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KANZLERAMTオタクの日々

ドイツのテクノレーベルKANZLERAMTをこよなく愛する男の日々の独り言。

久々にクラビング。

2007-02-12 00:22:59 | テクノ・音楽
昨日は久々に、実にWIRE前夜祭以来…つまり半年近くぶり(!!)に、
クラブへ遊びに行った。

西麻生の[COLORS]と言うハコで行われたパーティで、
このアルバムのリリースパーティ。

このアルバム、
日本の新しい世代のテクノアーティストのコンピレーション、
と言う作品らしいのだけど、
実はこのアルバムに入っている、
SYU-HENKIKI君とFQTQ君は僕の知り合いだったりする。

その縁もあり、
直前まで行こうかどうしようか悩んでいたものの結局参戦。


[COLORS]は初めて行ったハコだったけど、
雰囲気・広さ・音共にまあまあ。
なかなかにイイ感じのハコだった。
ただ、駅からちょっと遠い。あとビールが高過ぎ(笑)

ハコに入ってすぐにSYU-HENKIKI君を発見したので
挨拶して乾杯。
FQTQ君もすぐに見つけてやはりこちらも乾杯。
他にも名古屋時代に知り合った人間とかが数人来ていたので
彼らと喋ったりしながらお酒を飲む。


0時過ぎからFQTQ君のライブ。
彼のライブプレイを観るのは実に5年ぶりくらいか。
昔、大阪で僕の盟友が主催していたパーティで観た以来。

久々に見た彼のライブだけれど、
相変わらずピコピコしたサウンドが独特の鳴りで面白かった。
なんと言うか、僕が昔、
テクノ聴きたての頃によく聴いていたサウンドを思い出す様な、
そんな雰囲気の音。
楽しい、分かりやすい音で、
多分、テクノ初心者とかにも受け入れやすい音だと思う。

とか思いつつ踊りながらふとブースに目をやると、



シ、ショルキー!?(゜Д゜)



FQTQ君がショルダーキーボードを持っていたのでビックリした。
全く、ショルキーだなんて、
小室○哉か浅○大介か(って古いよおい)

でも、テクノのライブって言うと(プロアマ問わず)、
ただ黙々と機材やノートPCをいじっているだけ、
と言うのが多いので、
こんな風に直に楽器を弾いて見せるのは新鮮で面白い。

以前、FABRICE LIGのライブを観た時にも思ったけれど、
ただ機材をいじっているだけよりも
やっぱり楽器を弾いている姿があった方が
客的には(視覚的な効果で)盛り上がると思う。


などと思っていたのだけれど、今日のこのパーティ。

出演メンツはなかなかどれも個性的で、
数人編成のバンドで歌モノを演る人達もいれば、
ラップ(?)を織り交ぜたパフォーマンスを魅せる人もいて、
テクノだとか電子音楽だとか一括りにまとめてみても、
実はその表現方法の可能性は実に多様なんだなぁ、
とかそんなことを思ってみたりもする。

その辺、実はプロでやってる人達の方が、
むしろ逆に表現の袋小路に陥ってしまって、
型にはまったライブプレイしか出来ない、とか、
そんな現状もあるんじゃないかな、とか思ってみたり。


さて。
3時過ぎからはシン・ニシムラのDJ。

一応今日のメインアクトっぽいけど…フロアに客少な(笑)
まあ、僕的には目一杯踊れるから別にイイんだけど。

よくよく考えたらシン・ニシムラのプレイも、
まともに聴いたのは数年前のWIREの一回だけの様な…。

今日のシン・ニシムラのプレイ。
最初の方は結構ディープでダウナーな感じだったけど、
途中からアガってきて気持ちよく踊れたなぁ。


SYU-HENKIKI君のライブは5時過ぎ。
その直前に演っていた、
2人組のライブが個人的には結構良かった。
音は分かりやすくいかにもなトランス。
だけど、トランスが今みたく、
単なる下品な大量消費音楽に堕してしまう前の、
純で繊細な響きを持っていた。

ライブ後半からは女の子のヴォーカルが参加してたけど、
これは個人的にはむしろ残念かも。
パッと見垢抜けない(失礼)男の子2人が、
黙々と綺麗なトランスを奏でる。
その姿が良かったのになぁ。

そして始まったSYU-HENKIKI君のライブ。

彼の音は名古屋のパーティENTRANCEで幾度となく聴いている。
なので音の雰囲気からブレイクから、
盛り上がりのポイントまで大体分かる。



…つもりだったのだけど、コイツ。



ワザと外してきやがったな!!



