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哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

人間原理とは?

2013年12月17日 | 哲学・心の病
対談者:茂木健一郎(ソニ研究所)、須藤靖(東大理学系研究科)

茂木「ところで先ほど話に出た人間原理ですが、私たちの宇宙における様々な定数や法則は人間が生まれる条件を満たすようにプログラミングされているというような話ですね」

須藤「地球上で生命が誕生したのが単なる偶然に過ぎないのか、それとも必然なのだろうか、という難問に対する解釈の一つです。勿論答えはわかっていません。しかし、調べれば調べるほど生命を誕生させるには、私たちの自然界で奇跡的な条件が成り立っている必要がある。ということは事実のようです。逆に人間が存在する宇宙では必ず「なぜ、私たちの宇宙ではこのような偶然がなりたっているんだろう」ということになる。これが人間原理と呼ばれる立場です。」

茂木「十年ぐらい前に聞いた時は、少々宗教がかったと言うか、科学の中でどう位置づけられるのか疑問におもったのですが」

須藤「おっしゃるとおり、現時点では科学と言うよりも価値観と言った方がいいかもしれません。ただし、自然法則と生命誕生が完全に解明されない限り常に残る基本的な問であることも事実です。例えば、自然界の物質は通常、液体の状態から固体の状態になると密度が高くなって沈みます。ところが、水だけは例外で。固体になると浮く、実はこの性質が生命誕生にとってきわめて重要だと考えられています。もし氷が水より重いと、氷は下に沈殿しやがて海が凍る。海中の生物は生きる事ができなくなる。これは、不思議な偶然です。」

茂木「だからこそ、「知的な設計者が生命や宇宙をつくりあげた」というIDを唱える人達がでてくるわけですね。」

須藤「その意味では、逆に絶対主を排除したいという考え方の一つが人間原理と言ってもよいでしょう。人間原理は、宇宙論研究者の間では以前からよく知られていましたが、最近の「超ひも理論」の進展によって素粒子物理学者にも注目されるようになってきました。」

茂木「どういう関係にあるんですか」

須藤「人間原理と言う考え方を物理学に持ち込んだのはケンブリッジ大学のホイルだといわれています。」

茂木「ホイルというと、ビッグバン宇宙論を認めなかった定常宇宙論者として有名ですが」

須藤「定常宇宙論自体は否定されましたが、彼は宇宙物理学において様々な先駆的業績を残しています。なかでも宇宙の元素の起源の研究は有名です。その過程で彼は当時知られていた核反応率によると炭素を合成する事は不可能である事に気付きました。生命は炭素の多様な結合性に基づいた有機物からできていますから、炭素が合成されなければ人間も誕生しない事になってしまいます。これでは困る。」

茂木「何故炭素が合成されないとおもわれたのでしょうか」

須藤「重い元素はより軽い元素が2個核反応を起こす事で合成されます。質量数12の炭素は先ず質量数4のヘリウムが2個反応し質量数8の元素を作り、それに更ににもう一個のヘリウムがくっついてできると考えるのが自然です。ところが何故か、私たちの自然界には質量数8の安定元素は存在しないのです。」

茂木「つまり、元素を1ずつ融合させる2対半王の積み重ねでは、ヘリウム以上の元素、特に炭素がどうやって生まれたか説明できない」

須藤「となると2対半王ではなく3対反応、つまりヘリウム3個が同時に衝突して質量数12の炭素を合成する可能性を考えるしかありません。しかしこれが起こる確率はきわめて低い。役で人とぶつかった事の無い方はいないとおもいます。しかし、3人同時にぶつかった経験のある人はまれでしょう。」

茂木「では、この可能性もだめなんですね」

須藤「ところが、ホイルはそこで発想を逆転させたのです。「炭素がないと生命は誕生しない、したがって自然界の法則は炭素が合成されるようにできてる筈だ」と。ホイルの予言を元に実験した結果本来なら起こらないはずの反応が起きていました。質量数12の炭素のエネルギ順位に共鳴状態があったため10のー16乗秒しか寿命が無く不安定な質量数8のベリリウムと質量数4のヘリウムで炭素が合成されていたんです。これは厳密には2対反応の組み合わせなのですが、実質的にはヘリウム原子核3個の反応とみなせるためトリプルアルファ反応と呼ばれています。」

茂木「面白いですね。宇宙に私たち人間が生まれるためには炭素が必要。そこに突破口があったわけですね。」

須藤「人間原理的な考え方から重要な科学予言が導き出された。それが検証された唯一の例でしょう。こうした背景もあってか、特に英国の宇宙論研究者たちは1960年代から「人間原理」を真剣に検討してきたようです」

