福岡事件再審運動キャンペーン「私はわらじがぬがれない」

開始から55周年を迎える「福岡事件」再審請求運動
毎年各地でおこなわれるキャンペーンのためのブログです

6月28日 東京 水道橋YMCAアジア青少年センター

2015-07-06 00:54:13 | 日記
遅くなってしまいましたが、東京講演会のご報告をいたします。

  

6月28日(土)福岡事件キャンペーン東京集会がおこなわれました。
天気にも恵まれ、梅雨の晴れ間太陽の日差しが眩しいなか、
多くの方にご来場いただきました。この場でお礼申し上げます。

さて、東京会場では二部構成で第一部梅雨忌と題し西武雄さんの40年法要を執り行い、
鯉沼廣行さんと金子由美子さんの篠笛献曲もしていただきました。
第二部では「私もわらじをぬがれない」というテーマで
2年ぶりに来日いただいたジョージ・ケインさんと
関東学院大学の宮本弘典教授に講演をしていただきました。

ジョージさんからはアメリカでの現在の死刑廃止状況をお話しいただくのと同時に、
この死刑廃止に至る議論の中で見出された「真実」
すなわち、刑事裁判において誤った判断を下す可能性があり
その誤りを認め改めなければ前進することはありえないという刑事訴訟の前提を
もう一度考え巡らせなければならず、その犠牲になった冤罪被害者及びその家族の
苦しみを思うとその歩みを止めることはできないといったお話しだったと思います。

続いて宮本先生からは、ジョージさんの「誤った判断を下す可能性」という話に引きつけて
刑事法の原風景でもあるドイツ刑事法改革、魔女裁判からの脱却から始まる改革の歴史
を紐解きながら、現行刑事訴訟法の使命が無辜の発見にあることを再確認したうえで
福岡事件が抱える問題や、今後福岡事件のみならず他の冤罪事件と協働して
目指すべき道筋の一端を示していただいたように思います。

濃密な講演内容をこんなにも簡略化してしまって非常に恐縮なのですが、
お二人のお話を拝聴して、福岡事件が孤立無援で絶望的状況であるというのでは
決してなく、登壇していただいたジョージさんや宮本先生、そして数々の支援者の皆様で
もっと希望をもって再審運動をやっていけるんだと感じられたのが嬉しかったです。
あと、お二人の福岡事件に対する想いが熱くて熱くて。
宮本先生の講演の熱さは、お越しいただいた方なら十二分にご存じかと思います。
ただ、ジョージさんは逐語通訳を挟んでいた分、
熱さは伝わりづらかったかなと感じています。

なので、最後にジョージさんの熱い思いが伝わるエピソードを一つ。
私は講演会前日から古川さんやジョージさん達と行動を共にしていたわけですが、
宿泊所に到着した時点で、古川さんが疲労困憊から部屋に戻られてしまい
私とジョージさんの二人でホテルのラウンジにて三次会を開きました。
ただ、非常に残念なことに私は英語勉強中、ジョージさんは日本語が分からず
お互い簡単な英語やジェスチャーでやり取りするしかない状況でした。
話はその日行ったカラオケのことから、ジョージさんがカラオケを愛してやまないこと、
今回来日されて京都から東京までカラオケに行く暇がなかったことに至りました。
私から「来日してこれまでカラオケに行けなくて残念でしたね」みたいな
英語を話した直後、急に涙ぐむジョージさん。
とにかくびっくりして硬直してしまっている私に、ジョージさんは
「西さんや石井さんは本当に残念だったね」
「西さん石井さんと古川家との信頼関係をみていると凄いことだと思う」
というようなこと、恐らく、お話しされていました。
実はもっとお話してらしたのですが、よく分からずとにかく困った顔で聞いていました。
このエピソードは笑い話であるのですが、
ジョージさんがこんなにも福岡事件のことを想ってくださるのかと
今になってしみじみ感動しています。