忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

野党「辞任で幕引き許さない」岸田首相への追及続く

2022年10月29日 | 忘憂之物





朝日新聞の販売部数がまた減少したらしい。もう400万部を切ったそうで、10年前からすれば半減とか。もちろん、有名な「押紙」とかも考慮すると300万とか、そんなものかもしれない。実に感慨深いものだが、日本共産党機関紙、赤旗新聞が1980年代には355万部とのことだから、まあ、そのレベルになったということか。

以前はよくネットで読んでいた。記事だけではなく、名物コラムの「天声人語」や「素粒子」や社説など面白おかしく読ませてもらった。当時の小泉総理が「自衛隊はイラクのサマワから撤収する」と言ったら、朝日新聞だけが見出しで「撤退」と書いたりして楽しかった。御茶ノ水駅で中国人ふたりが非番の警官と揉めて、電車が入るホームに突き落として日本人警官が足を切断すると、朝日新聞は「男性1名が足にケガ」も唸った。嘘は書いていない。切断するほどの重傷も大別すれば「怪我」に違いない。凄まじい「言葉の力」である。

イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突も思い出した。事故を受けて「天声人語」は「はるか上空から海面、水中までを見通す全能の目の持ち主も、平時には小舟一つに気づき遅れるものなのか」と馬鹿にした。

普通の読者はフェイズド・アレーレーダーと水上レーダーの区別もない。「そんなんならイージス艦などいらない」という世論誘導を隠し入れるという玉川徹的な演出技が映える。比して「素粒子」は俳句を詠んだ。安倍さんの暗殺でも川柳で遊んで顰蹙だったが、朝日は以前からこういう感覚でもあった。

「素粒子」は「やせ我慢 負けるな石破 これにあり」と詠んでから、次の日も「おもしろうて やがて悲しき 大臣かな」と続けた。ちなみに確認しておくが、この衝突事故でふたりの人命が失われている。なにが「おもしろうて」なのか、と真面な人なら眉間に皺を寄せるが、長年、朝日新聞を購読して、頭が左に蜷局巻いてる読者はこの部分が壊れているから喜ぶ。

もちろん、他にも日本を腐すだけが取り柄の地方紙もたくさんあるが、その中でも朝日新聞は別格ということだ。「反日の雄」である。さすがである。だから購読していないという意味で「一読者」ですらない私ですら、そんな朝日新聞との思い出は、もう書けばキリがないほど、それこそ本が何冊か書けるほど詰まっている。

しかし、いつからか朝日は冷たくなって「ここからは有料記事になります」とか言い出した。「金を払わないと遊んであげない」ということだ。私は悲しんだものだ。とはいえ、わざわざ「無料部分」だけを読みにいくモチベーションはないし、もちろん、仕事で読んでいるわけではないから「有料会員登録」にまでなるつもりもない。「朝日新聞の購読者」とか隣近所にバレたら恥ずかしいし、私はNHKや朝日に金を払うくらいなら、最寄りの旧統一教会に献金する。学校も行かずに全国を放浪しているユーチューバーの子供に投げ銭する。やり方は知らないしやらない。

ところで、朝日新聞が公然と「嘘つき」とされたのは2012年、第二次安倍政権発足前の党首討論の記者質問だった。星浩だ。自民党総裁である安倍さんに星浩が「慰安婦問題」を問うと、安倍さんは「慰安婦問題は星さん、あなたの朝日新聞が吉田清治という詐欺師の話を事実みたいに広めたからでしょう」と返された。全国生中継だ。その後のワイドショーやらニュースバラエティでは編集もできるし、出演する左巻き芸人にも「言うな。触れるな」でやり過ごせるかもしれないが、多くの有権者が視聴していた生中継で「嘘じゃん」を言われた朝日のダメージは少なくなかったと思う。事実、それから「慰安婦関連」の裁判などは連戦連敗だった。朝日新聞は小さく、そっと謝罪文も載せた。

物事、たまには「はっきり言うこと」が肝要だ。大勢でメガホンで叫ぶことでもなく、ルール無用の悪党が国会でぎゃあぎゃあやるだけのことでもない。静かに淡々と、鋭く急所を突く。例えば櫻井よしこ氏が地上波のテレビで何度か、あの「玉川じゃないほう」に対して、明らかに「ぐぬっ」と詰まらせる発言もあった。「胸がすく」とはこういうときに使う。