茂木「一般的に科学者、特に理論物理学者は「この世の中の本質的なことは全て自然法則だけで説明できるはずだ」と考えてきました。しかし、その信念に疑問を持たなければならないような事態が見えてきた。」

須藤「その信念こそが物理学者の誇りであり物理学の進歩を支えてきた思想であることは事実です。一方、1986年に宇宙物理学者であるバロとティプラが人間原理に関する非常に優れた本を著し宇宙論研究者に大きな影響を与えました。電弱相互作用の統一でノーベル賞を受けたワインバーグも1989年に宇宙定数の存在は人間原理によって理解せざるを得ないという有名な論文を書きました。しかしながら、素粒子物理学者の殆どは相変わらず「人間原理は科学ではなくそれを認めることは物理学の敗北だ」という態度でした。ところが2003年ごろ究極の理論の最右翼と目される「超ひも理論」で、宇宙の真空状態は一意的に決まるのでなく10の500乗程度の異なる解が存在する事が示され雰囲気が一変しました。」

茂木「真空状態が10の500乗個あると言うのはどういう状態ですか」

須藤「異なる真空では例えば重力や電磁力の強さを決めるニュートンの万有引力定数や素電価、更には真空のゼロ点エネルギと解釈できる宇宙定数、あるいはダークエネルギなどが私たちの宇宙での値と異なります。10の500乗個の異なる真空の解はこれら物理定数の値として10の500乗種の異なる値の組を持つ宇宙の可能性があるということです。」

茂木「つまり、私たちの宇宙はその膨大な数の解の中の一つでしかなく、それが偶々人間を生み出す宇宙だったということですね」

須藤「伝統的な素粒子物理の価値観は「究極の理論が存在し、それによって全てが決まるはずだが、私たちはその理論にいまだ達していないだけだ」というものでした。したがって複数の真空解が存在し、そのどれかを一意的に選ぶ物理的な原理を欠くようではそもそも究極の理論とはいえないことになります。人間原理は逆に生命を誕生させうると言う条件こそ10の500乗個の異なる真空の可能性から私たちの宇宙を選び出す原理そのものなのではないだろうか、というわけです。」

茂木「人間原理は究極理論と相反する概念ではなくむしろその一部で本質的な役割をになっているということですか」

須藤「物理定数の値が無作為に選ばれたとすれば、生命更には人間を誕生させるような条件が満たされる事は確率的にありえない。だからこそ、10の500乗個という途方も無い組み合わせの数が解として存在する事が必要なんです。」

茂木「それがたとえ直接検証できなくても、私たちの住む宇宙以外に無数の宇宙が存在するはずだと言う考えにつながってくる。」

須藤「むしろそう考えなくては不自然です。人間が誕生する宇宙の存在を自然に説明するためには、そうでない無数の宇宙の存在を認めることが必須です。これが人間原理にとって多宇宙の存在が不可欠な理由です。」

なぜ性(男と女)があるのか?

2013年12月16日 | 哲学・心の病
『なぜ性(男と女)があるのか?』のわかりやすい説明をネットで探していたら、おもしろい記事がありましたので、それを紹介します。

有性生殖は、両親の遺伝子を混ぜ合わせることで多種多様な子供を産み、環境変化に適合した誰かが生き残って進化するいう優れたシステムですが、メスとオスの出会いや求愛、受精が必要で、非常に手間がかかります。
また、子を産めず、遺伝子を運ぶ精子を作るだけともいえるオスの存在も問題となります。
このため、地球上の高等生物のほとんどは有性生殖を行いますが、オスの存在による無駄を少なくする工夫をしている者も多くいます。
たとえばカタツムリは、一匹の体の中にオスとメスの性器を持つ雌雄同体で、二匹が出会うと互いの精子を交換し、互いに産卵することで、子を産まない個体をなくしています。
また、有性生殖の道具であるメスの卵が、精子と受精しないで無性生殖的に孵化して子供になる「単為生殖」を併用する生物も多くいます。
たとえばミジンコは、環境がよい春や夏には単為生殖でメスがメスだけを産んでどんどん増え、冬が近づいて環境が悪くなるとオスも生まれて有性生殖で休眠卵を産んで越冬します。
ハエの仲間も有性生殖していますが、栄養状態がよい環境では、成虫になって受精する時間を節約して、幼虫(うじ虫)の体内の卵が成熟して単為生殖で孵化し、体を食い破って多くのうじ虫が生まれます。
効率良く増殖できる単為生殖(無性生殖)と、多様性を確保して環境変化に適応する有性生殖の長所を組み合わせて逞しく生きているのです。
脊椎動物でも哺乳類以外では単為生殖の例が確認されており、両生類のオガサワラヤモリは国内産にはオスが見つかっておらず、メスだけで単為生殖していると考えられます。
オスを用いる有性生殖の効率を考えると、ヒトの場合男性と女性がほぼ同数なので、人口維持には出生率2以上が必要ですが、もし雌雄同体やメスだけによる単為生殖であれば出生率は基本的に1でよく、残念ながらオスの存在による効率の悪化は明白です。
今のところ、私たち哺乳類だけはオスとメスの受精による有性生殖しか確認されておらず、オスの存在意義が確保されていますが、国内の大学の研究では、メスの卵に別のメスの卵の染色体を特別な方法で受精させて生まれた「二母性マウス」が誕生しています。
この技術がヒトに応用されると、女性だけで子孫を残せるので効率もよく、しかも二人の母親の遺伝子が混ぜ合わされて環境変化にも強いため、男性が不必要な時代が来てしまうのかもしれません。

