神奈川県庁合唱団

横浜で活動している、神奈川県庁合唱団の練習報告、活動予定、団員募集。ミュージカルから合唱組曲まで幅広く

良寛相聞を歌うために4

2011-11-01 03:31:08 | 曲解説
3曲目君や忘る道 は3つの詩から構成されています。
最後の部分の「またも来よ柴の庵を~」の部分が、時系列的には最初になります。
二人が出会った最初の出会い、秋の夜、深夜にわたるまで話し合います。その帰りに、貞心尼が、また、師匠をお訪ね申しましょうという意味の歌を詠みます。それに対して、またおいでなさい となるわけです。
しかし、貞心尼は約束したのに現れません。そこで、良寛が貞心尼におくったのが「君や忘る道やかく~」です。この歌の中で”音づれ”とあります。良寛は万葉集を読めというぐらい、万葉集を愛していました。その時代の言葉では”音づれ”とは、待ち望んでいる音が聞こえてくるという意味があるそうです。待ち望んでいる音、待っていた人が現れて、その音が聞こえてく そのへんから 訪れる という言葉が派生したそうです。”音づれ”は言葉の意味からも、待ち焦がれているのがわかります。
貞心尼が10代で医者と結婚し、死別します。一生独身の良寛より恋の駆け引きにはたけていたでしょう。良寛を焦らしていたのではないかと想像してみたりします。この後の手紙のやり取りでも、良寛が積極的に会いたがっている様子があります。すでに、最初の出会いと、立場が逆転してしまっています。
良寛の手紙にたいして、貞心尼は多忙でいけないが、心はお師匠様のもとに飛んでいるという歌を返します。また、修行に迷っているという手紙もあり、それに対して良寛がアドバイスしてたりします。
二人は、たった一度の出会いから歌を取り交わす仲になり愛情を高めていったのです。
by 技マネ


コメントを投稿