【背景】左心系の感染性心内膜炎の患者は、典型的には経静脈的抗菌薬加療が6週間行われる。初期治療として経静脈的な抗菌薬投与が終了し、全身状態が安定している患者において経口抗菌薬治療に移行することが、継続的な経静脈的治療と比較して治療成績に有意差があるかどうかはわかっていない。
【方法】2011年7月15日から2017年8月30日までに心内膜炎の疑いで紹介された1954人の患者のうち、スクリーニングを受けた400人が登録された。対象患者は18歳以上の成人であり、安定した状態(最低10日以上の経静脈的抗菌薬加療がなされ十分な治療成果が得られている患者、および手術を受けた場合は術後7日以上経過している患者のこと)で、左心系の心内膜炎(弁については自然弁でも人工弁でも良い)に対して経静脈的抗菌薬加療をされ、修正版Duke分類を満たし、streptococcus、E. faecalis、S. aureus、CNSが血液培養で陽性となっていることとした。また、無作為化の前に経食道心エコーで膿瘍形成や手術が必要な弁異常がないことを確認している。
主要評価項目としては無作為化から抗菌薬加療が終了してから6カ月までの全死亡、予定外の心臓手術、塞栓症のイベント、最初に同定された病因微生物による菌血症の再発とした。
【結果】無作為化終了後、経静脈的治療群の治療期間は中央値で19日、経口的治療群の治療期間は中央値で17日であった。(P=0.48)また、主要評価項目については経静脈的治療群で24例(12.1%)、経口的治療群で18例(9.0%)であり両群間には有意差は存在しなかった。(P=0.40)
【結論】特定の菌が起因菌である左心系の心内膜炎で、初期治療が終了し全身状態が安定している患者においての経口的抗菌薬治療への変更は、経静脈的抗菌薬加療を継続した群と比較して有意差はなかった。
【制限】
本研究でのリミテーション。
・右心系の心内膜炎の合併や心臓デバイス(ICDやPM)の有無は適格基準に組み込まれていない。
・研究対象が特定の細菌種のみ。
・単一施設の研究。
【方法】2011年7月15日から2017年8月30日までに心内膜炎の疑いで紹介された1954人の患者のうち、スクリーニングを受けた400人が登録された。対象患者は18歳以上の成人であり、安定した状態(最低10日以上の経静脈的抗菌薬加療がなされ十分な治療成果が得られている患者、および手術を受けた場合は術後7日以上経過している患者のこと)で、左心系の心内膜炎(弁については自然弁でも人工弁でも良い)に対して経静脈的抗菌薬加療をされ、修正版Duke分類を満たし、streptococcus、E. faecalis、S. aureus、CNSが血液培養で陽性となっていることとした。また、無作為化の前に経食道心エコーで膿瘍形成や手術が必要な弁異常がないことを確認している。
主要評価項目としては無作為化から抗菌薬加療が終了してから6カ月までの全死亡、予定外の心臓手術、塞栓症のイベント、最初に同定された病因微生物による菌血症の再発とした。
【結果】無作為化終了後、経静脈的治療群の治療期間は中央値で19日、経口的治療群の治療期間は中央値で17日であった。(P=0.48)また、主要評価項目については経静脈的治療群で24例(12.1%)、経口的治療群で18例(9.0%)であり両群間には有意差は存在しなかった。(P=0.40)
【結論】特定の菌が起因菌である左心系の心内膜炎で、初期治療が終了し全身状態が安定している患者においての経口的抗菌薬治療への変更は、経静脈的抗菌薬加療を継続した群と比較して有意差はなかった。
【制限】
本研究でのリミテーション。
・右心系の心内膜炎の合併や心臓デバイス(ICDやPM)の有無は適格基準に組み込まれていない。
・研究対象が特定の細菌種のみ。
・単一施設の研究。
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