好まれる異性は世界共通!

2013年12月11日 | 哲学・心の病
アメリカの心理学者バスは、アジアやアメリカ、ヨーロッパ、アフリカなどの37にわたる文化で、1万人を越える人たちに調査を行い、男女間でパートナー選択の基準が異なることを示している。
それによると、男性は女性よりも外見的魅力を重視しやすく、そのような傾向は37文化中34の文化で見られた。
また、男性は女性と比べ年齢の若い相手を好みやすい傾向もあった。

一方、女性は、男性よりも相手の経済力を重視する傾向にあり、37文化中36の文化で共通していた。
また、女性は男性よりも自分より年上の相手を好みやすい傾向があった。

このようなパートナー選択における男女間の違いは、これまでいくつもの研究で類似した結果が得られている。
では、どうして男性と女性で基準が異なるのだろうか?
このことについてバスは、進化心理学的な考え方から説明を行っている。

進化心理学的には、人間は大昔の過酷な環境において子孫を繁栄させる(自分の遺伝子を残す)ために、よりよいパートナー選択を行ってきたと考えられる。
そのパートナー選択の基準は、人が数百万年にわたって獲得してきたものであり、現代においてもそれほど変化することなく見受けられるといえるだろう。

では、「よりよいパートナー選択」とは何か?
妊娠と子育てという危険な役割を担う女性にとっては、自分と子供にきちんと食糧を供給してくれること、すなわち現代における経済力が重要なポイントとなる。

一方、男性にとっては、自身の遺伝子を残すために妊娠し、うまく出産できる可能性の高い相手、すなわち若くて健康的であることが重要視される。
この健康的という指標は外見的魅力と関連するため、とくに男性は見た目を重視しやすいのだといえる。

※ただし、こうした進化心理学的な考え方はあくまで仮設であり、現代の事情に必ずしも当てはまるとはいえないことは、心に留めておいてほしい。

人はなぜキスをするのか?

2013年12月11日 | 哲学・心の病
人類進化学の分野では、「人はチンパンジーが幼いままに成長することで進化した種である」と考えられています。
そして、幼い特徴をもったまま大きくなる人間は、成長がほかの動物と比べても非常に遅く、長期にわたって続きます。
それゆえに、人間は大人になったあとでも、チンパンジーの赤ちゃんと類似した行動をとるといわれています。

そのひとつの例が、キスだというのです。
人間のキスは、離乳時期のチンパンジーの赤ちゃんが、母親から噛み砕いた食べ物を口移しでもらうしぐさと似ています。

しかし、なぜ人は、恋愛や夫婦関係においてキスをするのでしょうか?
それは、「母親から食べ物を与えられることへの温かさや心地よさ」を、大人になってからも求めてしまうからだというのです。

現実的には「永遠の愛はない」

2013年12月09日 | 哲学・心の病
近年、日本では3人に1人が離婚し、欧米では2人に1人(ベルギーは70%)が離婚していますが、欧米の離婚が多い原因をネットで調べたら、次の回答がありました。

国にも寄ると思いますが、制度が行き届いているのも関係していると思います。
離婚した場合の多くの親権は、母親側が持つことが多いですが、国や自治体の制度がしっかりしていて、母親だけでも十分に生活していけるため、我慢して嫌な夫と暮らす必要がないのです。
そして、離婚する時に決めた養育費の支払い等をきちんと履行する父親が多いということです。
(日本では踏み倒す人が多いとか…)。
加えて、日本のように専業主婦というのもあまりいなく、結婚してからも女性も仕事を続けていますので、貯蓄もあり、精神的にも自立しているということもあると思います。
なので、「離婚すると経済的に苦しくて生活できないから我慢して離婚しない」という日本とは大きく違っています。

ということでした。
つまり、離婚によるデメリットがなくなる社会になっていけば、今以上に離婚数が増えるということで、それは、現実的には「永遠の男女の愛はない」ということを物語っているのではないでしょうか。

