茉里子さんによって学んだことのひとつに、何かあってからでは遅いということです。お母さんの病気の進行があまりにも早かったので、茉里子さんのことをお母さんから聞けなかったことが悔やまれると坂口さんがつくづく言いました。
成人式の茉里子さん、お姉ちゃんが亡きお母さんに代わって力強く全てを支えました。
そこで、エレベーターとスプリンクラーをつけて、2階もグループホームとして使えるようになったところで、一部屋は体験部屋にすることにしました。インクルふじの利用者が、交代で利用するのです。家族も体験中に、利用者(わが子の)の特徴をケアするスタッフに伝えるのです。何人かのスタッフが入れ替わるので、関わるみんなに伝えるのです。そうすれば、いざという時に安心です。
今までも介護者に緊急な事態があれば、通所施設に利用者と利用者のことをよく分かっている職員が泊まって対応することはありました。それでも長期になると無理があるので、グループホームの空室利用としての体験部屋はいざと言うときにも力を発揮すると考えています。
私たち親は、障害のあるわが子にとって自分が一番とたいていの親は考えていると思います。私がいなくなったらこの子はどうしよう。この子より1日でも長く生きなきゃ。と考えます。
しかしながら育雄君と茉里子さんにかかわるスタッフを見ていて、「親はスタッフにはかなわない」と正直思いました。親は、自分の生活に子どもを合わせてしまいます。日々の生活の中でほとんどの時間を子ども中心ではいられません。でもスタッフは、関わっている中では本人しか見ていません。親のわが子への思い込みの視点ではなく、新しい発見を期待できるのではと思います。それがとりもなおさず、利用者の豊かさにつながるのです。
最初の頃のグループホームグッドサン、エレベーターが付いて2階も利用できるようになりました
インクルふじの最終目標の自立に向けて、法人も心して取り組む覚悟です。
津久井やまゆり園についてのブログも読んでみて下さいね http://blog.goo.ne.jp/fuji-eiko-1958/e/42756099a5a4bf359cace3c9f2accb62