なんか、この日の彼のライブは、
ブレイクのポイントとかがいつもと微妙にズレていた。
と言うか、ワザとズラしているのが分かる分かる(笑)

後で聞いてみたら、
やっぱり意識してズラしてたっぽい。

僕らの裏を斯きたかったとかなんとか…
(もうこの辺りのやり取りはお互いにかなり酒が入っていて
何を喋ったのかあまり覚えていない)

まあとにかく。
いつもの彼らしいノリの良いライブでガッツリ踊って楽しめた。



久々に行ったクラブだったけれど、
やっぱり好きな音を聴いて酒を飲んで仲間と喋って
踊り狂って楽しむ。

それは凄くイイものだなぁ。
改めてそう思った。


僕と言う人間は割と多趣味な方なのだけど、
その趣味をどれか一つに偏ってしまうのでなく、
満遍なく楽しむ。
音楽も、ファッションも、旅も、鉄道も、酒も。
全て平等に、均等に。
それが心の平安には必要なのかな、と。

それは何も趣味の問題だけではなく、
仕事にしろ恋愛にしろ他の何にしろ。
やっぱり、どれか一つにだけ囚われ過ぎてしまうのは良くないよ。

何事もバランスが大事。
そんなことをふと思った。

RYDEEN 79/07。

2007-02-04 22:52:14 | テクノ・音楽
数日前の日記で少し触れた、YMO出演の某ビールのCM。
まだ実際にテレビで観てはいないのだけれど、
サイトの方では勿論チェック済みだし、
そこで使われているトラック[RYDEEN 79/07]。
これがあちこちの音楽サイトで配信されていたので
早速ダウンロード(購入)してみた。

で、昨日からずっと延々リピートして聴きまくっているのだけれど、
もう、これが…何と言うか、凄くいい、のだ。

メロディーラインや曲の展開そのものは、
間違いなくオリジナルのライディーンそのものなんだけれど、
でも音色や雰囲気ががらりと変わって、
これはもう完全に「2007年の音」。

エレクトロニカでよく使われる、
プチプチ…カチカチと言うノイズ音。
ふくらみのあるシンセサイザーの上音。
そこにふんだんに絡む生ギターの音。

スケッチショウを経て、
アルバム[BLUE MOON BLUE]で辿り着いた、
高橋幸宏の最新の音。
更にその「一歩先の音」。

これはもう、懐かしのテクノポップなどでは断じて無く、
最先端のエレクトロニック・サウンドと言って良いだろう。

思えばこの「ライディーン」と言う曲。
YMOを代表する曲なだけあって、
今までも色々なアーティストによるリミックスや
トリビュート、カヴァーやパロディ(!!)が無数にあった。

その中には勿論、悪いものもあるし、いいものも沢山ある。

でも、この、[RYDEEN 79/07]の前では全て霞んで見える。

あえて乱暴な言い方をしてしまえば、
今まで発表されたリミックス等は全て「カス」だ。
(あくまで[RYDEEN 79/07]と較べて、の話だが)

まあ、やはり。
オリジナルを超えることが出来るのはオリジナルだけ。
(=オリジナルを超える存在を生み出すことが出来るのは、
オリジナルを創り出した存在だけ)
と言うことなのだろう。

総 帥 来 襲 !!