ここからは、科学的根拠のない私の意見ですが、おおよそ4年で男女の愛がなくなるがために、人類は絶滅をまぬがれたのではないか?
また、そうであるがために、人類は知能が発達したのではないか?
つまり、そうでなかったならば、今現在の私たちは存在しなかったのではないか?
と考えることもできるのではないでしょうか。

※ご承知だと思いますが、私の意見が正しいとは限りませんので、ご注意ください。

うつ病の原因(その2)

2013年12月04日 | 哲学・心の病
【うつ病の原因は記憶だ!】

3.第三の原因は記憶

およそ370万年前、アフリカのサバンナにいた人類は、猛獣に襲われるようになりました。
そこでは、恐怖の記憶が生き延びるために欠かせませんでした。
たとえば、ライオンの縄張りへ入り込み殺されそうになったことを覚えていればこそ、二度とそこへ近づかないようになります。

扁桃体が激しく活動すると、記憶をつかさどる海馬(かいば)もはたらき、記憶が生まれます。
そして、何度も恐怖の記憶がよみがえるうちに、現実は繰り返されていないにもかかわらず扁桃体が連動してストレスホルモンを生み、うつ病になります。


【うつ病の原因は言語だ!】

4.第四の原因は言語

およそ190万年前、人類の脳にはブローカ野(や)という言語をつかさどる部位が生じました。

声を用いて情報を伝え合ううちに、他人から恐怖の体験について聞かされただけでも扁桃体が強く活動するようになりました。


【うつ病の原因は不平等だ!】

5.第五の原因は不平等

およそ40万年前、集団の結束で狩りを始めた人類は平等でした。
平等に生きる「ハッザ族」の人々は、うつ病を発症していません。

お金を分け合う実験によると、自分のものと他人のものとが不平等であれば、損をしても得をしても扁桃体は激しくはたらきますが、平等であれば、扁桃体は反応しません。

人類はもともと、平等の精神を持っていたのでうつ病になりませんでしたが、それが失われてから発症するようになりました。
不平等な社会になり、扁桃体を暴走させない仕組みもなくなりました。

ペンシルベニア大学のミッチェル・ロスマン博士によれば、狩猟採集生活から農業を中心とした社会への大転換により、貧富の差が生まれました。
それは、穀物を権力に応じて分けるようになった、メソポタミア文明の遺跡からも明らかです。
農耕を主とする文明社会によって、平等が崩れ、人類はうつ病への道を歩み始めました。

そして、現代では職業の違いも、うつ病の発症と関係があります。
専門職や技能職に就いている人々と、営業、事務や非技能職に就いている人々とでは、うつ病の発症率に2倍以上の違いがあります。
社会的立場によって、受けるストレスの強さがまったく異なるのです。

人類自らが生んだ文明によって不平等が広がり、うつ病を生む社会をつくってしまったのです。

うつ病の原因(その1)

2013年12月04日 | 哲学・心の病
NHK「病の起源 第3集 うつ病 ~防衛本能がもたらす宿命~」の番組で、うつ病の原因を紹介していました。

【うつ病の原因は天敵だ!】

1.第一の原因は天敵

うつ病にかかった人は、脳の一部が萎縮しています。
その原因は扁桃体(へんとうたい)。
扁桃体の活動が強まると、恐怖や悲しみや不安が引き起こされます。

今からおよそ5億2000万年前、人類の先祖である魚類は節足類を天敵とし、厳しい生存競争をくり広げていました。
節足類は神経細胞が全身にばらけていますが、魚類は身を守るために神経細胞が集中する脳を発達させ、扁桃体が生まれました。
敵を察知すると扁桃体がはたらいてストレスホルモンを分泌し、全身の筋肉を活性化し、結果的に鋭い動きで敵から逃れられるのです。

ゼブラフィッシュを天敵がいる水槽へ入れておくと、うつ病になります。
入れた当初はさかんに逃げ回っていますが、ある時期を境にしてほとんど動かなくなります。
ストレスホルモンの分泌が止まらなくなると、脳の神経細胞がダメージを受け、うつ状態が生まれるのです。

扁桃体が過剰にはたらく→全身へ過剰なストレスホルモンが分泌される→脳に及ぶとダメージを与えて栄養不足となる→脳が萎縮する→意欲や行動が低下する、

つまり、扁桃体の暴走によってうつ病が発症するのです。


【うつ病の原因は孤独だ!】

2.第二の原因は孤独

魚類からハ虫類、そして、ほ乳類へと進化をたどる過程において、人類は扁桃体のおかげで生き延びましたが、扁桃体は天敵以外にも反応するようになり、うつ病の新たな原因が生じました。

チンパンジーは集団で暮らし、子供を育てるのも、敵と戦うのも、集団の力によります。
病気になったチンパンジーを長い間、群れから離しておいたところ、一日中室内で過ごすようになりました。
飼育している担当者は、「まるで幽霊のようです」と言います。

孤独になると不安や恐怖が生まれ、扁桃体が激しく活動してしまい、うつ病になります。
孤独がストレスを生じるのは、仲間との絆が強いタイプの生きものの宿命です。

男女の浮気の理由とは?

