港に近づくにつれ、津波の凄さが伝わってくる。
空き地が増えて、所々に、津波に破壊された建物が残っている。
かつては、たくさんの建物が港を取り囲んでいた。
その女川湾付近には、横倒しになった建物が残っている。
女川港を右手に見て、左には山のように積んである、かつての町の破片の集まりがあった。
頑丈に建てたものでさえ、津波は破壊する。
堅固な堤防も、津波を制圧するのではなく、人に逃げる時間を与えるものなのだ。
自然の力は、それ程に大きい。
だが、人も自然の織り成すものの一つである。
自然の絶妙の均衡に沿って、工夫して生きることが大事なのだと、つくづく考えさせられる。
津波で、打撃を受けた港町。
それでも、女川の復興への歩みは力強かった。
豊かな海と共にある、ふるさとの物産品を再生産しようと尽力してきたのだ。
女川の魚市場は7月には再開したという。
港には、仮設事務所が置かれていた。
女川町の観光協会も動き、「おながわ再開情報」を発行している。
「おながわ再開情報」には、これまでの復興の歩みと、現状を分りやすく描いた地図も掲載されている。