2007-01-20 01:02:55 | テクノ・音楽
KANZLERAMTのドン、HEIKO総帥がどうやら来日する模様。
来月の16日、渋谷のYELLOWにやってくるらしい。

ハコのサイトにもKANZLERAMT公式サイトにも乗ってるので
かなり確かな情報かと。



一昨年のマニアックで体験した、
あのカンツラ祭りの再現が…!!とか思うともう今からワクワク。

翌日は多分仕事だろうけど…でも関係無いな。
行くしかない。

2006年最後のディスクレビューと総括と。

2006-12-30 22:35:16 | テクノ・音楽
このところ急に自分の中のハードテクノ熱が再燃してしまい、
手持ちのCDの中から何かこうバッキバキなのは無いか、と
探して出てきたのがコレ。

[Salon de Mezclas]
スペインのDJ2人-CHRISTIAN VALERAとTONY VERDIによる
2枚組ミックス。

 

これ買った当初は、ハウシーでメロディックで、
なおかつ僕の好きなトラック満載の
([HAWAII BLUE]とか[DIE EIGENE ACHSE]とか入ってる)
TONYの方ばっか聴いてたんだけど、
今のバッキバキ気分には迷わずCHRISTIAN VALERAをチョイス。

タンテ3台フルに使って最初っから最後まで
全編バッキバキにガッシガシの超絶ハードミニマル!!
おまけにスクラッチだとかかましまくってアゲまくり!!

…そんな中にたま~に入る、
ちょっとだけ綺麗目なトラックだとか
有名どころの曲([MANUPILATED]とか)が
いいアクセントになってるんだよな。

と言うか、VALERA自身のトラック2曲-
前半でいきなりかかる[STRUCTURAL PIANO]と
ラストを締める[YOUR BODY EXPERIENCE]がカッコ良過ぎ。

今更ながらアナログちょっと欲しくなっちゃったよ。

*********************************************

さて。
残すところ2006年もあと本当にもうわずか。

今年は(も?)音楽的にはあまり大して何もしなかったなぁ、と。

めっきりレコもCDも買わなくなってしまったし。
タンテは相変わらず部屋で埃かぶったままだし。

やっぱりどうも、一時期ほどにはもう、
音楽に対する情熱が無いのかもしれない。

まあ、元々僕って、飽きっぽい部分あるし、
それにね。
割と多趣味(偏ってるけど)なので、
音楽ばっかりに情熱(とお金)注ぐワケにもいかんのですよ。


とか何とか言いつつ。

でもよくよく考えてみたら、今年。

クラブとかにもほとんど行かずに過ごしてしまったけど、
でも、数少ない音楽的活動は物凄い密度の濃い、
有意義なものだった気がする。

3年ぶりにWIREにも行ってバカ騒ぎ出来たし。

何と言ってもホラ。



KOWALSKI先生初来日。



WIRE前夜祭・本祭と2日続けてライブ観れたし、
2日続けて本人と喋ってサイン貰えてしまったし!!
(もっともその為にWIRE本祭のサイン会で、
既に持っているCDをもう1枚買う羽目になってるのだが)

あとなぜかWIREのサイトに写真が晒された…
KOWALSKI先生とのツーショットだから嬉しいけど(笑)



それから、僕の最も敬愛するアーティスト。



高橋幸宏御大のライブ。



これなんて、3回観に行っちゃったからな。
幾ら幸宏さん大好きだからって
さすがに自分でもちょっとおかしいだろとは思った(笑)



そう考えると、なんかとてもイイ年だった気もする。


まあ、何はともあれ。
来年も自分にとって面白おかしく、良い年でありますように。

それから皆様。
今年一年ありがとうございました。
良いお年を。

ディスクレビュー2006年12月12日。

2006-12-12 01:15:59 | テクノ・音楽
THOMAS SCHUMACHERのミックスシリーズのレビューも
とりあえずこれで最後(のつもり)。

SUPERSTITIONの名作ミックス、
[LEVEL~]シリーズの[3.3]と[4.4]を。


まずは[3.3]。

 

[2.2]と同じく、ラジオショー風な小ネタを所々挟みつつ、
ノンストップで進行していく構成。
でも[2.2]よりは幾分小ネタが押さえ目で、
その分よりきちんとDJミックスとして聴ける感じか。