2013年12月03日 | 哲学・心の病
【男が浮気をする理由】

進化心理学的には、男性は、生殖(子供を生むこと)へのコストが小さく、また生まれてきた子供が自分の遺伝子を受け継いでいるという確固たる保証がないため、数多くの女性と性的関係をもって、子供を多く残そうとするとされます。
つまり、男の浮気の理由は、次世代に自分の遺伝子を伝えるためであると説明できます。


【女が浮気をする理由】

では、女性はどうなのだろうか?
ある研究者は、大昔、女性は、浮気相手からさまざまな物をもらい、それが自分と我が子の生存に役立っていたのだといいます。
そのほか、浮気は夫が死んだり、家庭を捨てたときの保険の役割をしていたという説や、自分の夫よりもより優秀な遺伝子を求めているためだという説もあります。


【女性が男性より浮気をしにくい理由】

進化心理学的な考え方では、女性は、本能的に浮気をしづらいという考え方もあります。
女性は、生涯に生める子供の数が限られており、男性と違い、生殖へのコストが大きいことから、自分と自分の子供を守ってくれて世話をしてくれる相手と密接な関係を築こうとするため浮気や長期的なつき合いのない性的交渉をしにくいとされます。

男女の愛は4年で終わる?

2013年12月03日 | 哲学・心の病
人類学者のヘレン・フィッシャーは、「愛は4年で終わる」と提唱しています。
その根拠は、国連の発行する記録を基に集計した、世界の58地域での離婚に関するデータ。
そのデータには、結婚から4年目に離婚する夫婦がもっとも多く、その前後の期間で別れる傾向が強いことが示されていました。
では、なぜ4年で離婚するカップルが多いのでしょうか。

人間の子供は極めて未熟な状態で生まれるため、我が子を成長させるために母と父とは相手と協力関係にあることが重要になり、人は男女でのペア関係を形成するように進化。
とすると、子が未熟な状態ではなくなった段階で、相手とのペア関係を続ける必要性は低くなります。

また、先史時代、栄養状態のあまりよくなかった生活環境の影響下では、女性が次の子供を出産できるようになるのが、前回の出産からおよそ4年目であったと推測されています。
これらのことから、フィッシャーは、4年目にいったん関係を解消して次の相手を探すカップルが多いのだろうという仮説を立てました。

男女の愛とは何か?

2013年12月01日 | 哲学・心の病
男女の愛とは何か?

この疑問への一つの答えは、進化心理学の分野から出されています。
その答えは、「子孫を繁栄させるため」。

大昔の狩猟採集生活は過酷で、妊娠した女性や、乳幼児を抱えた女性が、一人で生きていくことは非常に難しかったと考えられます。
男性にとっても、自分の遺伝子を受け継いでいる子供が死んでしまうことは避けたい。
そのために、男女が協力し、子供を育てる必要がありました。

しかし、人間の子供は生まれるまでに10ヶ月以上の月日を要するため、その間に男女が離ればなれになれば、生まれてくる子供の命は危険にさらされる可能性が高くなります。
つまり、子孫を絶やさないためには、男女が、長期にわたって心理的に結びついていることが必要不可欠。

このように男女を長期的に結びつけておくために人に備わった感情……、それが「愛」だというのです。
すなわち、進化の過程で愛という感情を身につけた人間は、そうではない人間よりも生き残りやすく、繁栄しやすい。
そのために、今の私たちにも愛という感情があるというのです。

議論-お互いに「寛容」であることが基本

2013年11月29日 | 哲学・心の病
【お互いに「寛容」であることが基本】

人間関係を悪くする議論の一つのパターンは、主張の中に人格攻撃や価値判断が入り込んでしまっている場合です。
相容れないような立場に立つ者同士がお互いに「寛容である」ことを基本にして、「そういう可能性もありますね、そちらの立場から見るとそうですね。確かに言われてみればそういうことも考えられますね」という態度で議論をしていけば、そこで共通の認識をどんどん増やしていくことができます。
議論というのは必ずしも何かを決定することではなく、「あ、なるほど、そういう意見もありますね」というように、相手を理解することにこそ本質があります。
そこには「理解はするけれど、ここは譲れません」という線があってもいいのです。
ただ、「そういう事情があればそう考えることも理解できます」という相互理解を得ることこそが主たる目的なのです。
そういう態度で議論に臨めば、価値判断が違う人同士であっても、話が合うこともあるのです。
「あれ、求めているものは、そんなに違わないですね」。
「そうですね。もちろん立場は違いますけど、この問題に関してはわれわれの意見は一致しますね」。
というように、前向きの議論に向けたやり取りができるようになるのです。

