みなさんこんにちは。
どこの都市か忘れてしまいましたが今日は猛暑日になるとの予報が出ています。
猛暑日
なんと不快な語呂なのでしょう。
そのうち極暑日とか新しい気象単語が出てきそうです
さて、住宅ローンはマイナスの資産。手元にお金があるなら一刻も早く繰り上げ返済した方がいい、とよく耳にします。
基本的には正しいのですが、現在の水準の低金利時代ですと一概にそうとも言えないというのが私の考えです。
今回は相続という観点からその辺を考えてみたいと思います。
そもそも親は相続対策に消極的なもの
一般的に相続対策というと、財産を残す親などが中心となって行うものです。
財産を持っている本人が動き出さない限り、周りがいくら騒いでも始まらないからです。
そんな中で、よく「親が相続対策をしてくれなくて……」とか「遺言を書いてほしいって頼んでいるんだけど、なかなか進まなくて……」という話を聞きます。
所得税の節税対策はご本人の手取りが増える効果があるためすぐに実行するのですが、相続対策の方はご本人が相続税を納めるわけではないため、なかなか重い腰を上げようとしないのです。
■相続対策は節税だけではない
そして相続対策というと、まず「節税」を思い浮かべるものですが、これは間違い。
実は一番初めに行うべきなのは「納税資金の準備」なのです。
相続税の納付は財産を取得した相続人が行わなければなりませんが、すぐに現金化しにくい不動産を相続した場合など、手元に納税資金がないと大変なことになります。
一方、納付は必ずしも相続した財産で行う必要はなく、もともと自分がためていた財産で納付してもかまわないのです。
逆に言えば、自分で納税資金の準備ができているのであれば、不動産ばかりを相続しても納付で苦労することはないわけです。
さて、実は自分自身で納税資金(流動資産)を増やすのに一番手軽な方法は「住宅ローンの活用」なのです。
ほとんどの方はご自宅を購入する際、頭金を多く入れてなるべくお金を借りずに購入しようとしますが、相続の観点で言えば仮にお金に余裕があっても住宅ローンを活用すべきなのです。
特に今のような超低金利、マイナス金利時代にはそれが言えます。
■住宅ローンは手持ち資金確保の重要手段
例えば兄弟間で遺産分割協議がなかなか整わない場合、ローンによって手元に残った資金が効果を発揮します。
仮に5000万円の土地を兄弟2人で分けるとしましょう。
このとき、2分の1ずつの取得にしてしまうと将来売却する・しないなどで意見が合わなくなると困るので、兄がその土地を100%取得する代わりに、兄から弟に2500万円のお金を払う分割方法がよく用いられます。
このような分割を「代償分割」といい、弟に払った2500万円に対しては贈与税がかかりません。
兄も弟も2500万円の財産を取得したことになり、それぞれが相続税を払えばいいのです。
このような場合、兄がマイホームの購入を現金で行っていたら弟に払うお金が足りなくて困りますが、ローンを活用して手元資金を潤沢に持っていれば、そのお金で対応できるのです。
ローンを組んだ後も同じこと。「少しお金がたまったから」とすぐに繰り上げ返済する方も多いのですが、返済せずに手持ち資金を残していれば、それも納税資金として使えます。
納税資金が足りなくなってから慌てて住宅ローンを組もうとしても、そうは簡単にいかないのですから。
■親にも同じことが…
もう一つ、住宅ローンの特徴は「団体信用生命保険(団信)により死亡時にローンの負債が消滅すること」です。
通常の借入金ですと、相続が発生した場合には相続人が引き継いで返済しなければならないのですが、住宅ローンの場合は団体信用生命保険の保険金がおりて完済されます。
そのため「自分が頑張って住宅ローンを返しておかないと、死後、子供に負の遺産を引き継がせてしまう」という恐れはありません。
ですから自分がローンの返済期間中であり、そろそろ親からの相続が発生しそう(納税資金が要りそう)なようなら、むしろなるべく繰り上げ返済しないでいた方が手持ち資金に余裕ができることになります。
同様に、親が自分の住宅ローンを繰り上げ返済しようとしていたら「納税資金のためにも繰り上げ返済せずに、手持ち資金として確保しておいてね」とアドバイスすべきなのです。
それぞれの置かれている状況により住宅ローンの最善の返し方は変わってきます。
五年に一度くらいは、できれば年一回くらい、住宅ローンと向き合ってみてください。
どこの都市か忘れてしまいましたが今日は猛暑日になるとの予報が出ています。