音は全体的にかなりミニマルよりで、硬めで重め。
この頃のトマシューが好きそうな、
へヴィーなキックの効いた
ズンドコサウンドが耳に体に気持ちいい。

でも一口にミニマルと言っても、
エレクトロ寄りなものもあれば民族系(OLIVER HOとか)も
歌モノ・声モノも色々あって、
そしてそれらの全てがラストのトラック、
KEVIN SAUNDERSON(E-DANCER)の名曲[BANJO]
(しかもFUNK D'VOIDのリミックス)で浄化されていく。

デトロイトテクノの壮大なストリングスの響きが、
ただただ美しい。

…しかし思えばこのミックス。
買った当初は実はあまり好きじゃなかったんだよなぁ。

と言うか、聴けなかった。と言った方が正しい。
自分がまだ、聴けるだけの耳を持って無かったと言うか。

まだまだテクノ聴き始めて日が浅い頃で、
聴きやすくて親しみやすいディスコ系だとか中心に
聴いてたりした頃だから、
このミニマルで硬いサウンドに
どうしても馴染めなかったんだろうなぁ。

もっとも今聴くとこのミックスなんて、
ミニマルでも全然聴きやすい方なんだけれど。


そして[4.4]。

 

[2.2][3.3]と、小ネタを取り入れた、
かなり遊び心のあるミックスをしてたけれど、
この[4.4]はかなりマジなミックス。

小ネタ一切無しで、全編きちんとミックスしてて、
しかも(トマシューにしては)上手い。

…もっとも、
これはかなり編集とかして綺麗にしてるんだろうけど(笑)

何より、サウンドの雰囲気が前作までとは
ガラッと変わってしまったのに驚かせる。

前作までがバリバリのドテクノだったのに対して
今作はかなりハウシーで綺麗目な音満載。

確かこの作品のちょっと前に↓のレビューで書いた
[PERLEN2]がリリースされてて、
それ聴いた時はその音のあまりの雑多さに驚いたもんだけど
こっちはこっちでまた別の意味で驚かされる。

本当に何でもかんでもやっちゃう人なんだなぁ、この人。
自分のアルバムではドラムンとか創ってたし。

まあでもね。
この作品のキモはとにかくラスト。
ラストの1曲を聴け、と。

なんと言ってもラストを締めるのは、
あの故CHRISTIAN MORGENSTERNの
永遠の名曲[HAWAII BLUE]。

ミニマルでシンプルかつ美しい旋律が、
いつまでもいつまでもループし続けるかの様に
鳴り響く中で、微妙に、微妙に変化を魅せる曲の表情。
それはもしかすると、
「テクノ」と言う音楽の究極の形を突き詰めたもの
と言えるのかもしれない。

このトラックだけが、他の曲とはミックスされず、
直前の曲の余韻の中から始まっていく。
その音の入れ方を見ても、
トマシューがこの曲に対しては特別な思い入れが
あるんじゃないかなぁ、なんて思ってもみたり。

そう言えば[2.2]でもラストはMORGENSTERNの曲だったし
きっとトマシューもこの人のトラック好きだったんだろうなぁ。


…本当に、本当に。
改めて惜しい人を失ってしまったものだと思う。

CHRISTIAN MORGENSTERNよ永遠なれ。

ディスクレビュー2006年12月5日。

2006-12-05 23:48:02 | テクノ・音楽
なんかすっかり懐古趣味づいてしまった…と言うか、
THOMAS SCHUMACHERのミックスにハマってしまったここ数日。


今日はこの一枚を。[PERLEN2]。



タイトルだけ見れば、
3日のレビューで書いた[PERLEN1]の続編的な作品。

…かと思いきや、その実態は全くもって別物。

何しろ、[PERLEN1]はひたすらにゴリゴリで
ハードでミニマルだったのに、
こっちの[PERLEN2]と来たらもうやたらとポップ!!