by ニコタ寛容

池田晶子さんの遺した言葉

2013年11月29日 | 哲学・心の病
【池田晶子さんの遺した言葉(ある方のブログから引用)】

哲学的なエッセイを書かれた池田晶子さん(2007年没)が、15年前に新聞で述べたことが今のわれわれにも当てはまり、考えさせられることがある。
少し長くなるが、引いてみよう。

『現在の日本に生きる人々は、自分が何のために何をしているかを自覚していませんね。自分の精神性以外の外側の何かに価値を求めて生きているから、いったんその価値が崩れると慌てふためくことになる。精神性の欠如という点で、かなりレベルの低い時代と思う。

現代世界全体がそうだが、物質主義、現世主義、生命至上主義です。欲望とか生活とか、そういったことの人生における意味と価値を、根っこからきちんと考えたことがない。だから、金融不安など大事件のように騒いでいるが、先が分からないのは別に今に始まったことではない。生存するということは、基本的にそういうことなのだから、ちょうどいい気付け薬だと私は思う。

地球人類は失敗しました。率直なところ、私はもう手遅れだと思う。この世に存在した時から、生存していることの意味を問おうとせず、生存することそれ自体が価値だと思って、ただ生き延びようとしてきた。結果、数千年かけて徐々に失敗した。医学なども、なぜ生きるのかを問わず、ただ生きようとすることで進歩した。何のための科学かという哲学的な内省を経ていない。

ただ生きるのが価値なのでなく、善く生きること、つまり、より善い精神性をもって生きることだけが価値なのです。内省と自覚の欠如が、人類の失敗の原因だが、手遅れだといって放棄していいのではない。常により善く生きようとすることだけが価値なのだから、それを各人が自分の持ち場において実行するべきなのです。

政治にしても、問題は、政治家が「よりよい」と言うときの、その意味です。彼らの言う「よい」とは、「善い」ではなくて「良い」、良い生活が人間の価値であることを疑ったことがない。しかし、人生の幸福は精神の充足以外あり得ません。物質に充足した人が、必ずしも幸福だとは思っていないのはなぜですか。みんな自分を考えるということを知らない。考え方を知らないというよりも、そもそも「考える」とはどういうことかさえ知らない。

国民の側も、他人のことを悪く言えるほどあなたは善いのですかと、私はいつも思う。汚職した官僚や政治家はむろん悪いが、その悪いことをした人を、得をしたとうらやんで悪く言っているなら同じことだ。嫉妬と羨望を正義の名にすり替えているだけだ。

世の中が悪いのを、常に他人のせいにしようとするその姿勢そのものが、結局世の中全体を悪くしていると思う。政治家が悪いと言っても、その悪い政治家を選んだのは国民なんだから。にわとりと卵で、どうしようもないと気づいた時こそ、「善い」とは何かと考えてみるべきだ。一人ひとりがそれを考えて自覚的に生きる以外、世の中は決して善くならない。

税金の引き上げ引き下げで、生活が良くなる悪くなるという話以前の根本的な問題です。

むろん政治は、生活する自我同士の紛争を調停するのが仕事なのだから、政治家はそのことに自覚的であってもらいたい。政治家が人を動かし、政策を進める時の武器は「言葉」のはず。しかし、現在の政治の現場ほど言葉が空疎である場所はない。「命を懸けて」なんて平気で言う。言う方も聞く方も本気とは思っていない。政治家に詩人であれとは望まないが、自分の武器を大事にしないのは、自分の仕事に本気でないからだ。言葉を大事にしない国は滅びます。

だからと言って、「保守主義」とか自分から名乗るのもどうかと思う。なんであれ「主義」というのはそれだけで空疎なものだ。自分の内容が空疎だから、そういう外側のスローガンに頼りたい場合が多いのではないか。やはり、各人の精神の在り方こそが問われるべきだ。

問題はそんなところにない。要は、政治家から国民まで、一人ひとりの生き方の自覚でしかない。だからこそ「考える」ことが必要だ。考えもしないで生きているから、滅びの道を歩むことになる。考えることなら、今すぐこの場で出来ることです。

(中略)

