感染症内科への道標

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インフルエンザ、RSウイルス迅速抗原検査の特性

2017-10-19 | 微生物:診断・検査法
題名:Rapid Tests for Influenza, Respiratory Syncytial Virus, and Other Respiratory Viruses: Systematic Review and Meta-analysis
著者:Andrea H. L. Bruning,
雑誌:Clin Infect Dis. 2017:15;65:1026-1032.

<研究の概要>
英語又はオランダ語の文献を検索:Medline and EMBASE
PCRをreferenceとし、市販されている検査を調査した研究のみ対象とした。

・対象とした研究の数
  インフルエンザウイルス:134(74.9%)
  RSウイルス:32(17.9%)
  その他:13 (7.3%)

<研究から得られる知見>
・対象となった研究に含まれる主な検査試薬
インフルエンザウイルス
QuickVue Influenza A+B (Quidel), BinaxNOW Influenza A&B (Alere Scarborough), Directigen EZ FluA+B (Directigen-EZ, Becton Dickinson), Sofia Influenza A+B (Quidel)

RSウイルス
BinaxNOW RSV (Alere Scarborough), BD Veritor RSV (BD Diagnostics), Sofia RSV (Quidel),Directigen EZ RSV (Becton Dickinson)

Multiplex test
mariPOC (ArcDia International)

・迅速検査の感度は、研究毎でのばらつきが大きい

インフルエンザウイルス: 4.4% - 100.0%
RSV:41.2% - 88.6%
※インフルエンザの方がバラツキが大きい

・全ての研究を合わせた感度・特異度は以下の通り
インフルエンザ迅速抗原:感度 61.1%(95%CI:53.3%-68.3%), 特異度98.9%(95%CI:98.4%-99.3%)
RSV:感度 75.3% (95% CI:72.6%-77.8%), 特異度 98.7% (97.3%-99.4%)

*測定手法やCOIにより感度・特異度が影響することは否定できない。
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