ふたばようちえん日記 2 (園長の雑記帳)

このブログでは、幼稚園で子どもたちとかかわる中で、園長が日頃考えていることや大切にしていることを不定期に綴っていきます。

幼児期は人間性が育つ時期です

2020-09-28 11:16:26 | Weblog
 幼児は素の人間です。

 泣きたい時は泣きますし、怒りたい時は怒ります。気持ちが何かに向くとそちらに向かって走りますし、欲しいものがあったら手が出ます。おしっこがしたくなってその場でしてしまう子さえいます。ところが、幼稚園を卒業するころになると、周りの状況や相手の気持ちを考えて行動するようになったり、友達と協力し合って何かに取り組むようにさえなります。素の人間が、社会性を持った一人の人格になります。

 世の中には、人を押しのけたり自分勝手なことばかりする人もいれば、相手のことの気遣いみんなの気持ちをうまくまとめたり、周りの人を前向きな気持ちにさせたりすることができる人もいます。そのような人格の中心部分は、幼稚園を卒業するときにはすでにできあがあっています。幼稚園で過ごす3年間の間に、人とどうかかわりどのように生きていくかということを学び、身につけているのです。

 思春期になると、自分の人格を客観視する視点が育ちますので、自らの生き方を修正したり磨いたりするようになりますが、基本的な部分は、幼児期にできあがった姿のまま、一生を過ごすことになります。幼児期というのは、人間の育ちにおいて、それほど重要な時期なのです。そのため、この時期の子どもたちにかかわる教師や保育者の存在が重要になります。

 先生たちは、子どもがいけないことをした時や友達とトラブルになった時、また子どもが育っていく中で壁にぶつかった時など、子どもにていねいにかかわり、ともに考え、答えを出す手助けをしたり、励まし導いたりします。その時、一人の人格としてていねいに扱われた子どもは、人を大切にすることを学びますし、共感され思いを認められて育った子どもは、自信を持ち、人と信頼関係を作って生きていくことを学びます。

 一方で、管理的な雰囲気の中で、迷惑をかける行為を叱られてばかりで育った子どもは、自分に自信を持つことができず、周りに反発するばかりで自分勝手な行動を繰り返すようになります。素の人間だった彼らにも理由や思いがあり、未熟だったがゆえに周りとうまくかかわることができなかっただけなのですが、幼児期がそのような時期なのだということを受けとめられずに育つと、その時期に育つべき人格の中心部分が、うまく育たないままになってしまいます。

 その時かかわった先生が、どのような人格を持ち、子どもにどのようにかかわったかが、その後の子どもの生き方に大きく影響するのです。そのため、多くの幼稚園、保育所が教育方針の中心に宗教的な基礎を持っています。また、そのような基礎を持たないところでも、教育学や保育学の研修を重ね、子どもたちとどうかかわるか、またその前提として保育者としてどのように生きるかを学んでいます。

 幼稚園や保育所を選ぶとき、どんな先生がいてどのように子どもたちとかかわっているか。判断材料として一番大切なことだと思います。




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