半世紀戦争がなかったことが大きいと思うが、みんな自分が死ぬということを忘れている。人がものを考えないのは、死を身近に見ないからだと思う。と言って、永遠に生きると考えているわけでもない。漠然としたライフプランで、なんとなく生きている。一番強いインパクトは死です。人がものを考え、自覚的に生き始めるための契機は死を知ることです。

制度を変えても、精神の在り方が変わらなければ、世の中は決して変わりません。』

by 池田晶子


【閲覧者の皆さんへ】

池田晶子さんの意見に、私が妄信的に共感していると「誤解」しないで頂きたい。
この記事においても、それは間違っているのではないかと懐疑的な箇所があります。

そして、私は、どれほど世間的評価が高い論客でも、是々非々で評価しています。
例えば、田原総一朗氏、青山繁晴氏でもです。

また、私は、どれほど世間的評価が低い論客でも、是々非々で評価しています。
例えば、極右、極左でもです。

※【是々非々】とは、ぜぜ‐ひひ【是是非非】《「荀子」修身の「是を是とし非を非とする、これを知といい、是を非とし非を是とする、これを愚という」から》よいことはよい、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。


【閲覧者へのお願い】

忌憚(きたん)のないご批判も、大歓迎です。
お気づかいのなきよう、コメントして下さい。

「うつ病」かどうかの診断基準

2013年11月26日 | 哲学・心の病
【診断基準(DSM-)「大うつ病エピソード」】


※専門的な表現をわかりやすくするために、一部、表現を変えています。

※相談しやすい人(例えば、ご両親とか)とご一緒に、診断した方が良いかもしれません。

※厳密に考えずに、おおよそ、そのような症状であるかどうかで、判断して下さい。



A.以下の症状のうち5つ以上が、2週間以上ある。

以下の症状のうち、少なくとも1つは、(1)抑うつ気分、あるいは、(2)興味または喜びの喪失であること。

(1)ほとんど1日中、毎日の抑うつ気分が見られる。
(その人自身の言明(悲しみ、空虚感を感じる)か、他者の観察(涙を流しているように見える)でもよい。※「精神科医」用の表現になっています。)

(2)ほとんど1日中、毎日の全て、または、ほとんど全ての活動における興味、喜びの著しい減退がある。
(本人の言明か、他者の観察でもよい)

(3)食事療法をしていないのに、著しい体重減少か、増加、または、ほぼ毎日の食欲の減退か、増加がある。

(4)ほとんど毎日の不眠、または睡眠過多がある。

(5)ほとんど毎日の焦燥感(焦り)、または思考静止(何も考えずにボーッとしている)がある。
(他者の観察でもよい)

(6)ほとんど毎日の疲労感か、気力の減退(やる気が起きない)がある。

(7)ほとんど毎日の無価値感(全てが無意味と感じる)か、過剰であるか不適切な罪責感がある。

(8)思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日みられる。
(本人の言明か、他人の観察でもよい)

(9)死についての反復思考、希死念慮(自殺願望)、自殺企図(自殺しようとする)、または、はっきりとした自殺計画(自殺のための準備をする、例えば、自殺方法を具体的に考えたり、身辺整理をするなど)がある。


B.躁うつ病ではない。
(症状は混合性エピソードの基準を満たさない。)


C.症状は、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。


D.症状は、物質(乱用薬物、投薬)の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患(甲状腺機能低下症など)によるものではない。


E.症状は、死別反応でうまく説明されない。
すなわち愛する者を失った後、「Aの(1)~(9)の症状のうち5つ以上」が、2ヶ月以上続いている。


※「A~E」すべてに該当している場合は、「うつ病」だと思われます。


【閲覧者へのアドバイス】

これはあくまでも「自己診断」ですので、「うつ病」だと思われる方は「精神科医の診断」をお受け下さりますよう、お願い致します。



【閲覧者へのお願い】

忌憚(きたん)のない「ご質問」やご批判も、大歓迎です。
お気づかいのなきよう、コメントして下さい。

相対性理論による宇宙船の中の時間の進み方

2013年11月26日 | 哲学・心の病
アインシュタインの相対性理論によると、速度vで動いている宇宙船の中の時間の進み方は、静止している人の時間に比べて、

ルート(1-(v/c)^2) 倍

となります(cは光速)。

もし、ジェット旅客機でニューヨークへ行ったならば、旅客機の速度vを上の公式にあてはめて計算した数値倍の時間の進み方になります。
例えば、ニューヨークまで静止(地上)時間で1時間かかり、旅客機の速度をc/2とすると、

1時間×ルート(1-(c/2c)^2)=1時間×ルート(1-1/4)=ルート(3/4)時間

でニューヨークに着き、

1時間(静止時間)-ルート(3/4)時間=約8分

だけ時間の進み方が遅れて到着します。
つまり、約8分後の未来に行ったことになります。

(自転している地球の)高層ビルの最上階に住んでいる人は、下の階(例えば、1階)に行くたびに、未来に行っていることになりますが、その速度差(例えば、「最上階の速度」-「1階の速度」)があまりにも小さいので(約ゼロなので)、未来へ行ったと言うことができる程ではないのです。

しかし、厳密に言えば、私たちは未来に行った経験があることになります。

男女の脳の機能の違い

2013年11月26日 | 哲学・心の病
【狩猟時代から培われてきた能力が、今も男女の脳に刻まれている!】(1/2)

――そうした男女の脳の機能の違いが、なぜ人間に備わってきたのでしょうか?