URAL 13の[TOTAL DESTRUCTION]、
ROKの[CYCLE SLUTS]、カガミの[東京ディスコ]、
そして自身の[PLAY FAST & LOOSE]と、
このミックスが発売された2001年前後に
テクノ界でスマッシュヒットしたトラックの目白押し。

他にもLAURENT GARNIER、THE HACKER、DJ RUSH…
有名どころや大御所のトラック多し。

前作と比べると、本当に同じ人が創ったの!?
と疑ってしまう位に
全然違う世界観の作品になってしまってるのだから
もうこれはビックリとしか言い様が無い。

…と言うか、これだけ内容違うんなら、
同じタイトル付けるなよ、と(笑)

まあ、穿った見方をすれば、
単なるヒットパレードに堕してしまっている。
と言えなくも無いんだけれど、でもこれはこれで、
この時代の「空気」を確実に伝えられると言うイミで
非常に興味深いものだと思う。


個人的にはROKの[CYCLE SLUTS]が入っているのが
お気に入り。
この曲、お台場であった2001年の年越しイベント
(て言うかつまりミレニアムイベント)で
DJ ROK自身がかけてて、
その時自分、それ聴いて物凄くテンションあがった、
そんな想い出があるのだ。

あと、KANZLERAMT好きな今の自分的には、
3曲目の[FREIBURG V3.0]ってトラックがヤバイ。
女性ヴォーカルの歌モノが入ったトラックなんだけど、
このアルバムに入っているのはその曲の、
なんとHEIKO LAUXのリミックスなのだ。

当時は、HEIKO LAUXのリミックスだなんて
特に気に留めてはいなかったんだけれど
(と言うか当時はまだそんなにHEIKOさんに注目してなかった。
なにしろ↑で書いたお台場のイベントでも、
実はHEIKOさん初来日!!と言う記念すべき日だったのに、
自分が会場辿り着いたのはもうHEIKOさん終わった後…。
みすみす見逃した。
今思えば凄く勿体無くて過去の自分を責めたくなる>笑)
でも、今の自分の耳で意識して聴いてみると、
うん。これ間違い無くHEIKOさんの音だ。

女性ヴォーカルの後ろで流れる上音の、
その流麗にして分厚い雰囲気が完全にHEIKO節。


まあしかし、これだけヒット曲や有名どころばかり集めて、
つまり、個性(アク)の強いトラックばかり集めて、
それなのに全体としてきちんと一つの世界になる様
纏め上げているのはやっぱりさすがとしか言い様が無い。

ミックス自体は別にさほど上手くも無いし、
ロングミックスもほとんど無ければ
逆に強引にカットインとかそんなのばっかりなのに(笑)

それなのに、その構成力の凄さで全てカバーしている。
ホント凄いヤツだと思うよ、この人。

ディスクレビュー2006年12月4日。

2006-12-04 23:44:29 | テクノ・音楽
今日はたまには「秋らしい」ことでもしようかと思い
友人を誘って紅葉を観に新宿御苑へ。

色々と下調べをし、さあ!!と意気込んで行ってみたら
なんと今日は閉園日だった…。
毎週月曜は休みらしい…ああ…下調べが甘かったか。

それですっかり意気消沈。テンションかなりダウン。

まあこんな時はイイ音楽でも聴いて気分を盛り上げよう。
と言うことで懐古趣味全開のディスクレビューさあ行ってみよう。


↓のレビューでも少し触れた、
THOMAS SCHUMACHERの企画モノミックスシリーズ[LEVEL~]。
ドイツの(かつての)名門[SUPERSTITION]から
リリースされてたこのシリーズ。

[LEVEL 1.1]から[LEVEL 4.4]までの計4作出ていて、
[1.1]はミックスでも何でもない、
単なるレーベルコンピレーション。
ハッキリ言ってこれは別に面白くも何ともない(笑)