猛暑日
なんと不快な語呂なのでしょう。
そのうち極暑日とか新しい気象単語が出てきそうです
さて、住宅ローンはマイナスの資産。手元にお金があるなら一刻も早く繰り上げ返済した方がいい、とよく耳にします。
基本的には正しいのですが、現在の水準の低金利時代ですと一概にそうとも言えないというのが私の考えです。
今回は相続という観点からその辺を考えてみたいと思います。
そもそも親は相続対策に消極的なもの
一般的に相続対策というと、財産を残す親などが中心となって行うものです。
財産を持っている本人が動き出さない限り、周りがいくら騒いでも始まらないからです。
そんな中で、よく「親が相続対策をしてくれなくて……」とか「遺言を書いてほしいって頼んでいるんだけど、なかなか進まなくて……」という話を聞きます。
所得税の節税対策はご本人の手取りが増える効果があるためすぐに実行するのですが、相続対策の方はご本人が相続税を納めるわけではないため、なかなか重い腰を上げようとしないのです。
■相続対策は節税だけではない
そして相続対策というと、まず「節税」を思い浮かべるものですが、これは間違い。
実は一番初めに行うべきなのは「納税資金の準備」なのです。
相続税の納付は財産を取得した相続人が行わなければなりませんが、すぐに現金化しにくい不動産を相続した場合など、手元に納税資金がないと大変なことになります。
一方、納付は必ずしも相続した財産で行う必要はなく、もともと自分がためていた財産で納付してもかまわないのです。
逆に言えば、自分で納税資金の準備ができているのであれば、不動産ばかりを相続しても納付で苦労することはないわけです。
さて、実は自分自身で納税資金(流動資産)を増やすのに一番手軽な方法は「住宅ローンの活用」なのです。
ほとんどの方はご自宅を購入する際、頭金を多く入れてなるべくお金を借りずに購入しようとしますが、相続の観点で言えば仮にお金に余裕があっても住宅ローンを活用すべきなのです。
特に今のような超低金利、マイナス金利時代にはそれが言えます。
■住宅ローンは手持ち資金確保の重要手段
例えば兄弟間で遺産分割協議がなかなか整わない場合、ローンによって手元に残った資金が効果を発揮します。
仮に5000万円の土地を兄弟2人で分けるとしましょう。
このとき、2分の1ずつの取得にしてしまうと将来売却する・しないなどで意見が合わなくなると困るので、兄がその土地を100%取得する代わりに、兄から弟に2500万円のお金を払う分割方法がよく用いられます。
このような分割を「代償分割」といい、弟に払った2500万円に対しては贈与税がかかりません。
兄も弟も2500万円の財産を取得したことになり、それぞれが相続税を払えばいいのです。
このような場合、兄がマイホームの購入を現金で行っていたら弟に払うお金が足りなくて困りますが、ローンを活用して手元資金を潤沢に持っていれば、そのお金で対応できるのです。
ローンを組んだ後も同じこと。「少しお金がたまったから」とすぐに繰り上げ返済する方も多いのですが、返済せずに手持ち資金を残していれば、それも納税資金として使えます。
納税資金が足りなくなってから慌てて住宅ローンを組もうとしても、そうは簡単にいかないのですから。
■親にも同じことが…
もう一つ、住宅ローンの特徴は「団体信用生命保険(団信)により死亡時にローンの負債が消滅すること」です。
通常の借入金ですと、相続が発生した場合には相続人が引き継いで返済しなければならないのですが、住宅ローンの場合は団体信用生命保険の保険金がおりて完済されます。
そのため「自分が頑張って住宅ローンを返しておかないと、死後、子供に負の遺産を引き継がせてしまう」という恐れはありません。
ですから自分がローンの返済期間中であり、そろそろ親からの相続が発生しそう(納税資金が要りそう)なようなら、むしろなるべく繰り上げ返済しないでいた方が手持ち資金に余裕ができることになります。
同様に、親が自分の住宅ローンを繰り上げ返済しようとしていたら「納税資金のためにも繰り上げ返済せずに、手持ち資金として確保しておいてね」とアドバイスすべきなのです。
それぞれの置かれている状況により住宅ローンの最善の返し方は変わってきます。
五年に一度くらいは、できれば年一回くらい、住宅ローンと向き合ってみてください。
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