そして安倍さんもそうだった。

毎年12月に公安調査庁が出す報告書「内外情勢の回顧と展望」。2017年に公安調査庁はここに「中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいる」と書いた。そんなことは20年以上前から知れたことだったが、これに対して社民党の照屋寛徳が質問主意書を衆院に提出。内容はざっと

「民意を無視して工事を強行する国家権力に対抗するための非暴力の抗議活動である」
「特定の政党や団体、活動家らにとどまる反対運動では断じてない」
「いわゆる『オール沖縄』の旗印の下に多くの県民が集結する開かれた抵抗闘争である」

などと文句を垂れてから、

「沖縄県民大会に全国から党員や活動家らを動員した、とあるが具体的にどの政党のことか、当該政党の名称を列挙されたい」

と質問している。これに対して当時の安倍総理は「個別の案件には~」とか「特定政党の名称をここで挙げるのは控えたい」ではなく、ふつうに「はい。それは共産党です」と回答している。このとき、あまり大騒ぎをしなかったのは「分が悪い」からだ。

特定野党や反日メディアは仕方がないから、取るに足らぬ、詰まらない揚げ足取りに専念するほかなかった。「コンナヒトタチ」を総動員、アベガーの全力を注入した凄まじいまでの印象操作だったが、日本の有権者はちゃんと見抜いて憲政史上、最長の政権を支えた。完全に左巻きの大敗でもあった。

こんな「本物」相手にして、もはや言論の場ではもちろん、この先、選挙で勝てるはずもない。安倍晋三がいる限り、特定野党は「自民党の応援団」となっている。また、日本の選挙制度はアメリカと違って、未だに「紙に書いてそれを数える」という単純、且つ、明快な方法だから不正もやりにくい。つまり、タイミングを見て、近い将来必ず、第三次安倍政権が出てくる。そうなれば林も河野も勝てない。重要閣僚ポストには高市氏や萩生田氏もいる。またトランプと重なったりすれば手が付けられない。国際社会はまたナショナリズムが生き返り、各国が調和と協調を取り戻して戦争や紛争が収まってしまう。

そしてあの7月8日があった。

そしていま、自民党内のアベイズムの継承者が集中放火を浴びている。岸田は当然、これを守るつもりなどさらさらない。岸田は戦わない。戦えない。予算委員会の場で国務大臣とはいえ、公然と「信教の自由を侵害する」と思しき質問、言動が野党議員からあったが、これに対して得意の「懸念を表明」でもなく、あっさりと山際大臣を切ってしまった。「中国という名を出すなと指示されました」と地上波生放送で発言した高市氏、財務省に対し「禁じ手には禁じ手」と言い放った萩生田氏とは対照的だ。

韓国に対しても募集工問題、いわゆる「徴用工問題」に付き合ってしまっている。その場しのぎに「肩代わり」だの「寄付で対応」など小手先で誤魔化してきた結果、いま現在の日韓関係があると阿呆でも知っている。習近平との首脳会談も「いまのところ予定はない」だけにすれば共同通信も書きようがないのに、勝手に続けて「共通の課題は協力する」「諸懸案も含めて対話はしっかり積み重ねたい」とか軽々しくやるから、TBSに「岸田首相 日中首脳会談の具体的な中身ついても考えていきたい」と「速報」される。

自民党支持者に存在する「保守層」が崩れて離れたら、もう、統一協会も相手にしてくれなくなる。安倍晋三はもういない。岸田の求心力では自民党が四散する。公明党は元気になり、維新も大きくなる。検討して懸念して緊張感を持って注視しながら、増税してバラまくだけなら2009年の悪夢の二の舞だ。いまの日本を取り巻く国際情勢は、そんな眠たい総理大臣で務まらない。そんな余裕はない、と素人のおっさんでもわかる。

なにを考えているのか、なにがしたいのか不明なまま、へらへらした岸田政権。外国にしろ野党にしろマスコミにしろ、この期に及んでも「1つ譲ったら3つ盗られる」ことをわからぬ昼行燈。そのうち「国民の生活が第一」とか言い出すのではないかとぞっとする。




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