ヤバイのは[2.2][3.3][4.4]の3作。

これらは全てTHOMAS SCHUMACHER監修による
DJミックス仕立てになっていて、
収録曲もSUPERSTITIONのアーティストに偏るワケでもなく、
ミニマルからジャーマントランス、デトロイト~ハウスと
かなりバラエティーに富んでいる。
随所随所にラジオショー風な小ネタやら様々なSEを仕込んだりと
構成も非常に凝っていて面白い。

何より3作とも、ミックスの始まりからラストへ行き着く、
その過程を辿りながら聴いていると、
その世界観の創り方の上手さにただただ感心する。
THOMAS SCHUMACHERって、
DJのテク自体は決して上手いとは言えないのだけれど(笑)
でもその構成力の凄さは間違い無くホンモノだと思う。

今日はそんな[LEVEL]シリーズの中から[2.2]をチョイス。



このアルバムは↑で書いたラジオショー的な小ネタとか多めで
純粋にミックスとは言いがたい作品。
たまにミックスで繋いだり、
たまに声ネタでごまかして(笑)繋いだりの、
ノンストップ・コンピレーション的作品。

でもその分逆に、
彼の世界観の構築力の深さがより理解できて興味深い作品、
とも言えるのかも。

ディープでダウナーなサウンドから、
上音綺麗でデトロイティッシュなトラック、
トライバルなミニマルと色々入っていてなかなか盛り沢山。
収録アーティストも
JOEY BELTRAMに卓球にFUNK D'VOIDにVILLALOBOSと、
全く節操が無いチョイス(笑)

…なんだけれど、
一見ばらばらな系統の曲を闇雲に詰め込んでいる様に見えて
でも全体としてその世界が破綻すること無く
きちんと一つにまとめ上げているのは
本当にさすがとしか言い様が無い。


とか何とか色々書いたけどね。

このアルバムに関してはもうそんなことよりも、
言うべきことはただ一つ。



#5[LOVE]を聴け。

話はそれからだ。



5曲目に入っているLUKE SLATERの名曲[LOVE]。
僕の個人的に好きなテクノトラックの
10本の指には間違いなく入る作品なんだけれど
これの入り方がもう、本当にヤバイ。ヤバ過ぎる。

4曲目のJOHANNES HEILのダークなトラックから、
いきなりあんな風に綺麗な上音が入ってきちゃったら…
ああ…もう!!!


…と書いたところで気が付いた。

そうそう。何気にこの作品。
JOHANNES HEILだとかのKANZLERAMT勢が入ってたりするのだ。

何と言ってもラストを締めくくるのは
CHRISTIAN MORGENSTERNだったりするし。


思えばこの作品に出会った頃は、
まだKANZLERAMTにそこまでハマってはいなかった。
勿論KANZLERAMTの出す音に対して、
「これが自分の求めている音なのでは」と言う意識はあったものの
でもまだまだ他にも色々な音を模索していた時期だった。

でも、そんな自分にとっての、
「テクノ黎明期」にあたる時期に買ったこの作品に
今の自分の最も好きな音が入っていて、
そしてその作品自体が今の自分にとっても
未だ好きな作品であり続けている。
これってちょっと凄いことだなと思ったりする。
ある種運命めいてるって言うのか。


にしても、ラストのMORGENSTERN。
地味でディープなトラックなんだけれど、泣ける。

[4.4]でもラストはMORGENSTERN(しかも[HAWAII BLUE])だし
THOMASさんもMORGENSTERN好きだったんだなぁ。と。

本当に惜しい人材を失ったもんだと思う。

ディスクレビュー2006年12月3日。

2006-12-03 00:45:31 | テクノ・音楽
先日実家から持ち帰った(↓の日記参照)
カガミの[THE REPAIRED SEQUENCER]があまりに良過ぎるので、
試しにこっちの家にあった
カガミのライブ盤[WIRE GIGS]を聴き直してみる。

…のだけど、どうもこれがイマイチピンと来ない。
なんか、音があまりに「ベタ」過ぎるんだよなぁ。
ベタベタに「ディスコ」し過ぎ。
こういうアホな音も現場(ハコ)で聴くと踊れて楽しいんだけど
でもやっぱり家で聴くにはどうも。
と言うか、
やっぱり本質的に自分はあまりディスコ系って好きじゃないのか。

