哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

うつ病の原因(その1)

2013年12月04日 | 哲学・心の病
NHK「病の起源 第3集 うつ病 ~防衛本能がもたらす宿命~」の番組で、うつ病の原因を紹介していました。

【うつ病の原因は天敵だ!】

1.第一の原因は天敵

うつ病にかかった人は、脳の一部が萎縮しています。
その原因は扁桃体(へんとうたい)。
扁桃体の活動が強まると、恐怖や悲しみや不安が引き起こされます。

今からおよそ5億2000万年前、人類の先祖である魚類は節足類を天敵とし、厳しい生存競争をくり広げていました。
節足類は神経細胞が全身にばらけていますが、魚類は身を守るために神経細胞が集中する脳を発達させ、扁桃体が生まれました。
敵を察知すると扁桃体がはたらいてストレスホルモンを分泌し、全身の筋肉を活性化し、結果的に鋭い動きで敵から逃れられるのです。

ゼブラフィッシュを天敵がいる水槽へ入れておくと、うつ病になります。
入れた当初はさかんに逃げ回っていますが、ある時期を境にしてほとんど動かなくなります。
ストレスホルモンの分泌が止まらなくなると、脳の神経細胞がダメージを受け、うつ状態が生まれるのです。

扁桃体が過剰にはたらく→全身へ過剰なストレスホルモンが分泌される→脳に及ぶとダメージを与えて栄養不足となる→脳が萎縮する→意欲や行動が低下する、

つまり、扁桃体の暴走によってうつ病が発症するのです。


【うつ病の原因は孤独だ!】

2.第二の原因は孤独

魚類からハ虫類、そして、ほ乳類へと進化をたどる過程において、人類は扁桃体のおかげで生き延びましたが、扁桃体は天敵以外にも反応するようになり、うつ病の新たな原因が生じました。

チンパンジーは集団で暮らし、子供を育てるのも、敵と戦うのも、集団の力によります。
病気になったチンパンジーを長い間、群れから離しておいたところ、一日中室内で過ごすようになりました。
飼育している担当者は、「まるで幽霊のようです」と言います。

孤独になると不安や恐怖が生まれ、扁桃体が激しく活動してしまい、うつ病になります。
孤独がストレスを生じるのは、仲間との絆が強いタイプの生きものの宿命です。

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