題名:Detection of Influenza C Viruses Among Outpatients and Patients Hospitalized for Severe Acute Respiratory Infection, Minnesota, 2013–2016
著者:Thielen BK
雑誌:Clin Infect Dis. 2018;66:1092-1098.
【背景】
インフルエンザC型は1947年に発見され、上気道・下気道感染の原因となり、人間・豚・犬に感染する。他のインフルエンザ型よりも一般的に軽症とされるが、ピーク時には人口の78-100%で抗体陽性となるため、一般的な感染源であると考えられる。
他のインフルエンザ型よりも抗原は安定しており、同じ抗原型が複数年にわたって流行するが、インフルエンザC型に対する抗体は感染予防に有効ではないとされる。抗体が感染予防に有効でない理由として、6種類以上の抗原型が循環するためと考えられている。
【方法】
入院患者は3つの病院、外来患者は4つのプライマリケアクリニックを対象とした。通常のPCRに加え、Luminex respiratory pathogen panelを一部使用した。
対象患者
・入院
SARI(severe acute respiratory illness): ARIの症状一つまたは喘息の増悪を認め、入院を要した患者
・外来
ILIまたはARIの症状を認めた患者
【結果】
検査対象となったのは合計12,484検体 (入院:10,202、外来:2282)だった。
インフルエンザC陽性となったのは合計70名で、入院患者59名 (0.58%), 外来患者 11名(0.48%)だった。
・患者の特徴
年齢中央値は20ヶ月(IQR 8ヶ月-9歳)だった。咳(60%)、発熱(47%)、鼻閉(41%)が最も多い症状だった。入院患者59名のうち、54%で呼吸苦または呼吸窮迫の症状を認めた。入院患者の12%がICUに入室した。
インフルエンザC型のみ検出した患者24名のみに限定すると、咳(50%)、発熱(46%)、鼻閉(46%)、呼吸苦・呼吸窮迫(38%)、嘔吐(29%)、咽頭痛(25%)だった。
・Copathogen Detection
インフルエンザCのみ陽性となった患者は24名で、残りの46名は他の病原微生物を検出した。ライノ/エンテロイルスで25%、RSウイルスは20%に合併していた。
・季節性
1-3月の流行が最も多かった。
【感想】
・今回対象とした患者では、インフルエンザC型の有病率は少なかった。
→今回の対象者は先行研究より症状の強い患者が多く、うまくinclusionできなかったのかもしれない。
※先行研究の有病率は高い。先行研究では、より軽微な症状の患者を対象としていた可能性がある。
・Copathogenの検出が多く、インフルエンザC型単独感染の症例数が少ないのがlimitationか。
著者:Thielen BK
雑誌:Clin Infect Dis. 2018;66:1092-1098.
【背景】
インフルエンザC型は1947年に発見され、上気道・下気道感染の原因となり、人間・豚・犬に感染する。他のインフルエンザ型よりも一般的に軽症とされるが、ピーク時には人口の78-100%で抗体陽性となるため、一般的な感染源であると考えられる。
他のインフルエンザ型よりも抗原は安定しており、同じ抗原型が複数年にわたって流行するが、インフルエンザC型に対する抗体は感染予防に有効ではないとされる。抗体が感染予防に有効でない理由として、6種類以上の抗原型が循環するためと考えられている。
【方法】
入院患者は3つの病院、外来患者は4つのプライマリケアクリニックを対象とした。通常のPCRに加え、Luminex respiratory pathogen panelを一部使用した。
対象患者
・入院
SARI(severe acute respiratory illness): ARIの症状一つまたは喘息の増悪を認め、入院を要した患者
・外来
ILIまたはARIの症状を認めた患者
【結果】
検査対象となったのは合計12,484検体 (入院:10,202、外来:2282)だった。
インフルエンザC陽性となったのは合計70名で、入院患者59名 (0.58%), 外来患者 11名(0.48%)だった。
・患者の特徴
年齢中央値は20ヶ月(IQR 8ヶ月-9歳)だった。咳(60%)、発熱(47%)、鼻閉(41%)が最も多い症状だった。入院患者59名のうち、54%で呼吸苦または呼吸窮迫の症状を認めた。入院患者の12%がICUに入室した。
インフルエンザC型のみ検出した患者24名のみに限定すると、咳(50%)、発熱(46%)、鼻閉(46%)、呼吸苦・呼吸窮迫(38%)、嘔吐(29%)、咽頭痛(25%)だった。
・Copathogen Detection
インフルエンザCのみ陽性となった患者は24名で、残りの46名は他の病原微生物を検出した。ライノ/エンテロイルスで25%、RSウイルスは20%に合併していた。
・季節性
1-3月の流行が最も多かった。
【感想】
・今回対象とした患者では、インフルエンザC型の有病率は少なかった。
→今回の対象者は先行研究より症状の強い患者が多く、うまくinclusionできなかったのかもしれない。
※先行研究の有病率は高い。先行研究では、より軽微な症状の患者を対象としていた可能性がある。
・Copathogenの検出が多く、インフルエンザC型単独感染の症例数が少ないのがlimitationか。
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