[THE REPAIRED SEQUENCER]は、
ディスコとミニマルが美味い具合にミックスされて
一つに融合されているのが良かった。
特に中盤以降のミニマル極まりない展開は見もの。
シンプルで踊ることのみに特化されたミニマルサウンド。
これがなんとも気持ちいい。

…と言うか、自分。
単にドミニマルな音が聴きたかったのかもしかして。
それも上音とかの極力少ない、
トライバルなのとか逆に機械的で無機質なのとか。

何か手持ちの音源でそんなの無かったっけ…
と言うワケで今度は、
THOMAS SCHUMACHERの昔のミックス[PERLEN 1]を取り出して
久々に聴いてみる。

と、これがもう今の自分の気分にドンピシャ。



ぶっとい低音にゴリゴリのハードなリズム。
シンプルなサウンド(と言うかメロディなんて無い)の
ミニマルトラックが延々と鳴り響く。

だけど、同じミニマルでも、
原始の香り漂うズンドコのトライバルもあれば、
どこか機械的でシャリシャリした、
ちょっとサイバーで近未来的なものだとか色々と入っていて、
その変化が聴いていてとても面白い。

ミニマル・ダンス・ミュージックにおける進化の過程。
がDJミックスとして表現された、みたいな。

だけど、そんなことをあれこれ考えるんじゃなくて、
なんと言うかこれはまあ、「体で感じる」音。
何も考えずに音に体をゆだねて、
無心で踊り狂うのが正しいんだろうな。本当は。

しかしTHOMAS SCHUMACHERって、
実はミックス下手なのに(苦笑)
でもこういう、ちょっと企画ぽいミックスCDとか創ると
やたらイイもの出してくるんだよな。

昔SUPERSTITIONから出てた[SCI-FI]てシリーズも
凄く好きだった。
あれの[LEVEL 4.4]なんてラストが[HAWAII BLUE]…。
今聴いてもきっと泣ける。

しかしあれだな。
最近ロクに新しいCDもレコも買わずに(KANZLERAMT除く)
昔の聴き直して「あの頃は良かった」的な
感慨に浸ってばっかりだとかで、もはや完全な懐古厨。

クラブにもほとんど行ってないから、
今どんな音がフロアで流行っているのか、
そんなトラックがヒットしているのか。
そんなことも全く分からない。

本来、テクノに限らず「ダンスミュージック」って、
常に「新しい音」を追い求めているべきものなんだろうけど、
でも正直、今の自分にはもうそこまでの情熱は無いと言うか、
流行の音を追っかけるのにはもう疲れたと言うのか。

そう考えるとやっぱりDJなんて止めて正解だったなぁ、と。
もっとも昔やってたと言っても
まあ遊びの延長程度でしか無い訳で
あれでDJやってたなんて言うのがそもそもおこがましいのだけど。

ディスクレビュー2006年11月28日。

2006-11-28 23:45:28 | テクノ・音楽
ここのところ、実家に帰省する度に、
実家に置き去りにしてきたCDを何枚かずつ
持って帰ってきてるのだけど、
今回持ち帰ってきたのはこの3枚。

・KRAFTWERK EXPO REMIX/V.A
・TOKYO DISCO CD/KAGAMI
・THE REPAIRED SEQUENCER/KAGAMI


[KRAFTWERK EXPO REMIX]は、
クラフトワークの[EXPO2000]のリミックス集。



ドラムン風やらアンビエント仕立てやら、
6組のアーティストによる色々な趣向のリミックスを収録。

個人的には1曲目のなんかやけに明るいメロディの
ORBITALのリミックスと、
それと対照的にストイックでダークな雰囲気の
3曲目のDJ ROLANDのリミックスがお気に入り。

