ここ数日繰り返し聴いている一枚。
KANZLERAMTの101番。
DAMON WILDのアルバム[DOWNTOWN WORLD]。
デトロイティッシュな作品を連発している
ここ数年のKANZLERAMTの中では、
異質と言ってもイイ程に硬く太いミニマルテクノ。
しかし単にフロアライクなミニマルと言うのではなく、
音の雰囲気や創り込みがかなりマニアックで渋い。
ここ最近のKANZLERAMTの音と言うよりは、
一昔前-初期から中期にかけてのKANZLERAMTの音っぽい。
個人的に、
一番このレーベルが面白かった頃の音を彷彿とさせる。
異論は色々あるだろうけど、
僕的にはここのレーベルの旬は40番~90番台位ではないか。
そう思っている。
40番以前は音が暗過ぎる上にマニアック過ぎてとっつきにくく、
逆に100番以降は分かりやすい音が多くて入りやすいのだけど、
ややデトロイトに偏り過ぎな感があり、
一体このレーベルはどこへ向かうのか…と、
個人的にはちょっとだけ心配だったりもする。
40番~90番台くらいが、一番バランスが取れていたのでは。
そう思う。
中でも、40番~70番あたり。
ここのラインナップは神がかっている。
HEIKO LAUX・JOHANNES HEILの2人が主軸として
コンスタントに良作をリリースしつつ、
次世代をになうALEXANDER KOWALSKIとDIEGO。
この2人の天才が徐々にその才能の片鱗を表し、
その一方でCHIRSTIAN MORGENSTERNが
初期のこのレーベルの香りを漂わせるディープなトラックを創る。
ANTHONY ROTHERは幾つかの変名を使って
数々の実験的で変態な作品を残し
DJ SLIPはこれまた独特で壊れた世界観を展開する。
極めつけにはHIGHRISE(なんとJOHN SELWAY)と言う凄いゲストが
これまたテクノ史に残るであろう傑作トラックを生み出す。
う~ん。
この頃のカンツラはホント面白かったなぁ。
音がそれまでのダークでディープなサウンドから
徐々に綺麗で聴きやすい方向へとシフトしていたのにも関わらず
何とも言えないアングラなマニアックさが漂っていた。
最近はそのマニアさが少し薄れつつあるのがちょっとイヤだ。