福岡事件再審運動キャンペーン「私はわらじがぬがれない」

開始から55周年を迎える「福岡事件」再審請求運動
毎年各地でおこなわれるキャンペーンのためのブログです

6月1日 東京 YMCA青少年センター

2013-06-09 22:39:56 | 日記
おまたせしました!東京の報告は私がします.
  写真は手持ちのものなので,また同じものですがご容赦を.

    

今回,東京の会では初めて袴田事件・袴田巌さんのお姉さま,袴田秀子さんと支援者寺澤さん,
またこれまで何度も足を運んでいただいている帝銀事件の支援者原渕さんをお迎えして,
事件発生から今日まで,長期の裁判を強いられているがために生じる各事件の問題と
その問題の打開方法の一つである「再審特例法」制定に向けて話し合いました.

袴田事件も帝銀事件も,熱い熱い.
女性の年齢をお話しするのも失礼ですが,
秀子さんは私の母親よりもおばあちゃんに年が近い位なのに
背筋の張りかたに象徴される機敏な動きや,細々とした気づかいに驚きました.
原渕さんも,福岡事件の飲み会では話すより飲んでいるイメージでしたが
壇上に立つ原渕さん,かっこよかったです.
まあ,福岡事件の龍樹さんも負けていませんけどね!

さて,袴田事件と帝銀事件,そして福岡事件.三者もちろん異なる点はあります.
袴田事件は物証が多い.
死刑確定の決め手となった犯行時着衣,凶器も残っていますし,
着衣に残った血痕からは幸いにもDNAが検出され,
被害者の血液と一致しないことが明らかになってきています.
帝銀事件には再審請求人がいる.
帝銀事件にも殺害時使用した茶碗等物証はありますが,
なによりも,再審開始請求の権利を有する再審請求人・武彦さんの存在は大きいです.
しかし,福岡事件には物証もなければ再審請求人もいない.

このように異なる3事件ですが,裁判の長期化による弊害を受けている点は一緒です.
袴田事件は今まさに袴田巌さんの死刑が執行されるかもしれない状況です.
彼の再審無罪が早く決まれば,現在彼の受けている苦痛はもっと少なかったかもしれない.
この苦痛は,秀子さんや武彦さんのようなご家族の方々も同様です.
物証についても,事件の経過とともに新しい証拠の発見は困難になります.
しかし,刑事訴訟法は再審の要件に新たな証拠の提出を求めている.
したがって,現存する証拠から,どうにかして新証拠を見つけないと門前払いされてしまいます.
そもそも確定審の不十分な証拠調べや理解しがたい心証形成が問題にもかかわらずです.

今回の会で話し合われた「再審特例法」はこうした長期再審の弊害を解消するとともに,
後世に同様の事案がおきても,この法律をもとに打開できるもののように感じました
現在のいわゆる「再審の波」に私達は何かを残せたのでしょうか.
DNA鑑定という技術の変化だけに終わらせてしまっていいのか.
もう少し先に手を伸ばせば届くもの,「再審特例法」はそのようなものだと思いました.

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