アカデミー ~ 栄光と悲劇 ~
cast >> Halle Berry, Brent Spiner, Klaus Maria Brandauer, Obba Babatunde, Loretta Devine, Cynda Williams, LaTanya Richardson, William Atherton, Joanne Baron, Tamara Taylor, Larry Poindexter ...
director >> Martha Coolidge(115min)《TVM》
music >> Elmer Bernstein
soundtrack>>
アフリカ系アメリカ人の女性として初めて【アカデミー賞】にノミネートされた、歌手で女優の "ドロシー・ダンドリッジ"。差別と闘いながら "女優" としての成功に強い執念を燃やす一方、私生活では度重なる不幸に見舞われる彼女の波乱に満ちた半生の物語 ーーー。
原作はドロシーのマネージャーだったアール・ミルズ。ハル・ベリーが製作総指揮( "Lackawanna Blues" )・主演を務めた渾身の一作。【ゴールデン・グローブ賞 作品賞】【エミー賞 5部門】受賞作品。
物語は、ドロシー(ハル・ベリー ← 奇遇なことに'01年の "Monster's Ball" で、アフリカ系アメリカ人女性初のオスカー受賞 filmography )が、写真や切り抜きを慈しみながら、電話で自身の過去の "栄光" を振り返るかのように「本物の愛って、そのときは気づかないものね」と、語るところから始まる ーーー。
1955年 第27回アカデミー賞授賞式会場で、誰よりも輝きを放つ女優ドロシー・ダンドリッジ( "Carmen Jones" )その人がいた。女優の母(ロレッタ・デヴァイン filmography )と祖母を持つ彼女は、自らも女優の道を歩むべく、ニューヨーク "コットン・クラブ" のショーに出演。スターへの階段を徐々に上り始める。しかし頂点に近づけば近づくほど、ドロシーには大きな壁が立ちはだかり、待ち受けていたのは黒人に対する "人種差別" という、想像を遙かに絶する "屈辱" だった・・・・・。
本作の原作者で、ドロシーの才能を見出したマネージャーのアールをブレント・スピナー( "STAR TREK" シリーズのアンドロイド、データ役 "Independence Day" )、アカデミー賞にノミネートされたドロシー主演の "Carmen Jones" の監督オットー・プレミンジャーをクラウス・マリア・ブランダウアー( "Out Of Africa" "Between Strangers" )、ドロシーの最初の夫ハロルドをオッバ・ババタンデ( filmography )、ドロシーの姉ヴィヴィアンをシンダ・ウィリアムズ( filmography )、ドロシーの母の友達で「おば様」と呼ばせる意地悪な女をラターニャ・リチャードソン(← サミュエル・L・ジャクソンの妻 "Losing Isaiah" でH・ベリーと夫と共演 "The Fighting Temptations" )、そしてドロシーの電話の相手で、老いと共に衰える "美" より "知性" を求めた良き友ジェリをタマラ・テイラー( "Diary of a Mad Black Woman" "BONES"<TV>シリーズでお馴染み)が演じている。
長い目であたたかく優しく見守ってくれるB・スピナーと、野性的で力強いブランダウアーの対照的な演技は実に秀逸。アールがドロシーに言い聞かせるように "That's All" を唄うはシーンは印象に残ります・・・。
母であるより、女であるより、"女優" であることを選んだドロシー本人。
あまりにも哀しい最期が、なんとも悔やまれます・・・。