西洋と東洋の狭間

何かにつけ軌道修正の遅い国で有るが一端方向転換すると、凄い勢いで走り出し今までの良き所まで修正してしまう日本文明

卒業 映画「ダスティ・ホフマンとスカボローフェアー」

2006-04-19 07:56:20 | 映画
この映画を見たのは、おそらく1971年だったと思います。最初はあの音楽で映画の主人公に入っていきましたね。近くに座っている観客を何気なく見たら 視野に入っているほとんどの人が流れるサウンドに足で調子をとっていたのが 可笑しく思いながら 次の展開に引き込まれていきました。物語の問いかけには奥深いものがあるのですが、シンプルなストーリーから突き進んで行く主人公に落ち着いて好奇心を持って追っていけましたね。ゆえに下世話ではあるがあの非常識な行動より、何故ガソリンを入れないのか あの車はどうするんだ駐禁だよなんて少し頭を よぎらしながらラストシーン 映画の演出効果、てき面に教会のエレーン以外の人間が敵に思えましたよね。そりゃ怒るわね普通に考えても でもそれは大人の考えですよ もちろん正しい道徳感なんですが若い主人公から考えるには、おそらく学業、スポーツを優秀な成績で卒業し当時の社会状況からも未来が明るいもので親はもちろん 周りの人々の期待を裏切っていない自分 又、好んでそうして来た自分に何か足らない物、あるいは不満を感じながら帰郷したのではないか その心を見透かしたようなミセス・ロビンソンの誘いに葛藤しながらも心のはけ口を求めたのでしょう。しかし物語は主人公を思いもよらない運命にひきづり込み、不倫相手の娘エレーンとの真の愛情の間に揺れ動く間もなく主人公を早い展開で、それは過去の自分に反抗し決別するかの様に、今こそ若いがゆえの後悔をしないが為に自己の心に正直な行動をとったものだと思います。そこには未来の事等考える余裕はないでしょう。今その行動をとる意味の方が大事なのだから、やがてラストシーンに向かうのですが、そこには物語の最初とダブル様に今度は飛行機ではなくバスの中、愛する人と一緒だ。乗客の稀有な目にも笑えるのだがその目はこれからの世間の目、主人公の心には自分なりの卒業はしたものの・・・・・と感じさせられた名作だとおもいます。ちなみに撮影時のアン・バンクロフトは(過去に奇跡の人でアカデミー主演女優賞)36歳、ダスティ・ホフマンは30歳、キャサリン・ロスは27歳、映画の中では世代間がありましたよね さすがですよね派手な映画の出演より問いかける様な出演作が多いのもうなずけます。