劇団誠〈せい〉と仲間たちの冒険

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日本劇作家大会 2019年 大分大会に行ってきました。 その2

2019年02月04日 11時55分03秒 | 劇団誠の冒険・あゆみ
その2では平田×大林対談以降の内容について受講順に記録をのこしておきます。

ラジオドラマシナリオ講座
講師の丸尾さんがインフルエンザのためテレビ電話での講義。
人の受講生それぞれに細かに指導してありました。
初日から三日間に渡る講座だったので、もう一度くらい様子を見るつもりでしたが、
それは叶わずさいしゅうびを迎えましした。
受講された方々みなさん、短編のラジオを書き上げたそうです。



開会式とオープニングアクト
子供神楽、タップダンス、チアリーディングの三本立て、
大会テーマ 「原点に帰る」と開会宣言。

カメラワークプレイWS
内容をきちんと確認せずに受講申し込みをしてしまったのですが、
弱虫ペダルなどの演出で有名な西田シャトナーさんによる、カメラが動いているような演出に対応する、またそうした創作手法の体験・解説の講座でした。

演技におけるカメラワークって書いてあったので映像における演技についてのwsと思ったら全く違っていました。
きちんと確認や準備をせずに臨んでしまうのは悪い癖だなと改めて思いました。

内容はとても楽しかったです、弱ペダでは自転車を漕いでいるような動きですが
走る動きとしてのワークでした。
前半は映画におけるカメラワークの歴史からはじまり、それをいかに演劇に着想していったかの解説。
まだまだ実験段階とのことで本来数日のワークでやるところを今回は一回、3時間の短縮でした。
しかし、受講者もみんな動ける人でどんどん次に進む事ができました。

カメラワークから新しい演出を考えてシャトナーさんは素敵ですが、
自分としてはもっと基礎的な、いかに体に負荷をかけず必死に走っているように見せるかというところから納得がいくパフォーマンスが出せなかったので、稽古場に持ち帰って考えたいなと思った事でした。


二日目
舞台美術WS 講師:土屋茂昭さん
少し見学だけさせてもらって他の催しに行くつもりが、がっつり四時間最後まで参加させていただきました。
前半一時間は座学で講師の方の舞台美術に対しての考え方を伺いました。

美術家はおしゃべりである。
空間、時間、人間 その間を貫くドラマ、
そのドラマに、よりそい包むのが舞台美術であるというところからスタート。

演出家や作家とどのように創作していったかの話を複数の実例や、写真を交えて解説してくださいました。

一行のト書きの意味や、一言のセリフから着想して舞台美術を捜索していく話はとても興味深かったです。

後半は「私にはこう見える大分」というタイトルでの作品作り。
段ボール箱サイズの造形作品の創作を行いました。

全4グループに別れれての創作を行いましたが4用の作品ができてとても良かったです。
創作をすると今度はプレゼンテーションです、それぞれのチームがどういう意図で作品を作ったかを語っていきます。

僕たちのグループが最初だったのですが、プレゼンを終えて最初に言われたがコメントが、「プレゼンに説得力がない、演出家を納得させるつもりでやりなさい」というものでした。

この一言で、講師がこれまでどう戦ってきたかが窺い知れますし、こんご創作する上で仲間をいかに納得させるか、といことを考えておかなければと思いました。

講義後にも、疑問をいろいろぶつける事ができました。

舞台美術、舞台装置、大道具、小道具、この辺りのものを一緒くたに考えてしまうところが自分にはあったので本講義は目から鱗でした。


岩松了講座 「演劇にもいろいろありましてIN 大分」

不条理演劇とは何かと考える二時間でした。
現代の演劇においてほぼ全ての作品が不条理と言える。
台詞の中で本当に信用できるものは「暑い」「寒い」といったもののみでしかなく、
それ以外の台詞は信用できない。
言葉とは、その話すことの内容の真実よりも、それを言わざるをえ得ない状況にフォーカスをあてることに面白みがある。
自分は本は書かない予定だけど、演出をしたり俳優をしたりする上でのヒントになるんじゃないかなと思いました。

あと、蛭子さんのエピソードがいくつか挟まったのだけど、とても面白かった。



リーディング 「長い女」
稽古場見学、途中を少しだけ見学しました。

少年王者館ダンス体験ワークショップ
無造作に選んだ言葉で動きをつくり、そこからダンスを作るというもの。
頭と体のトレーニングになるので劇団で持ち帰ってやってみます。
天蓋さんになぜ3拍なのか聞こうと思ったけど聞きそびれたのが残念。
着想した言葉がダンスのカンペとして成立してるのが面白かった。


こどもの冒険
角さん 言葉を使わないゲームから始めて子供達が乗ってきたら様々なゲームを入れる。子供達の好奇心と一体感をうまく使うやり方が素敵でした。
他二方の講師が交代で合計二時間の時間を過ごしました。
どれも子供達の好奇心をくすぐる内容だったと思います。
子育て、子供参加をテーマにした催しは他二本あったのですが、演劇を子育てに活用するとかそういうことについてもっと考えていきたいと思いました。


