田村うさぎのわくわくダイヤリー

大好きな温泉、近頃想う事、ショックだった事など等
誰か聞いてくれ・・・・・

平櫛田中展を見て~

2011-05-30 09:17:29 | Weblog
妹が趣味で仏像を彫っているので、来広したついでに

平櫛田中展を見に行った。

台風襲来にも関らず大勢の見物人が~

岡山県井原市の田中博物館に以前行った事があるので、井原からの作品がほとんど

だろうと思ったが、「鏡獅子」以外記憶に残っていなかった。



今回感銘を受けたのは、初期の作品「尋牛」。

「尋牛」は禅の教えで、人が悟りにいたる道筋を牛を主題とした十の教え

の十牛図内の一番目で悟りを求めて旅に出る姿である。

「活人箭」はよく判らないが、これも中国の古事を題材にした物だろうと思う。

弓を引く姿に、高村光雲に「弓を持たない方が良い」と言われ

とったそうだ。無い方がリアリティが増す。







彩色が無い分田中の薄幸時代の内面の葛藤や激しさが現れていたように感じた。


彩色をし始めてからは同作品が複数あり、学芸員の説明どおり

お金をもうけるための彫刻のような気がした。

うさぎの個人的な感想です。

6代目尾上菊五郎の「鏡獅子」は20年の歳月をかけたと言われている。

この作品も等身大から小品まで5~6体ある。


107歳まで生き、後30年分の木材を集めていたと言われている。

余談だが3~4年前に県立美術館で学芸員にそれを言ったら、

「いい加減な情報を信じないで下さい。」と言われた。

「お前は田中美術館に行っていないのか?」

と学芸員の勉強不足にがっかりした。


仏像は7~8体あった。

しかし、前期作品のような力強さはなく「表情がないね~」と言うと

妹は「仏像と言うものは表情を付けない方が良いのよ」と言う。

でも、お寺の仏像で「素晴らしい!」と思うものは訴えかける何かがある。

そこに宗教を超えた精神が宿っているような気がする。

「人形を彫っていると、仏像は難しいかも。」とも言う。

文化勲章を受けた作家の作品をあれこれ批判するのもおこがましいが、

鑑賞者は自分の感性で作品を観る。