ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
cast >> Robert De Niro, James Woods, Elizabeth McGovern, Jennifer Connelly, Darlanne Fluegel, Treat Williams, Tuesday Weld, Joe Pesci, Burt Young, William Forsythe, Danny Aiello ...
writer / director >>Sergio Leone（229min）
music>> Ennio Morricone
soundtrack >>
監督のセルジオ・レオーネ（伊）は、50本以上の作品の助監督を担当した後、'61年に監督デビュー。
'64年、黒澤明監督の『用心棒』を西部劇に翻案した『荒野の用心棒』 を世に送り出し、主演のクリント・イーストウッド（ filmography ）をスターダムに押し上げ、世界中に《マカロニ・ウエスタン・ブーム》を巻き起こした。
原作はハリー・グレイの自伝的小説 "The Hoods"。彼が服役中に書き綴ったこの実録に惚れ込んだレオーネ監督は、苦労の末「映画化権」を買い取り、10数年の構想を経て自らも加わり脚本を書き上げ、アメリカ資本で本作を製作。ユダヤ系ギャングの半世紀に及ぶ【友情】【愛】【裏切り】をノスタルジックに描いた一大叙情詩的な大作。
「私はこの作品に自分自身をイメージし、語りたいすべてを語った」と、長らく憧れていたアメリカに対するオマージュを捧げた本作は、７本しか監督作のないレオーネの遺作となった。
舞台は1930年代のニューヨーク ーーー ユダヤ系移民の少年ヌードルス（スコット・タイラー）は、ある日貧困街の仲間たちと酔っ払いから財布を抜き取ろうとするが、ある少年にそれを阻まれる。その少年はブロンクスから越して来たマックス（ラスティ・ジェイコブス）。運命的な出逢いをした二人は最初こそいがみ合うものの、やがて強い友情で結ばれ "禁酒法" の隙間をぬって荒稼ぎを続け、つかの間の栄光を手にする。
しかし、時代は変わり "禁酒法" は廃止。新たな仕事の計画を立てたマックス（ジェームズ・ウッズ filmography ）の無謀な考えに反発したヌードルス（ロバート・デ・ニーロ filmography ）は、彼を救うためにやむなく裏切り警察に通報したため、マックスら仲間は殺され、ヌードルスは街を追われることになった・・・。
やがて30年という時が流れ、年老いたヌードルスは一通の "招待状" を受け取り、再びニューヨークに戻ってくる。
かつての面影をわずかに残すだけの老人を、再び呼び戻した人物とは一体誰なのか・・・？
故郷に戻った彼を待ち受ける "真実" とは・・・・・？
少女時代のデボラ役のジェニファー・コネリー（ "Reservation Road" "Blood Diamond" "A Beautiful Mind" "Labyrinth" ）は、本作で映画デビュー。デボラ役はエリザベス・マクガヴァン（ "Ordinary People" ）。デ・ニーロに負けない存在感のジェームズ・ウッズには圧倒されます。その他、ジョー役を『ロッキー』のポーリー役でお馴染みのバート・ヤング（ "CARLITO'S WAY: Rise to Power" ）、フランキーをジョー・ペシ（ "Raging Bull" "The Good Shepherd" ）。
意外な真実を解いていく過程で過去と現在が交錯し、パンフルートの哀愁漂うエンニオ・モリコーネ（ "BULWORTH" ）の音楽や "アマポーラ" が胸に響きます・・・。
メイクが上手いのか「老け方」が自然で違和感なく素晴らしい。
それぞれの時代を再現した緻密で豪華なセットやエキストラも圧巻。
数々の逸話を残す本作は、アメリカ公開当時なぜか製作側の意図によって物語の時系が整理され、モリコーネの音楽まで削除されるという前代未聞の手抜きで、すさまじく不評でした。作品に関わった人々は口々に『製作側がフィルムを切り刻んだ』と批判、レオーネ自身も深く落胆するも、その後自ら編集し直し「3時間49分」の完全版を作り上げ再上映すると、とたんに傑作として捉えられ、レオーネの評価を高める作品となった。
ちなみに作品が長いため、劇場では途中 "intermission（休憩時間）" がありました（懐）。
本作の登場人物は確かにギャングですが、これはよくあるギャング映画ではなく、壮大なスケールと緻密な脚本で描いた "人間ドラマ" です ーーー（秀逸）。
>> Crime, Gangster, Drug Dealer - filmography（犯罪・ギャング・ドラッグディーラー 映画作品一覧）
2008-04-03