人間の体とその機能は、何百万年というような極めて長い時間を経て、進化・退化を繰り返し、今の状態に至るものです。そこで一つの説として考えられているのは、人間の歴史で一番長かったのは「狩猟生活」であり、ここで必要とされ培われた能力が、今も人間の体に備わっているのではないかということです。狩猟生活時代、男は外へ猟りに出て食料を得てくるのが最大の仕事です。食料がなければ生きていけませんから、その能力に、自分や周りの人間の生死がかかっています。一方、女は洞窟などで家族を守りながら、食料が来るのを待ち、調理したり、子供の世話をしたりする……そうした行動を全うできることが生きるための最低条件ですから、この生活に適した能力が、男女それぞれの脳の働きに組み込まれていったのだと思います。その後、今から1万5,000年ほど前に農耕生活が始まりましたが、多くの人が食べるのにそう困らなくなる、文明が急速な発達を遂げる、男女同権の理念が広がるなどの動きは、実はわずかこの100年内のできごと。時代は急速に目覚ましい変化を遂げ、今は男女の役割分担の垣根もぐっと低くなってきていますが、人間の脳はそう急速に変わるものではなく、今も何百万年に渡る生活の歴史がしっかりと刻まれている、ということではないかと思います。


――狩猟生活で必要となった男女の能力というのは?

男性に備わっていったのは、獲物をしとめるために必要な「空間認識」の力。この力は右脳の頭頂葉という部分が担っているのですが、ここは「空間を正しく捉える能力」を発揮する部分で、脳の中で唯一、女性より男性の方が機能的に優れているところです。狩猟生活で男性は「遠くにいる獲物を見つける」「獲物の距離にあわせて槍を投げる」「道に迷わないよう自分の位置を常に把握しておく」といった能力が求められます。そのため、男は必然的にこうした能力が磨かれ、その能力の高い人が獲物を多く獲ることで、女性から優秀な男として認められ子孫を残すことができたというわけです。


【狩猟時代から培われてきた能力が、今も男女の脳に刻まれている!】(2/2)

実はスポーツの多くもこの「空間認識」を必要とします。ですから、例えばキラーパスを出すサッカー選手などは、男性として相当優秀だということを皆に披露しているわけで、スポーツ選手が女性に人気があるのは、狩猟時代以来の伝統と言えるかもしれません(笑)。空間認識の力が必要なジャンルは他にもたくさんあります。絵画は三次元的なものを二次元的に表現するもので、音楽も二次元的なものを立体的に表現するもの。ゆえに著名な画家や音楽家には男性が多いんですね。三次元に建築物を構築する建築家、大工さんなんかもそうだし、手術などで人間の体を立体的に把握しなければならない外科医もそう。今のように男女の教育の平等化が進みながら、それでもこうした職業に男性の方が多いのは、「男性の方が右脳が発達しやすい」という、脳の性質の違いに起因しているのではないかと考えられます。


――女性にはどういう能力が身に付いたのでしょう?

女性は留守の家を守り、家族の面倒を見るなど、家にいる時間が長くなります。そうすると自分の夫の情報を知るため、また安全な生活を送るために「情報交換」が必要になり、会話能力が発達し、言葉遣いも流暢になります。女性は今も井戸端会議好きだったり、外国語の習得が得意な人が多かったりしますが、そこには何百万年も前から行なわれてきたおしゃべりの成果があるわけです(笑)。また、女性は同時に複数の作業をこなす「マルチタスク」の能力に秀でています。それは、女性が子供や家族の面倒を見ながら、花や木の実を摘んだり、料理をしたりという行動を当たり前のこととして続けてきたからではないかと思います。だから左右の脳の交通性もより発達し、いろいろなことを同時に器用にこなせるようになったのでしょう。男性の多くはこれが苦手で、何か一つのことをするには、他のことをシャットアウトしたいと思うものです。例えば、男性は電話で大切な話をしているときにテレビは消してほしいと思いますが、女性はあまり気にすることなく両方を同時進行していたりします。