感染症内科への道標

研究学園都市つくばより感染症診療・微生物検査・感染制御の最新情報を発信しております。

耐えるべき時

2020-04-16 | 日々の出来事(管理人)

新型コロナウイルス感染症に関わる全ての医療領域に対して、空気+飛沫+接触を、麻疹+エボラに近い防疫水準で実施しております。

人は最も効率的な作業ができる一方で人である限り、必ずどこかでミスをします。 

殆どの防疫医療資材が枯渇している中で、どこの過程で個人がミスをしても何重にもミスがカバーされる水準の構築を100%に限りなく近い精度で、迅速に拡張しながら、高難度の感染管理を実施していかなければなりません。

SARS-COV-2の一番の危険性は、①発症直後の時期は極めて高濃度のウイルス量を排出している事:改善期と比較して1-10万倍近い差がある場合がしばしばあります。②咳などで周囲に飛散しやすい状況など、3Sの状況は①と組み合わさることで感染の危険性が飛躍的に高まる事、③無症候性病原体保有者は飛沫+接触しか発生させませんが、本人が全く自覚しない間に同環境で周辺の方々と共に巣を作ってしまうこと。覚知できた時にはかなり進行している事にあります。

急性期医療施設においては①伝播させる可能性の高い方、②決して伝播を受けてはいけない高リスクの方が、極めて至近距離に療養されております。①の方もしくは疑いのある方の収容は、通常の10倍以上の労力を要します。

高リスク場所に100%はありません。

突破された時には言い訳はできません。可能な限り迅速に突破された場所の速やかな修復です。

焦らず1つ1つできる事を確実に実施し、確率を1つ1つ丁寧に下げていくことの継続です。

 

 

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 行政の尽力 | トップ | 新型コロナウイルス(SARS-CO... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (素人)
2020-05-08 07:04:10
非常にわかりやすそうなブログでしたので、コメントさせていただきました。
大まかにいって、ウイルス感染は下記の組み合わせによるものなのでしょうか?
1強毒性、弱毒性
2濃度
3抵抗力
現在の日本は主に武漢株が主流で欧州株が一部の状況。武漢株であっても、抵抗力の低い方はなくなわれる可能性がある。一般的に拡散を抑えれば、ウイルス は弱毒性のあるものしか、残らない。
したがって、自粛が有効である。
返信する
Unknown (管理人)
2020-05-10 10:26:50
感染力と毒性は独立しております。発症の有無を含む、人への病原性(毒性)については感染が成立した後の、病原体の毒性、防御因子により主に規定されます。暴露病原体量も発症の有無に影響を与えます。療養環境にある方への侵襲性の高さは報道されている通りです。
今回のウイルスは最終的には時間をかけて、多くの方が予防接種もしくは感染により完全もしくは部分的に免疫獲得を必要とする可能性が高い病原体となります。但し、感染による免疫は、集団発症により適切な医療を受けられない方が多く発生致します。ウイルスを含む微生物は抗微生物薬の投与がない状態で高ウイルス量の排泄期間が長い傾向にあること、中等症以上の罹患では長期的な身体機能への影響がでる場合があることから、望まれる手段ではありません。
わが国で3-4月で行動制限によるピークカットが必要であったことは疑いようがありません。また、持久を必要とする場面において経済は呼吸と同義です。
返信する

コメントを投稿

日々の出来事(管理人)」カテゴリの最新記事