新人戯曲賞審査会
審査員 川村毅 坂手洋二 佃典彦 土田英生 永井愛 平田オリザ マキノノゾミ

全6作品の最終選考作品についての公開審査が行われました。
最優秀作品はピンク地底人3号さんの「鎖骨に天使が眠っている」でした。
今回の投票は審査員それぞれ2票づつを入れるものでしたが、
最初の審議で全審査員の手が上がりました。
僕も全作読んでは臨んだのですが、ここは予想通りの展開だったと思います。

審査員が話した内容はそれぞれ自分の読んだ感想とそんなに変わらないものでしたが、(未読の観覧者にわかるように話していたとは思いますが)
なかでも面白いフレーズや着眼点があったのでここに残しておきたいと思います。

あくたもくた について、台詞やキャラクターはとてもよく書けているが
ゴミ屋敷という設定が活かしきれていない。
私見ですが、戯曲として読み物のとしての感想、ここが本作のウィークポイントとしてあげられたのが面白かった

へたくそな字たち 昭和の定時制学校の話。資料をよく読んで書かれているが、それ以上のものが感じられない。
私も、何故今この作品なのかがわからず、昔みたようなものを読んだ感じでした。
しかし、永井さんが作中で、登場人物が字が読めるようになって、雨をみて漢字の雨を連想するシーンに言及され、読み書きができないということがどんなことかを考える上でこの作品はたいへん感動的であると語っていたのが印象的でした。

光の中で目をこらす 川村さんが「どうせケムにまくような作品なら、もっとシャープにケムに巻いてほしい」というコメントをされ、マキノさんがそこに食いつくという1場がありました。
「シャープにケムにまく」面白い表現で聞いていて良かったと思います。
また、、本作については平田さん作家がどうなりたいかによって、アドバイスやコメントは逆効果になる、この人の作家性は今の状態でとても面白い。
文筆で食うためのアドバイスは出来るがそれは、この作家性を殺すことになりかねないというような話をされたのも面白かったです。

焔 自動車会社の不正をあつかう本作で作品と少し離れたところででた議論が面白かったです。
本作は役名は全て苗字で書かれており、読んでいて誰が誰かわからなくある。
ジェンダーの問題もあるが、女性は名前で書いた方が親切ではないかという話になりました。たしかに僕も、本作を読むにあたって何度か配役表を見直しながら読んだ覚えがあります。
しかし、この議論に明快な答えを出した土田さんが秀逸でした。
「自分は戯曲を読むときは、役名の表と簡易の舞台装置を手元に置いておくのでこまらない」というものでした。
戯曲とは普通の読み物と違います。一流の作家でもそうしないとわからなくなるという前提で楽しむのが正解だなと思いました。

リタイアメン 多言語で書かれた戯曲で東南アジアでも上演されたという本作、言語やシーンが多岐にわたり戯曲としては読みにくという意見が出ましたが、関係者でもある坂手さんが本公演各地で評価が良かったことを語りました。

鎖骨に天使が眠っている ダントツの評価を得た本作ですが永井さんのコメントが印象的でした。
血生臭さは好きではないが、一貫して設定されている場面がブレない、それは作者の力であるとうものでした。


他にも手帳には色々残していますが、この辺りにとどめておきます。


スペシャルリーディング「痕跡」
生で田中真弓が見られたのが一番の感動でした。
公演としては本公演を一度見ていたのですが、特に前半の面白ポイント、テンポよく運んで欲しいところがト書き読みになってしまったのでウトウトしてしまいました。
しかし、中盤以降の展開は物語の強さにひきこまれました。
面白そうな裏番組を断念して本命に絞って良かったなと思いました。

レセプション
15年前の大会はオリザさんのサイン入り戯曲が当たったので期待していたのですが、今回は特に何も当たらず、知り合いや久しぶりの人とお話ができて良かったです。
帰り際、マキノさんと同じエレベーターに乗れたのが嬉しかったです

4日目
笈田ヨシ講演会
世界で活躍する老俳優の話を二時間聞きました。
最後の質疑に対しての答えで一番印象に残ったのが、
「ピーターブルックの作品に出るにはどうしたらよですか」
という問いに対して
「ピーターブルックの事務所に手紙を出す事です」
という答えをされた事です。

音響WS 講師:村尾貴庸
普段は数日かけて行うものを三時間で行ったのですごい早足でした。
高校放送部のころよくわからずに触っていたミキサーのメモリについて色々解説してもらった感じです。
グラフィックエコラザーについてもう少し詳しく聞きたかったなと思います。
講師の さんもどうせだったら4日間通しのWSで録音などについてもやりたかったと言ってあったのが面白かったです。
今回の大会でラジオドラマ作家がたくさん生まれたので、そこで集まって新しいものが産まれるんじゃないかと思います。



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