仏も昔は人なりき～ 今様歌

「平家物語」巻１・祇王の章に白拍子の祇王が歌った今様がある。

「仏も昔は人なりき、われらも終には仏なり。

三身仏性具せる身と、知らざりけるこそあわれなれ」

仏も昔は人間だった。私たちも最後には仏に成れるのだ。

本来備えている事を知らずに、人の道に背いた行いをしているのは悲しいことだ。


人は生まれながらに貴人は居ないし、愚人もいない。

自分がどの様に生きるか？により人生は変わっていく。

「われは何して老いぬらん、思へばいとこそあわれなれ」

自分はいったい何をして生きてきたのだろうか？

「暁静かに寝覚めして、思へば涙ぞ抑へあへぬ。はかなくこの世を過ぐしては」

ただいたずらにこの世を過ごしてしまっては、来世の自分の身をどうしたら

よいのだろうか？



平安、鎌倉時代に今様として愛された数々の歌は現代の流行歌と言える。

仏法思想の中、仏を畏れ、敬い正しく生きようとした人々。

遊女や白拍子などにも信仰の篤さが感じられる。



神も仏もない現代の風潮は正に「末法」を思う。

明日の幸せのために、「今」を省みてしっかり生きよう


自分を省みない人には「のれんに腕押し」かな？

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