…て言うかこのDJ ROLANDのリミックス。
これってまんま、彼の代表曲の[JAGUAR]だよなぁ。
叙情的でダークで硬派なデトロイトテクノ。
うん。どう考えても[JAGUAR]です。
でもこの曲の途中のギターソロみたいな部分とか
ホントかっこいい。

そう言えば、[EXPO2000]の原曲って僕知らないや…。
YMOは大好きなクセに、
同じくオールドテクノの祖と語られるKRAFTWERKには
なぜか食指が動かんのです。


カガミの[TOKYO DISCO CD]。



いわずと知れた2000年の大ヒット曲カガミの[東京ディスコ]。
これ、出た年はもうめちゃめちゃ流行ったよなぁ。
どこのクラブ行ってもありとあらゆるDJかけてたし。
僕の友人のDJとかもみんなかけてた気がする。
僕もアナログ買いました。ハイ。

そう言えばこの年のWIREなんて、
一晩で3回かかったんだよなぁ。確か。

今聴いてみてもやっぱり名曲だわ。これ。

分かりやすいだけの浅ましい流行曲なんて好きになれんけど
でもこの曲は単なる流行曲とは違う。

ディープな音楽好きをも唸らせる深い音楽性を秘めつつも
それをマニアックにならない様、
ポップで極限まで分かりやすい形に噛み砕いてうんぬん。
…なんてあーもう、そんなのどうでもイイ!!

この曲かかればもうそれだけでフロアは大盛り上がりで
踊ってる誰も彼もが皆ハッピー。
あの頃はそれだけで充分に面白かった。

オリジナルがカッコイイのは勿論だけど、
今聴いてみるとDJ ROKのリミックスが地味にカッコいい。
かなり原曲無視の(でも肝心のヴォコーダはちゃんと入る)
シンプルかつミニマルなリミックス。

そう言えばこのROKっておっさんも、
この年のカウントダウンで来日した時に
東京ディスコ(オリジナル)かけたんだよなぁ。確か。


もう一枚カガミ。[THE REPAIRED SEQUENCER]。



東京ディスコで大ブレイクする直前のカガミ。

その東京ディスコのイメージのせいか、
相方(スクラッチばっかりかます人)のせいなのか、
今となってはおバカディスコな人の印象が強いカガミ。

でもこのアルバム聴くと分かるんだけど、
実はこの人ってミニマルテクノに強い人なんだよなぁ。

ノンストップ構成でDJミックスと言うかライブと言うか
そんな感じで矢継ぎ早にトラックが入れ替わり立ち代わり
次々と押し寄せてくるんだけれど、
中盤のミニマルでストイックな展開は見もの。

かなりトライバルでプリミティブ。
踊ることのみに特化した、
テクノの最もシンプルな形態がここにある。

でも個人的にイチオシなのは
3曲目の[ELEFUNTS' DISCO 2000]。

アゲアゲな激ヤバハードディスコミニマルチューン!!(死語)

でもこの曲はマジで凄いトラックかと。
カガミの中のミニマルな部分とディスコな部分が
ちょうど美味い分量でミックスしあって、
ありえない化学反応を起こして生まれてしまった。
そんなトラックだと思う。

個人的には東京ディスコよりもむしろこっちを
カガミの代表作としてあげるべきではないかと。


しかし実家にたまに帰って自分のCD漁ると、
ホント面白いものが出てくるもんだ。

基本的に実家に置いてきた=もう聴かないだろう
と言う判断に基づいているワケなんだけれど
でもそう思ってた音に限って、
今更聴いてみると無性に面白かったりする。

と言うかむしろ、音楽に対する知識が付き過ぎてしまって、
「自分の聴く音はこうだ」と
自分の中に固定概念が出来てしまった今よりも
何の知識も無く、ただただ色々な音を追っかけてた、
昔の方が純粋に音楽を楽しめていた気がする。

だからその頃のピュアな気持ちで買ってたCDは
今聴いても楽しいのは当然と言えばまあ当然。


まあとりあえず、
今回持ってきた中でも[THE REPAIRED SEQUENCER]。
これはしばらくハマりそうな気がする。