る人影に気が付いた。そして、その人影がバス停に着地するのと、バスが通過するのがほぼ同時で… 私は「えっ!? この男の子… 何もアピールしないけど… 単なる帰宅途中? まさかの乗客?」と戸惑った。
一瞬の迷いがあってから、自分でもなぜか分からないけれどブレーキを踏んで… バス停を2~30mほど過ぎた辺りでバスを止めて左ミラーを見た。すると、その男の子が走ってきたので、私は前扉を開けて乗せることができたのだが…
もしも私が「さすがに乗客ではないだろう」と思っていたら? もしも男の子が立ち止まったままだったら? そのまま「サヨナラ」していただろう。その場合、もしも親から苦情なるものが入ったとしたら… ふ~ん… あ、そう… だろうな。ハッハッハッ…